日本のいちばん長い日(1967)





「あと、2000万!後2000万特攻に出せば必ず勝てます!あと、2000万!
 日本男子半分を特攻に出す覚悟で戦えば!
 必ず!必ず!」


すごい映画でした。
息をつく暇もないくらい
2時間40分という長尺な作品でしたが
ラストまで飽きることなく見れました。

1945年7月26日、ポツダム宣言の発令
2度の原爆投下
8月13日、ポツダム宣言の受諾決定
14日連合国側に受諾通知
15日正午、玉音放送の実施

「宮城事件」というものを私は全く知りませんでした。
もちろん映画なのでフィクション部分もあるのでしょうが
このような真実があったことに驚きです。

当時の大日本帝国の法での閣議決定
陸相海相が賛成しない限り決定しなかったそうです。
最後までポツダム宣言受諾に反対した陸軍大将。

それはちゃんとしたデーターに基づいて結論を出したわけでなく
精神論だけで反対を続けたように思えます。

本土決戦にもちめめば必ず勝てる。
陸軍将校たちもまだまだ日本の勝利を信じています。
アメリカ、中国、ロシア、イギリスという巨大な兵力が相手なのに・・

無条件降伏を受け入れるわけにいかない
戦争を終わらせるわけにはいかない
玉音放送を止めるために陸軍は決起します。
首相官邸を襲い、宮城(今の皇居)を占拠。
放送局のアナウンサーの頭に
ニセの放送を流せとピストルを向ける。

降伏を知らされず飛び立つ特攻隊の少年たち・・
日本の敗戦をしらない国民。

なにもかも正当化し破壊する軍人たちの過激さが怖い。
これが当時の日本の象徴なのでしょうか。

現在はこのような迫力ある軍人はたぶん描けないでしょうね。
戦争を、当時の軍人を知らない人間が制作するのですから。
狂ってる、そう言いようしかない。

こんな日本があったのですね。
こんな時代には戻りたくない。



【解説】allcinemaより
大宅壮一(実際には半藤一利)の同名ノンフィクションを「上意討ち 拝領妻始末」の橋本忍がシナリオ化し「殺人狂時代」の岡本喜八が監督した。撮影は「喜劇 駅前競馬」の村井博、音楽は「続組織暴力」の佐藤勝が担当。157分と長尺にもかかわらず、最初から最後まで緊張感を持続させ、数多くの登場人物をさばいた岡本喜八の手腕が光る。スタッフ・キャストともに素晴らしい仕事ぶりで、日本映画の底力を見せつけた。
 広島と長崎への原爆投下やソ連の参戦など、日本の敗戦が決定的となった昭和二十年八月、特別御前会議でポツダム宣言の受諾が正式に決定した。だが終戦に反対する陸軍将校たちはクーデターを計画、一方、終戦処理を進める政府は天皇陛下による玉音放送閣議決定する。終戦反対派は各部隊ごとにバラバラに行動を開始、やがて終戦を受け入れようとする師団長を射殺したり、玉音放送を中止すべく録音物を奪取しようとするなど、その行動が徐々にエスカレートしていく。