ピーターラビット(2018)

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原題も「PETER RABBIT

私のような毒女が、自分から選ぶような作品ではありませんが(笑)

同じソニー・ピクチャーズ・アニメーション制作の

スパイダーマン: スパイダーバース 」(2018)が傑作だったので鑑賞


ポターの絵本を読んだことのない人でも

キューピーのCMや、ウエッジウッドの食器などでお馴染み

その世界観や愛らしいキャラクターのファンも多いと思いますが

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これはヒドイ(褒めています)

いい意味で裏切られました

「テッド」(2012)のように下ネタのオンパレードじゃない

ギャグ加減は私的なツボにハマりましたし

うさぎたちの敵に対する野生の本能(かなりワル)丸出しの時と

飼い主(ここではビア)だけに見せる甘えた顔の使い分けの巧さ

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トイレの水を飲む男で登場のトーマス

ハロッズベアへの容赦ない攻撃

ハロッズもよく協力したな 笑)

うさぎたちとトーマスの、殺しをかけた派手な戦い

 

好きなシーンは道路に出た鹿が

「ヘッドライト ヘッドライト」と呟くところ

これ田舎に住んだことのある人なら経験あると思うけど

野生動物って本当に車の前で立ち止まりまるんですね

そこに「ヘッドライト」というセリフを思いついたのが素晴らしい

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舞台はイギリスの湖水地方

ピーターと、三つ子の妹(ジャケットの色)

フロプシー()、モプシー()、カトンテール()

いとこのベンジャミン(茶)は

マクレガーさんの畑から野菜を盗むのが日課

マクレガーさんのほうも、うさぎ退治が日課

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しかしピーターとの戦いの末(本当の原因は高年齢と食生活)

マクレガーさんが心臓発作で死んでしまいます

ピーターら野生動物たちはマクレガーさんの畑と屋敷を占領

パリピ(パーティ・ピープル)と化して楽しんだのもつかの間

ハロッズをクビになり、マクレガーさんの土地と屋敷を相続した

甥っ子トーマスがやって来ます

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彼は超潔癖症のこだわりクンで

何かの拍子でうまくいかないことがあると、キレてしまう

畑を荒らすピーターたちを害獣だと、追い出す決意をします

お隣に住むビアは、湖水地方とそこに住む動物たちを

こよなく愛する画家で「うさぎとなかよくしてね」のお願いを込めて

トーマスにプレゼントの双眼鏡を持って引っ越しの挨拶に行くと

意外にもビアはトーマスと意気投合

しかもだんだんと恋人のように親しくなっていく

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ビアのことが大好きなピーターの

トーマスへの嫌がらせは激しくなっていきます

トーマスのほうも罠を仕掛け、電気の柵を張り巡らせ

あらゆる駆除対策をするのは、リアル農家VS野生動物との知恵比べ

だけどピーターのほうが上手でトーマスはやられっぱなし

ピーターをやっつけるためトーマスは

大量のダイナマイトまで仕掛けることになります

(イギリスには、うさぎ用ダイナマイトがある?)

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ブラックベリーのアレルギーについての描かれ方はかなり批判され

ソニーも謝罪したそうですが

だからといって該当シーンをカットすることなく

オリジナルのクオリティを尊重するのは

批判や不祥事があれば、なんでもかんでもカットする

日本と意識の違うところ


ピーターはビアにトーマスのうさぎ嫌いをわかってもらおうと

自らダイナマイトのスイッチを押します

しかし爆発はピーターたちの家を破壊し、倒木はビアのアトリエを直撃

ビアの書いた大切な絵までダメにしてしまいます

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ビアはトーマスの言い訳も聞かず、彼を激しく罵り

トーマスはロンドンに戻り、ビアも湖水地方を去る決意をします


ほんの悪ふざけのつもりだったのに

ビアの愛情を取り戻したかっただけなのに

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今の自分があるのは、ベンジャミンや妹たちのおかげなのに

忠告も聞かず暴走して、みんなを巻き込んでしまった

そのときピーターははじめて

自分のやり方が間違っていたことに気付きます


そしてどうにかトーマスをロンドンから呼び寄せ

ビアを引き留める作戦を立てるのです

ロンドンは案内役のネズミまで紳士(笑)

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しかしハロッズに再就職したトーマスは、ピーターと再会して再びパニック

しかも今度はうさぎ様と会話まで成立

ついに自分は狂ってしまったのか・・

ハロッズもよく協力したな、その2 笑)


主演のドーナル・グリーソンは、ここまでバカやっても上品さが残っていて

この先いい役に恵まれればブレイクするかもしれない予感

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ピーターはどうにかトーマスを説得し連れ戻し

(内ポケットがあるんだね)上着から取り出したスイッチをビアに見せ

ダイナマイトを爆発させたのはトーマスでないことを知らせ

和解するのに成功させます


そこにトーマスの屋敷を購入した夫婦がやって来てしまい

ピーターたち野生動物は集合しまたもやパリピ化(笑)

屋敷と畑を荒し、夫婦を追い出すのでした

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トーマスは村で念願のおもちゃ屋を開店

そのなかでも、ビアの書いたうさぎのイラストは注目され

彼女は絵本作りをはじめることになります


実写とCGとイラストの違いの

使い方や繋ぎ方にも違和感を感じることなく

最後までテンポよく楽しい

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破壊無くして、新しいものは作れない

ファンタジーの世界に、リアリティをぶち込み

名高い世界の名作をギャグにしてまう勇気

 

ディズニー(ピクサー)も、ジブリも飽きた

エヴァンゲリオン」新劇場版も完結を迎えた

これからの新しいアニメの世界は、ソニーが築いてくれるのかも知れない

そう期待してしまいます




【解説】allcinema より

 ビアトリクス・ポターの名作絵本をCGと実写で映画化したコメディ・アドベンチャー。イギリスの美しい湖水地方の田舎町を舞台に、画家のビアや仲間たちと楽しい毎日を送るウサギのピーターが、都会からやって来た神経質な青年トーマスと、自分たちの快適な生活を守るべく熾烈な攻防を繰り広げるさまとを、ビアとトーマスの恋の行方とともにコミカルに描く。出演はローズ・バーンとドーナル・グリーソン、声の出演でジェームズ・コーデン、マーゴット・ロビーデイジー・リドリー。監督は「小悪魔はなぜモテる?!」「ANNIE/アニー」のウィル・グラック
 ピーターはイタズラ好きの陽気なウサギ。美しい自然の中、仲間たちや心優しい画家のビアに囲まれ幸せな日々を送っていた。そんなある日、大都会ロンドンから青年トーマスが引っ越してくる。潔癖症で動物嫌いの彼は、さっそくピーターたちを追い払いにかかる一方、美しいビアに一目ぼれ。彼女の前では仲の良いふりをしながら、互いの意地とプライドをかけた壮絶なバトルを展開していくピーターとトーマスだったが…。