裏切りのサーカス(2011)




ここでいう「サーカス」とは英国諜報部のこと

70年代を再現したような映像はいいですね
この雰囲気にはすぐ引き込まれました
しかし難しい映画でした

大筋は諜報部内にいるソビエトの二重スパイ
「もぐら」を探せというものですが、あまりにも情報量が多い
原作を読まなければ正確な理解はできないのではないでしょうか
村上春樹さんも原作のファンなのだそう)

しかも同性愛色がとても強い
同性愛をスパイの世界に例えたものなのかと
思ってしまいます

しかし変態映画としてはかなり上質
エレガントでかっこいい

愛と憎しみ、理想と現実
裏切り、陰謀
いろいろな感情が渦巻きながらも
ロマンチックで哀しい

サスペンスとしても重厚で
(ピーター・ギラムとリチャード先生との関係以外では)
ゲイの物語とは気が付かない人も
多いのではないかと思います





そして、なんといってもラストシーンが逸品
錯綜する過去と現在

愛する人は裏切り者だった
頬をつたう涙

フリオ・イグレシアスの歌う「La Mer」が
映像と融合して素晴らしい効果をあげています

私にとっては、たとえ難解でも
「雰囲気だけで酔える映画」でした

名優たちの渋い演技もキマっており
おじさま萌えもばっちりでございます(笑)



【解説】allcinemaより
1979年に英国BBCでドラマ化されたジョン・ル・カレの傑作スパイ小説『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を「ぼくのエリ 200歳の少女」のトーマス・アルフレッドソン監督で映画化したサスペンス・ドラマ。東西冷戦下の英国諜報部<サーカス>を舞台に、ソ連の二重スパイをあぶり出すべく繰り広げられる緊迫の頭脳戦とスパイの世界に身を置く男たちの過酷な生き様を、ゲイリー・オールドマンコリン・ファースジョン・ハートら英国が誇る実力派俳優陣の豪華競演とストイックな演出でスリリングかつ緊張感いっぱいに描き出す。
 英国のMI6とソ連KGBが熾烈な情報戦を繰り広げていた東西冷戦時代。英国諜報部<サーカス>のリーダー、コントロールは、長年組織に潜んでいるソ連の二重スパイ“もぐら”の情報を掴むも独断で作戦を実行して失敗、責任をとってサーカスを去る。コントロールの右腕で彼とともに引退した老スパイ、スマイリー。ある日、英国政府のレイコン次官から“もぐら”を突き止めろという極秘の指令が下る。ターゲットとなるのは、コードネーム“ティンカー”、“テイラー”、“ソルジャー”、“プアマン”という4人の組織幹部。さっそく信頼を置くかつての部下ピーターらと組み、調査を開始するスマイリーだったが…。