ブロンテ姉妹(1979)



1835年ごろ、ブランウェルによって描かれた3姉妹の肖像画
左からアン、エミリー、シャーロット。
エミリーとシャーロットの間にはブランウェルが描かれていたが、
彼自身の手によって消されている。


嵐が丘」(シャーロット・姉)
「ジェーンエア」(エミリー・妹)の初出版はともに1847年
「ワイルドフェル・ホールの住人」(アン・末妹)は
翌年の1848年に発表されました

姉妹は皆、男性名のペンネームを使っていました
いくら才能に恵まれていても
女性が作家になることは相当難しかったのでしょう

この3姉妹と画家を目指す兄ブランウェルを追って
物語は進行します

この映画がフランスで製作されたとき
イギリス映画界では「しまった!先を超された」と
焦ったのでないでしょうか(笑)

だけど、アジャーニにかなう女優が
イギリスにいるか?(失礼)と
自国での製作を自粛したのではないかと
想像してしまいました(笑)






ほぼ、史実に基づいて作られているのではないでしょうか
当時は教養ある女性の職業が
教師くらいしかなかったのもわかります

姉と妹のベルギーへの語学留学
そしてシャーロットの寄宿先の校長への恋心

妹たちの才能を羨み
家庭教師先での夫人とは不倫
酒と薬物に溺れていく兄

家族愛、恋愛、女性の自立がベースですが
嵐が丘」同様、陰鬱な物語
嵐が丘」同様に呪われているよう
幸せに反発をして生きているようです

決められた枠にあてはまらない
そんな反抗心が
傑作を生むのでしょうけれど

そして、才能と死というものは
いつも隣あわせ

詩的な暗喩と思われるセリフも多いので
純文学や古典文学が好きな方にもおすすめだと思います



【解説】allcinemaより
 「バロッコ」のアンドレ・テシネ監督が、イザベル・アジャーニ、マリー=フランス・ピジェ、イザベル・ユペールの共演で、『嵐ヶ丘』や『ジェーン・エア』などで知られるブロンテ姉妹の物語を描いた伝記的作品。19世紀イギリスのヨークシャーで過ごし、そして結核で死んでいった彼女たちの生涯を史実に忠実に描き出していく。