MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間(2015)




シネチッタにて鑑賞


「ジャズなんて言うな
 ソーシャルミュージックだ」


「ジャズの帝王」マイルス・デイヴィス
1970年代後半、健康問題とコカインの乱用により音楽活動を休止
その空白の5年間を、史実とフィクションを織り交ぜながら描いたという作品

なんと、ドン・チードル本人が10年がかりで
監督、脚本、主演、製作者としての資金集めまでした
インディー・ムービーなのだそうです

私もCDは何枚か持っていますが
マイルスがどういう人間だったのかは知りません
でも、きっとそっくりなのでしょうね
チードルはかなり役作りをしたと思います
(まさか、本当に銃の乱射はないと思いますが)

ドラッグと酒の毎日、お金は底を尽きます
そこに、ローリング・ストーン誌の記者デイヴ(ユアン・マクレガー)が
マイルスの空白期間を記事にしようと押しかけてきます

最初は全く相手にしていませんでしたが
次第にデイヴに打ち解けるマイルス

そして過去のセッションや乱痴気騒ぎ
「サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム」のジャケットにもなっている
フランシス・テイラーとの出会いと別れなどを思い出していきます

ドラッグに溺れるミュージシャンは多いでしょうけれど
マイルスの凄いところは、全くブレない(笑)

常に進化して新しい音を追求しているのです
絵画でいえばピカソのようなものでしょうか
完璧であるものをバラバラに壊してしまい、また組み直す
そんな作業のように思えます

私などには先進的すぎて「わけわかんない」ような曲でも
聞く人が聞いたら、やはり完璧なのでしょう

エンディングのライブ・シーン
「What’s Wrong With That?」は特に見事でしたね
これを見ただけでもお金を払った価値はありました

ファンなら泣いてしまうかもしれません(笑)

凄い盛り上がりがあるという内容ではありませんでしたが
ぜひともマイルスの曲を聴いてみたくなる、そんな作品


私も劇場を出てからは
マイルスの余韻に浸りながら帰りました(笑)




やっぱり、マイルスは、いい



【解説】allcinemaより
ホテル・ルワンダ」「アイアンマン2」のドン・チードルが主演に加えて製作・共同脚本も務め、記念すべき監督デビューを飾った音楽ドラマ。“ジャズの帝王”ことマイルス・デイヴィスを主人公に、彼が活動を休止していた“空白の5年間”にスポットを当て、その謎に包まれた日々を史実とフィクションを織り交ぜ描き出す。共演はユアン・マクレガー、エマヤツィ・コーリナルディ。
 1970年代後半のニューヨーク。突然音楽活動を休止して以来、久しく表舞台から遠ざかっていたマイルス・デイヴィスの自宅に、彼の復帰を記事にしたいという野心に燃えるローリング・ストーン誌の記者デイヴが押しかけてくる。しかし、アルコールとドラッグにまみれ、体調不良に苦しむマイルスの心は、元妻フランシスの思い出から離れられなくなっていた。そんな中、彼の未発表の音源を録音したテープを発見するデイヴだったが…。