テラビシアにかける橋(2007)


 
 
小学生高学年向け。
 
だけれど男の子ってこういう不思議なキモチワルイ謎の生物の絵を書くよなあとか
夢想にふけって人の話を聞いていないよなあとか
大切なものをどこかに置き忘れて、よくなくしてしまうよなあとか
男の子の生態が世界共通なんだなあと
しみじみ共感はしてしまいました。笑
 
学校では友だちもいなくいじめられ、
家では父親とウマが合わずに疎外感を感じている12歳のジェスと
隣に引っ越してきたクラスメイトの女の子レスリー
絵を描くのがうまいジェスと物語を作るのが得意なレスリー
意気投合し家の近くの森にテラビシアという空想の国を作るようになります。
 
個性的で、可愛くって、誰にも負けない強いレスリー
輝く笑顔にジェスは淡い恋心もいだいたでしょう。
いままで地獄と思っていた学校も、空虚な授業も楽しいものに。
けど憧れの音楽教師と美術館に出かけたその日
レスリーはひとりテラビシアに行こうとして途中の川に落ち死んでしまいます。
 
どうして?
 
レスリーの突然の日は死はジェスも
そして見ている私たちも受け入れることはできません。
突然好きな人がいなくなってしまったことが信じられない。
レスリーを探すためにテラビシアに行くジェス。
だけど叫んでもレスリーは現れない・・・ウルルン
 
ジェスを少しづつ、時間をかけて襲ってくる
深い哀しみ。
 
無関心だと思っていた父親
さんざんいじめてきた上級生の大女
(すっごいブスだと思ったのに、途中からなんだか可愛く見えたなあ。笑)
いじめっこの味方ばかりの担任の先生やバスの運転手
いままでサイテーだと思っていた人間たちが
ジェスにやさしい手を差し伸べます・・・ウルルン×2
 
子どもの頃のファンタジーの世界はやがて消えてなくなり
成長することを余儀なくされ
だんだんと現実を受け入れるようになるのです。
 
少年は親友の死を乗り越えることで大人になり
幼い妹に大切なテラビシアを残したのだろうか・・
私はそう解釈してみました。
 
音楽の授業で歌う
U2の「Why Can't We Be Friends?」や
ティーブ・アールの「Someday」の歌詞が
この作品のテーマになっていましたね。
 
やっぱりU2はいいなあ。
でも「WAR」が小学校の授業にふさわしいかどうかは
わからないけれど。笑
 

 
なぜ僕らは友だちになれないんだろう・・
 
 


 
【解説】allcinemaより
キャサリン・パターソンの同名ロングセラー児童文学を映画化した感動ファンタジー・ドラマ。多感な少年期の主人公が大人びた転校生の少女に気後れを感じながらも、ふたりで森の中に空想の王国をつくり互いの絆を深めていく姿を、ファンタジックな映像表現の中に年頃の少年少女のリアルな心情描写を盛り込みほろ苦くもエモーショナルに綴る。主演は「ザスーラ」のジョシュ・ハッチャーソンと「きいてほしいの、あたしのこと ウィン・ディキシーのいた夏」のアンナソフィア・ロブ。監督は「ラグラッツ」などのアニメ作品の製作で定評のあるガボア・クスポ。これが実写映画監督デビュー。
 田舎の町の貧しい家庭に育った小学5年生の少年ジェス。学校ではいじめられ、女ばかりの家の中でも疎外感を抱き、孤独な日々を過ごしていた。そんなある日、彼は隣の家に引っ越してきたばかりの風変わりな転校生の少女レスリーと出会う。裕福な家庭の一人娘で自由奔放な彼女とジェスは何もかも対照的だったが、次第に仲良くなっていく。やがてふたりは小川を越えた森の中に分け入り、そこでふたりだけの空想上の王国“テラビシア”をつくり上げ、王と王女として君臨して冒険に満ちた楽しい時を過ごすようになるのだったが…。