原題は「The V.I.P.s」(Very Important Person=重要な人物たち=要人)
この邦題はいいですね
ロンドンのヒースロー空港
若い賭博師と駆け落ちしようとする
結婚13年目を迎える経済界の大富豪の奥様
脱税のため英国を離れたい映画製作者と女優
大手企業に買収される寸前のトラクター会社社長と秘書
巨大な屋敷の維持費が悩みの公爵夫人
緊急事で今日中に旅立たなければならない人々が
霧のため飛行機が立往生してしまうという災難に見舞われてしまう
しかもこれが、「風と共に去りぬ」(1939)のヴィヴィアン・リーが
愛人ピーター・フィンチと飛行機で駆け落ちしようとした時(1938頃)
霧のため離陸できず、夫のローレンス・オリヴィエの元に戻ったという実話を
ヴィヴィアンとオリヴィエ共通の友人で劇作家の
テレンス・ラティガンのオリジナル脚本による映画化
夫婦の痴話喧嘩を、お金のためだか何だか知らないけれど
他人がネタにするとは悪趣味だとは思うけれど(笑)
ヴィヴィアンとオリヴィエを演じれるのは
やっぱりリズとリチャード・バートンしかいない
しかもオリヴィエとバートンに同性愛関係説があったというおまけつき
コメディリリーフは、まさかのオーソン・ウェルズ御大
好きでもないおバカ女優との結婚に萎える姿はなかなか可愛い
本作のリチャード・バートンもだけど、デキと思っていた男ほど
女に弱みを見せると、女は助けたくなるのだろうな
ストーリーは、ロンドンに住むフランセス(エリザベス・テイラー)が
大富豪のポール(リチャード・バートン)から
旅に出るたび宝石を贈られる、愛される妻の姿から映し出されます
だけどその日フランセスは、賭博師でプレイボーイのマークと
アメリカに駆け落ちしようとしていました
しかし霧のため明朝まで飛行を延期
フランセスからの別れを書いた置手紙を読んだポールは
拳銃を持ってホテルに駆けつけます
妻の不貞を冗談だろうと言い
手切れ金としてマークに小切手を書こうとする
しかし金で全てを解決しようとしていた自分を反省し潔く別れを決意
ニューヨーク宛にフランセスへの手紙を書きます
その手紙をホテルの受付が間違って、フランセスが旅立つ前に渡してしまいます
ポールの傷心を知ったフランセスは、夫の元に帰ることを決意
映画監督は新進女優と入籍することで税金を安くあげることに成功
次のロケ地を侯爵夫人と交渉成立
侯爵夫人は屋敷の維持費が得られたので旅行を取りやめ
買収される寸前だったトラクター会社社長は
ポールからの突然の小切手で窮地を救われ秘書にプロポーズ
お金と愛で、いろいろな問題の決着がついて
愛だけあっても、お金も仕事もないマークはひとり寂しく旅立つのでした
この頃のリズ(30歳)はすでに体系が逞しくなってきており
ジバンシイのピンクのドレスが似合わないという現実はおいといて(笑)
ヴィヴィアンやリズのような女と、お金がなくても結婚できると思うのが間違い
そして何より、13年変わらなかった夫が変われるかというと
それはありえないわ(笑)
【解説】KINENOTEより
「求むハズ」のアンソニー・アスキスが監督した人生ドラマ。撮影も「求むハズ」のジャック・ヒルドヤード、音楽は「エル・シド」のミクロス・ローザ。脚本は現在華々しい活躍をみせているイギリスの劇作家テレンス・ラティガンのオリジナルである。出演者には「バターフィールド8」のエリザベス・テイラー、「史上最大の作戦」のリチャード・バートン、「恋の手ほどき(1958)」のルイ・ジュールダン、「第3の男」のオーソン・ウェルズ、「ローマを占領した鳩」のエルザ・マルティネリ、「鳥」のロッド・テイラー、久しぶりのリンダ・クリスチャンなど。製作はアナトール・デ・グランウォルド。