監督はなんと日本人女性。
元NHK職員、教育番組用の取材で
ヴォーゲル・コレクションの存在を知ったそうです。
しかも郵便局員と公立図書館の司書という元公務員同士。
私たちにも、収入はいかほどのものかは想像できますよね。
その月給の中で、気に入った美術品を
手に入れることができる価格のものを
アパートに入る大きさのものを
コツコツと収集していく・・・
これって、想像しただけでワクワクします。笑
そして、この映画がうまく描いているのは
数々の芸術作品以上に素晴らしいと言える
ハーバード(ハーブ)&ドロシー・ヴォーゲル夫妻の
存在なのです。
まさに理想のパートナー。
可愛くって、愛らしくって、愛情豊かで
お互いにも、アートにも、芸術家にも
(夫婦が好きな)動物にもやさしい。
私は年齢とともに生き方が
顔や姿に出るものだと思います。
年をとったら外見でごまかしはきかない。
不摂生は体系にでるし、性格は顔に出るのです。
ハーブとドロシーだって、決して美男美女なカップルではありません。
ハーブは寡黙でおちびさん、ハンサムとは言えないでしょう。
でもドロシーは彼の容姿も才能も褒めまくります。
ふたりには外見以上に尊敬しあうものがあるのです。
先見の明がある生き方が現れた
ふたりの顔はとてもチャーミング。
アート界のマスコットと、業界の人間が言うのも納得。
誰が見ても好きな顔なのです。
こんな素敵な夫妻を見たなら、才能あるアーティストが
思わず安価で作品を提供してしまうのも頷けるでしょう。
しかも美術に対する着眼点が
それを描くアーティストと一致してしまうのですから。
ハーブは天才。
それを支えるドロシーは女神。
ふたりは美しいものを世に伝えるために
天から派遣された伝道師なのでしょう。
お金だけではない、最高の幸せがここにあります。
悔いのない人生、私たちも送りたいですね。
【解説】allcinemaより