ヒトラー ~最期の12日間~(2004)




「日本のいちばん長い日」(1967)と
セットで見てみたい
ドイツと日本の、それぞれの敗戦を迎える日


陸軍にも空軍にも攻撃力はもはや皆無
すでにドイツ国内外はロシア軍に囲まれています
なのにまだ勝てると思い込んでいる机上の戦略

なにがあろうと戦争をやめる気などないのです
民間人がどれだけ死のうが知ったことではない
無条件降伏などもってのほか

地上では軍人が、市民が飢え死んでいくのに
地下では将校たちは酒を飲み、酔いで現実を忘れようとする
そしてついにドイツに勝利がないと悟った時には
この指導者たちは次々と逃亡するか、自殺していく

自分たちだけは、苦しまずに逃げるのか
自分たちだけは、正しいと信じたまま

ヒトラーの死にまつわる疑惑は、いろいろと語り継がれているようですが
この作品では(史実と思いますが)エヴァとともに薬物と銃により自殺しました
(ただし遺体は見せず布で覆ったまま焼却)

作品もユンゲ目線で描かれており
ヒトラーと共に仕事をし、家族同様に食事をし
ヒトラーゲッペルスの遺書まで代筆したというのならば
内容はリアルなものではないかと信じます

ナチスドイツが終焉へと向かう中の狂気と錯乱
ヒムラーの裏切りへの激昂
一方では愛犬を大切にし、子どもや女性に優しいヒトラー





ここまでイメージ通りって、役者って職業はすごい


これはヒトラー人間性を描きながらも
二度と大戦は、過去の過ちは繰り返すべきではないという
平和な未来のためへのメッセージでしょう

事実、私も鑑賞しながら
反戦への思いが沸き起こったくらいですから




【解説】allcinemaより
 ヒトラーが地下の要塞で過ごした最期の12日間に焦点を当て、彼の個人秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲの目を通して歴史的独裁者の知られざる側面を浮き彫りにしていく衝撃の実録ドラマ。監督は「es[エス]」のオリヴァー・ヒルシュビーゲル。主演は「ベルリン・天使の詩」「永遠と一日」のブルーノ・ガンツ。歴史家ヨアヒム・フェストの同名ノンフィクションとヒトラーの個人秘書ユンゲの回顧録を原作に、戦後最大のタブーに真正面から挑んだ問題作。
 1942年、トラウドゥル・ユンゲは数人の候補の中からヒトラー総統の個人秘書に抜擢された。1945年4月20日、ベルリン。第二次大戦は佳境を迎え、ドイツ軍は連合軍に追い詰められつつあった。ヒトラーは身内や側近と共に首相官邸の地下要塞へ潜り、ユンゲもあとに続く。そこで彼女は、冷静さを失い狂人化していくヒトラーを目の当たりにするのだった。ベルリン市内も混乱を極め、民兵は武器も持たずに立ち向かい、戦争に参加しない市民は親衛隊に射殺されていく。そして側近たちも次々と逃亡する中、ヒトラーは敗北を認めず最終決戦を決意するが…。