ソ連初のトーキーということ
そんな誰がどう見ても明らかな
しかし、たとえそんな思惑があったにしても
素晴らしい傑作でしょう
とても感動的で、わかりやすい
ストレートに見る人の心に訴える力があります
舞台は1923年
モスクワ駅にたむろする少年たち
その目は鋭く異様に輝いています
それは金品を持っている大人を見分け盗むため
少年たちの親玉フォムカ、その愛人
襲われる女、酔っぱらい落ちぶれる男
たとえセリフがなくてもどれだけここが危険な場所なのか
悪人がどんなに悪いやつなのか
見てすぐにわかるのです
サイレント時代のカメラの技法が
よく生かされていますね
そんな行き場のない少年たちを集め
労働(シベリア鉄道の建設)させるために作られた場所コムウナ
指導者のセルゲーエフは暖かく少年たちを受け入れ
そして働くことの素晴らしさを教えようとします
やがて少年たちも物作りの楽しさを知っていきます
完成されていく鉄道
機関士になりたいと広がる夢
なのに、そこにまで悪人フォムカがやってきます
煙草と女を使い少年たちを誘惑していくのです
そして、私が見た映画の中でも
これほど完成度の高いラストシーンはそうありません
この一瞬に
人生のすべてが詰まっているのです
友情、歓喜、音楽、労働、死、哀悼
天才の仕事としか言えない
映画に対する強い愛を感じる作品でした
そして「教育」とは何かと
現代でも考えさせられてしまう
永遠のテーマでしょう
お気に入りです
【解説】ウィキペディアより