アラビアの女王 愛と宿命の日々(2015)


フランス人女優って、何歳になっても綺麗な人が多くて謎ですが


劣化が激しいハリウッドでも、いつまでもイイ女は

70歳超えても女子力高!我らが「女神」ゴールディ・ホーン様と

この人、1967年生まれのニコール・キッドマン

ここでも堂々の貫禄で20代を演じています


イラク建国の立役者である、イギリス人女性ガートルード・ベルの半生

チャーチルや(アラビアの)ロレンス普通に出ています(笑)

実際に彼らには親交があり

ガートルードは、ロレンスにとっては先輩

アラビアの部族間の政治に通じる最初の人物だったそうです




19世紀末、ヴィクトリア王朝時代

イギリスの鉄鋼王の家庭に育ち、社交界デビューした

ガートルード・ベル(ニコール・キッドマン

女性が学問の道を選ぶのが稀だった時代に

オックスフォード大学を卒業した秀才であり、詩を愛する考古学者


しかし上流階級の生活に馴染めず

叔父が公使するテヘランに向かい、砂漠に魅了されていきます

その後、イラン、ヨルダン、シリアなどを旅して、さまざまな部族と交流

やがて、第1次世界大戦が勃発

アラビアの民族関係に詳しい彼女は、政治への道へと進むことになります




最初に行ったテヘランがとにかく素敵
雨が少ない地域の利点なのでしょう

庭に置かれた、居心地の良さそうなソファー

風通しのいい部屋、蚊帳で星空を見ながらベランダで寝る

ポケットの無いビリヤードも初めて知りました


そこから「アラビアのロレンス」(1962)のような

壮大なドラマや、偉業伝が始まるのかと思ったらそうではなく(笑)


大半は恋愛にスポットを当てたもので

正直庶民から見た、金持ちの「それ」という生き方でした




テヘランでの世話係になった、紳士で語学堪能なヘンリーと

ガートルードは市場を歩き、馬の遠乗り、そしてペルシア語の授業

彼女は自分と同じくらいか、それ以上教養のある男性でなければ

受け入れないタイプ


ヘンリーはアレクサンダー大王のコインを二つに割って

ガートルードに結婚を申し込みました


しかしガートルードの父は、どこか胡散臭いヘンリーの

博打での借金、金目当てで娘を誘惑したと疑って結婚に反対します




ここらへん、借金問題で破談になりアメリカ留学した

海の王子」を思い出してしまいますが(汗)

身分的な格差結婚は、いつの時代も難しいと思います


そしてヘンリーが崖から落ちて死んだという知らせと

コインの片割れがガートルードに届けられます


ガートルードは再びアラビアに向かい

考古学とベドウィンの研究のため砂漠を旅して

今度はダマスカスの領事館のリチャードと恋に落ちるのです

リチャードは妻帯者、だけど逢えない時間が経つほどに彼を愛してしまう




危険なドルーズ族の首長を訪れる

そして大物首長のイブン・ラシードに会うべくハーイルを目指しながら

途中シャイフ・ハルブという首長の歓待を受けます


しかし、ハーイルではすでにイブン・ラシードは死んでおり政情は不安定

戦争から戻った若い首長はガートルードを妻としようとしますが

自分は既婚者であると、そこを去ります


そして1915年、ガートルードは英国アラブ局の書記官に任命され

ロレンスも上級顧問になりました

その頃、戦争は世界全体に広がり

リチャードが戦死したというニュースを知らされるのです




戦後のアラビア未来を予言し

アラビアの地図を決める仕事が課されれたガートルード

だけど、愛した男は去って行くという宿命を持った女


イラクとヨルダンの国境線は

実は悲しい恋の上にひかれたものだったのです






実際の記念撮影とガートルード



【解説】allcinemaより

 20世紀初頭という時代に女性でありながら中東を一人で旅する探検家にして考古学者、さらには諜報員としてイラク建国にも尽力した実在の英国貴婦人ガートルード・ベルの数奇な人生をヴェルナー・ヘルツォーク監督、ニコール・キッドマン主演で映画化した伝記ドラマ。共演はジェームズ・フランコロバート・パティンソンダミアン・ルイス
 19世紀後半のイギリス。裕福な家庭に生まれ、オックスフォード大学を首席で卒業した才女、ガートルード・ベル。女性はお飾りとしか見なされない退屈な社交界に嫌気が差し、父に頼み込んでテヘラン駐在公使である叔父がいるペルシャへと旅立つ。そしてすっかりアラビアの砂漠に魅了された彼女は、ペルシャの公使館で三等書記官ヘンリー・カドガンと運命的に出会い、いつしか恋に落ちる。身分が違うと2人の関係を認めようとしない父を説得すべく、一時帰国するガードルードだったが…。