このての作品は評価が分かれると思います
子どもが主人公の映画ですが、ドライな感覚で
日本の子どもにはまずウケないでしょう
カメラワークも含めて、完全に主人公セザールの視点で
10歳なりの解ったような口ぶりの人生哲学
そのため、ラストに繋がるまでの大人達の事情や
まわりの人間の心理的な移り変わりは一切説明がないので
見ているほうが想像で補完するしかありません
なのにモルガンと妙に馴れ馴れしくしたり
そうかと思うとセザールに優しくしたり
冒険旅行への出発時には
セザールだけ追い返そうとしたりします
サラの気持ちが読めず、サラの行動に一喜一憂するセザール
なるほど、男性が女性のことを理解できないというのは
こういうことなのね(笑)
単に真実を言っただけでも、男の子の心は傷ついてしまうのです
マリア・デ・メディロスがお母さん役で
セザールとモルガンが「パルプ・フィクション」を見るところ(笑)
そして冒険旅行中のセザール達を助けるパンクなおばあちゃんが
見終えるまで全く気が付きませんでした
周りに合わせる事を求める大人と、それに疑問をもつ子ども
それがラストではカラフルな風船になり、自由に空に飛んでいきます
こういうアートさもフランス流でした
【解説】allcinemaより
10歳の少年が繰り広げる冒険の数々を、子どもの目線で描いたハートウォーミング・ストーリー。習い事やおつかい、あるいは友情や初恋といった少年にとっての様々な冒険に満ちた日常が、好奇心いっぱいで少し大人びた主人公のモノローグでユーモラスに綴られていく。監督はフランスの名優リシャール・ベリ。これが自身長編2作目。
少年の名前はセザール・プチ。10歳半、1m39cm。学校ではまるで目立たない存在だった。親友のモルガンは反対にかっこよくて成績優秀。でもそんな彼にも、自分の父親を知らないという悩みがあった。セザールは現在、転校してきたばかりの美少女、サラに恋していた。しかし彼女にどうアピールしたらいいか分からず悩んでいた。ある日、セザールは父が刑務所に連れて行かれたと思い込み学校のみんなから同情を買い、一躍ヒーローに。ところがそれが勘違いとわかり、評判は一気に落ちてしまう。しかし、モルガンとサラだけは優しくなぐさめてくれた。やがて3人はモルガンの父親を捜しに、ロンドンへ向かうのだったが…。