天はすべてを許し給う(1955)


 
 
 
秋の景色の時計台にタイトルが現れるオープニングがいいですね。
そして全編がとても美しいカラー映像です。
 
この作品も、ダグラス・サーク監督の代表作のひとつだそうです。
タイトルからは、宗教的なストリーかと思いましたがコテコテの
メロドラマでした。
テーマは大人の恋愛と世間体といったところでしょうか。
 
上流家庭の未亡人キャリー(ジェーン・ワイマン)と
庭師の青年ロン(ロック・ハドソン)との
身分も、教育も、年齢も違う恋の物語。
深く愛し合うようになった二人ですが、世間の冷たい視線や
事実無根の噂話の攻撃を受けます。
そしてキャリーの子どもたちからの、交際に対する反発。
 
そんな彼女がためらいながらロンとキスするシーンにはグッときます。
ふたりとも、本当に真面目で純真なのです。
 
「私って弱虫ね、世間のうわさを恐れ自分で決めなかった。
周りの意見に振り回された。
友人、隣人、子どたち…でもいけなかったのは私自身」

 
頭痛に悩むキャリーに語るドクターのセリフも印象的でした。
「なぜ頭痛が? 」
「お仕置きだ、人生から逃げた君に体が抗議している」
「薬をいただける?」
「人生の処方箋を」
 
人生の処方箋をもらえたら、どこを治しましょうね。
そんな処方箋なんかいらないと言えればいいですけど。笑
 
ラブ・ロマンス好きな方にはオススメな作品でしょう。
大人の女性向けだと思います。
 

 
【あらすじ】allcinemaより
夫に先立たれ喪に服す2人の子持ちの主人公。やっと気を取り直して新たな生活に望む彼女の前に、年下で明るい庭師のロンが現れ、いつしか二人は恋に落ちるが……。年の差や未亡人であるためのゴシップ、また常識的な彼女とあくまでマイペースの彼という双方間のジレンマなど、さまざまな問題を置き、二人の関係を禁じられた恋風に捉え、色合い豊かに純粋なラブロマンスに仕上げている。名匠D・サーク監督得意の分野とあってその手腕が冴えた1本であろう。