原題は「Wallace & Gromit: Vengeance Most Fowl」
(ウォレス&グルミット:復讐に燃える鳥)
前作の「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」(2005)から
(アカデミー賞長編アニメーション賞受賞作)19年ぶりの続編
クレイ・アニメって、制作に時間がかかるものなので
そうそう新作は、ましてや長編となるとできないのでしょうね
一見よくあるキッズの向けの楽しいアニメなのですが
オールドファンがクスっとしてしまうネタもちらほら
ウォレスの発明品は「モダンタイムス」みたいだし
(何でも機械に任せる風潮への痛烈な批判というのも同じ)
刑務所内で身体を鍛えるフェザー・マッグロウは「ケープ・フィアー」
ノーボット剪定した庭木が綺麗な形になっているのは「シザーハンズ」
ノーボットを「EVIL」に変えた時
モニターの緑の数字が縦に流れるのは「マトリックス」
レーダーに映し出され迫ってくるノーボットたちの影は「エイリアン2」
忠犬グルミットのオートバイに乗ってボートとのチェイスや
水路橋での宙吊りアクションは、イーサン・ハント
もしかしたら本場の「ミッション・イン・ポッシブル」より
こっちのほうが面白いかも知れない
(ペンギンはデッドレコニングPART1 のガブリエルね 笑)
ツウの方なら、もっとたくさんのパロディを見つけられると思うので
宝探しの気分で鑑賞するのもいいかもですね
「ペンギンに気をつけろ!」(1992)で
(アカデミー賞短編アニメーション賞受賞)
ブルーダイヤモンドを盗んで捕まったペンギンのフェザー・マッグロウ
終身刑を言い渡され刑務所(動物園)に入れられます
壁には逮捕に貢献したウォレスとグルミットの新聞の切抜き
フェザー・マッグロウは懸垂で鍛えながら
ウォレスとグルミットに仕返しする機会を伺っていました
(BGMも「ケープ・フィアー」 笑)
ウォレスは新発明の(妖精ノームをモチーフにしたお手伝いロボット
「ノーボット」を完成
お掃除や庭の手入れなどを猛スピードでこなします
やり過ぎでグルミットが手入れをしていたガーデンも一掃してしまうのですが
ご近所さんからは「家にも貸してほしい」と評判になりなります
ウォレスはノーボットを使い商売を始めれば、請求書の支払いが出来ると
営業車に書かれたのは「ウォレスとノーボット」の文字
ちょっと微妙なグルミット
さらに就寝中、充電タイムのうるささにイラッとしたグルミットは
ノーボットを移動しコンセントをパソコンの充電器に刺してしまします
ノーボットの活躍をテレビで見たフェザー・マッグロウは
マジックハンドを使い(ウォレスの発明よりすごい 笑)
寝ている看守のパソコンからウォレスのコンピューターシステムをハッキング
ノーボットの基準を「良い」から「悪どい」に変更します
悪どいノーボットは、悪どいクローンノームを大量生産
ノームのお手伝い先や町中で泥棒事件が続発します
被害者から犯人はノーボット、主犯はウォレスだと疑われますが
定年間近のマッキントッシュ警部は
ブルー・ダイヤ展の警備を引退前の晴れの舞台にする事のほうが重要
警部から「自分の直感を信じろ」と教えられた新米婦人警官のムカジェーは
事件に疑問を抱き独自に捜査しようとします
「ボクは犯人じゃない」と意気消沈しているウォレスの汚名を晴らそうと
グルミットもノームたちを調査しようとすると
ノームたちは家の地下に巨大な倉庫を作り
盗んできた鉄筋や道具で潜水艇を作っていました
ウォレスに知らせに行ったときには、すでにもぬけの殻
ノームたちは下水道から潜水艇でフェザー・マッグロウを迎えに行き
グルミットは捜査のため警察に没収されたウォレスの発明品の中から
ノームの追跡装置を取り戻し動物園まで行くと、木の枝に隠れ中を伺います
グルミットを発見しフェザー・マッグロウは
ノーボットに木を切りグルミットを落下させるよう命じると
一緒に落ちた衝撃でノーボットはリセットされ「良い」ノーボットに戻ります
脱走したフェザー・マッグロウはブルー・ダイヤモンドを取り戻しに向かいます
マッキントッシュ警部はダイヤを博物館に保管したものと思っていましたが
袋の中身はダイヤでなくカブでした
フェザー・マッグロウが逮捕される前に中身をすり替え
ウォレスの家に隠していたのです
フェザー・マッグロウはダイヤを回収し
ウォレスとグルミットはノームに捕らえられ
ワードローブに閉じ込められてしまいます
グルミットはリーフブロワーの風力を利用し
ウォレスとノーボットを連れて脱出すると
運河のマリーナに停まっているナローボートに乗り込み
フェザー・マッグロウを追いかけ
そこでウォレスはブーツを使ってノームをリセットする機械を発明
ノームに向かってブーツを次々発射します
グルミットがフェザー・マッグロウのボートに飛び乗りダイヤの入った袋を奪うと
警察が運河を封鎖、フェザー・マッグロウはボートを水道橋から脱線させます
その衝撃で宙吊りになるグルミット
ウォレスはグルミットにダイヤの入った袋をフェザー・マッグロウ渡すよう説得します
袋を受け取ったフェザー・マッグロウはボートから貨物列車に飛び降りて逃げ
落下したグルミットはノーボットとノームたちに救出されます
フェザー・マッグロウは貨物列車で袋の中身がダイヤではなくカブだと知り
(ダイヤはグルミットがポケットに隠していた)
マッキントッシュ警部はムカジーが「自分の直感を信じた」行動を称賛し
彼女に席を譲って引退
ノーボットとノームたちはグルミットの庭を元の通り
花いっぱいに戻したのでした
なお、フェザー・マッグロウはいまだ指名手配中
次の続編がまた20年後だったら、見れるかどうかわからないな(笑)
【解説】映画.COMより
とぼけた発明家のウォレスとしっかり者の忠犬グルミットが繰り広げる騒動を描く、ニック・パーク監督とアードマン・アニメーションズによる人気ストップモーションアニメ「ウォレスとグルミット」シリーズの長編作品。同シリーズの長編作品としては、アカデミー長編アニメーション賞を受賞した「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」以来、およそ20年ぶりの2作目となる。
ウォレスの新たな発明品、お手伝いロボットのスマートノーム(賢いノーム)「ノーボット」が、ある時、なぜか意思を持ち始め、暴走を始めた。そのせいで彼らの周囲では不審な事件が次々に発生し、ウォレスが犯人だと疑われてしまう。忠犬グルミットは、ウォレスを救おうとすぐさま行動に出るのだが、一連の出来事の陰では、ウォレスとグルミットに恨みをいだく、あの犯罪者が糸を引いていた。
アカデミー短編アニメーション賞を受賞した「ペンギンに気をつけろ!」のペンギン、フェザー・マッグロウが再登場し、ウォレスとグルミットに仕返しを企む。ウォレス役の声優は2017年に他界したピーター・サリスに代わり、ベン・ホワイトヘッドが新たに務めた。Netflixで2025年1月3日から配信。第97回アカデミー長編アニメーション賞ノミネート。
2024年製作/82分/イギリス
原題または英題:Wallace & Gromit: Vengeance Most Fowl
配信:Netflix