関の弥太ッペ(1955)



股旅映画の傑作。
木槿(むくげ)の花のラストシーンは
日本映画最高のワンシーンとされるそうです。

ワンショット、ワンショットが素晴らしい。
情緒的な撮影も逸品。

ストリーも感動的ですね
やさしさ、助け合い・・・
人が人に対する思いやりがとても感じられるのです。

生き別れた妹を探す弥太郎は
妹と同じ年頃の両親のを亡くしてしまった娘のお小夜を助けます。
そしてやっと居場所を探し当てた妹は死んでいました。

それから10年、やさぐれてしまった弥太郎は人を殺す助っ人をし
すっかり人格も風貌も変わってしまいました。

そして美しく成長したお小夜と再会した弥太郎。
お小夜は恩人の弥太郎を兄のように慕い
ずっと探してくれていたのです。
弥太郎に再び温かくやさしい気持ちが蘇ります。




決して相手に気づかれないようにする親切
相手を思うためにつく優しい嘘。
さっと身をひく潔さ・・
すばらしいです、粋ですよね。

本当の妹は死んでしまったけれど
お小夜には幸せになってほしい。
そのためにはやくざな自分の命など惜しくないのです。

感動したい方にはオススメ!
男の美学を語りたい方にもオススメ!

お気に入りにしちゃいます。



【解説】映画.comより
長谷川伸の小説を「番場の忠太郎」の三村伸太郎が脚色、「森繁のデマカセ紳士」の渡辺邦男が監督、「風雲三条河原」の友成達雄が撮影を担当した。主なる出演者は「王将一代」の島田正吾辰巳柳太郎、石山健二郎、「綱渡り見世物侍」の水原真知子、「身代り紋三 地獄屋敷」の宇治みさ子、花柳小菊などの他新国劇の人々。