SADA 戯作・阿部定の生涯 (1998)


 
 
大島渚監督の「愛のコリーダ」は未見です。
 
しかし、この作品の阿部定はどうなのでしょう?
実在した女性を描いているというよりも
大林監督の好みの女性を描いているようにしか思えません。笑
 
定が本当に愛したのは絞殺した吉蔵(役名は龍蔵)のはずです。
吉蔵との愛欲よりも初恋の相手の岡田に思いを寄せ続ける設定も拍子抜け。
 
だいたい定はそういう女ではないでしょう。
定でなくても女性の記憶は上書きされてしまうのです。
初恋の相手を思い続けるなんていうのは男性だけの特権です。笑
 
でも黒木瞳さんを全く脱がせずに
ここまで色っぽく撮影したのは見事でした。
だからといって、いくら綺麗な黒木瞳さんでも
14歳の少女はイタかったですが・・
 
私的には映画化するならばもっと阿部定事件を掘り下げて欲しかったですね。
映画の中でも紹介されていましたが
実際の彼女の逮捕直後の写真はある意味とても恐ろしいです。
 

 
どうして定だけでなく警察関係者もこんなに笑顔なのでしょう?
これが定の男性を虜にする魅力なのでしょうか。
 
そんなに美人にも思えないし・・・
(ひがんでいるわけではありません。笑)
 
阿部定を描いているというよりは
ただただイノセントで色っぽい黒木瞳さんを鑑賞する作品。
それ以上もそれ以下もないでしょう。
 

 
【解説】allcinemaより
神田の畳屋の娘・定は、14歳のとき、慶応ボーイの斎藤に処女を奪われる。そんな定を慰めたのが医学生の岡田で、定は岡田に恋をする。が、彼はハンセン氏病で、定の手に医療用ナイフを残して姿を消す。芸者から売春婦になった定は各地を転々、やがてパトロンの立花の勧めで料亭“きく本”に住み込みで働きだす。しかし定は主人の龍蔵と深い仲になり……。昭和11年、女性が男性性器を切り取り殺害したとして日本中を震撼させた事件の真相を描いた愛憎ドラマ。