原題は「Spider-Man: Across the Spider-Verse」
2018年公開の「スパイダーマン:スパイダーバース」では
完全に新しいことをやってくれたと興奮しましたが
さらにパワーアップ、圧倒的な創造性の爆発を見せてくれたという感じ
それはもう始まってすぐ2倍速か?というくらいの速さで(笑)
実写から、レゴ、「スパイダーバース」で登場したスパイダーマンたちの他に
恐ろしい数のスパイダーマンが現れては消えていくという
莫大なイメージと、スピード感と、巧みな視覚演出
うちの息子もですが、今の若い人って映画を倍速で見るんですよね
普通の速さじゃ物足りないそうです
(オンラインゲームのスピードに慣れきってしまってる)
そういう若者のニーズにしっかり答えてると思います
それに対して残念なのが日本語字幕
面白くしたいという気持ちは伝わりますが
笑いのセンスが「親父ギャグ」みたいで寒すぎます
小学生でもわかる「OH!NO」の吹き出しに「マジで?」の字幕も
そのまま「オー!ノー」でよかったのでは
こういう大胆な映像表現の作品には、思い切って若い翻訳家か
若者の監修を入れたほうが正解でしょうね
逆におじさん、おばさんが見たら
理解できなくなってしまう可能性もありますが(笑)
ストーリーはメインの登場人物(それがまた多い 笑)の
ポジションさえしっかり掴んでおけば、複雑なことはありません
主人公のマイルズは15歳、理系の高校生
スパイダーマンの活動と勉強の両立が大変
さらに両親と(おたがい大切には思っているけど)意見があわず対立ばかり
父親の誕生日と警部昇進のお祝いのパーティの日に
「スポット」と名乗る空間に穴を開けるヴィランと戦い撃退はしたたものの
パーティに遅れたうえ、父親に口答えして外出禁止になってしまいます
(一瞬で約束は破られる 笑)
辛いときに思い出すのは、アース65に戻ってしまったグウェンのこと
そのグウェンがマイルズに会いに来てくれました
グウェンもまた、かって親友だったピーターが死んだとき
警察部長=父親に目撃されてしまい
父親からグウェンがピーターを殺したのではないかと嫌疑をかけられられ
苦しんでいたのです
でもグウェンがマイルズのいるアース1610にやって来た本当の理由は
アース928にある(国連のような)スパイダーマンの集合体
「スパイダー・ソサエティ」からの使命で
「スポット」を生み出したアルケマックス社の
粒子加速器の事故を探るためでした
マイルズは密かにグウェンを追い
アース5010にある「ムンバッタン」へのポータルを通過すると
「ムンバッタン」のホビー・ブラウンと知り合い
そこに現れたスポットと戦うことになり
マイルズはホビーのガールフレンド、ガヤトリの父親
シン警部を助けることに成功
それからマイルズはグウェンとホビーと共に
「ソサエティ」のリーダー的存在でみあるミゲルに会いに向かうと
そこには幼い娘メイデイを連れたピーター・B・パーカーもいました
多元宇宙の保護を任務とするミゲルは
スパイダーマンの物語には決まりがあり
そのひとつが警察部長の死であり、シン警部を助けたことは
マルチバースを崩壊させる可能性があると教えられます
それは警察部長になる父親も殺されるということを意味していました
アース1610に戻って父親を助けようと逃げ出すマイルズ
マイルズを追うミゲルは
マイルズはスパイダーマンになるべきではなかった
異端分子だと告げます
マイルズ噛んだ蜘蛛はアルケマックス社の科学者
ジョナサン(後のスポット)の実験によって次元を超えたアース42の蜘蛛で
そのせいでアース42にはスパイダーマンがいなくなってしまった
しかもそのことはすべてのスパイダーマンが知っていました
知らなかったのはマイルズだけ
マイルズはマーゴ・ケスの助けを借りアース928を抜け出し
なんとかニューヨークにたどり着きますが
そこは犯罪で満ち溢れていて
死んだはずのアーロンおじさんが生きていて、父親は亡くなっていました
さらにもうひとりのマイルズが現れます
マイルズが戻ったのはもとの地球じゃない、アース42だったのです
「ソサエティ」をクビになり、父親のいるアース65に送り返されたグウェン
父親は警察部長を辞めたと(父親が死ぬことから免れるということ)
ピーターの死も誤解だったとグウェンに謝り、ふたりは和解
そこにホビーから(多元宇宙を移動できる)ポータルウォッチが送られてきます
グウェンはマイルズを助けるため
スポットの攻撃からアース1610を守るため
かっての仲間ピーター(とメイデイ)、パヴィター、ホビー、マーゴ
スパイダーマン・ノワール、ペニー・パーカー、スパイダー・ハムを呼び
再びチームを結成したのでした
これは期待しかない終わりかた(笑)
次は必ず劇場に行きます
【解説】映画.COMより
ピーター・パーカーの遺志を継いだ少年マイルス・モラレスを主人公に新たなスパイダーマンの誕生を描き、アカデミー長編アニメーション賞を受賞した2018年製作のアニメーション映画「スパイダーマン スパイダーバース」の続編。
マルチバースを自由に移動できるようになった世界。マイルスは久々に姿を現したグウェンに導かれ、あるユニバースを訪れる。そこにはスパイダーマン2099ことミゲル・オハラやピーター・B・パーカーら、さまざまなユニバースから選ばれたスパイダーマンたちが集結していた。愛する人と世界を同時に救うことができないというスパイダーマンの哀しき運命を突きつけられるマイルスだったが、それでも両方を守り抜くことを誓う。しかし運命を変えようとする彼の前に無数のスパイダーマンが立ちはだかり、スパイダーマン同士の戦いが幕を開ける。
オリジナル英語版ではシャメイク・ムーアが主人公マイルス、ヘイリー・スタインフェルドがグウェン、オスカー・アイザックがミゲルの声を担当。第96回アカデミー長編アニメーション賞ノミネート。
2023年製作/140分/G/アメリカ
原題:Spider-Man: Across the Spider-Verse
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント