アラン・ドロンのゾロ(1975)

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アラン・ドロン主演50本記念作品
原題も「EL ZORRO」(ゾロ=狐)

「黒いチューリップ」(1963)の頃より
オジサマ(40歳)にはなってはいますが(笑)
日本でいえば「桃太郎侍」「遠山の金さん」「暴れん坊将軍」を
ドロンさまが演じるわけですから、そりゃあかっこいい
単純明快で、チャンバラとコメディと美女のバランスが程良い西洋時代劇

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剣の達人ドン・ディエゴ(ドロンさま)は故郷スペインに帰る途中
南米カルタヘナに赴任している親友ミゲルに会いに行きます
ミゲルは、スペイン領ニュー・アラゴンの新総督に任じられていましたが
何者かに暗殺されてしまいます
ディエゴはミゲルの志を継ぎ、総督としてニュー・アラゴンに赴任しますが
そこでは護衛兵隊長ウエルタ大佐(スタンリー・ベイカー)が
軍隊を率いて横暴の限りをつくしていました

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ディエゴはウエルタ大佐を油断させるため
普段はなよなよした、おかまちゃんみたいな振りをして
口がきけない忠実な従僕ベルナルドとの関係はちょっと同性愛的(笑)

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ある日ベルナルドと城を抜け出したディエゴは
貧困街で少年チコから、黒いキツネの精霊で不死身の戦士
「Z」マークのゾロの存在を教えられます

そして悪徳判事によるインチキ裁判により
農民たちは虐げられ
平和と正義を説くフランシスコ神父や
(ミゲルのいとこで美女)オルテンシアの一族が
疎外されている事実を知ります

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ヒロイン役ののオッタヴィア・ピッコロと
「マスク・オブ・ゾロ」(1998)のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ
顔が似ていますね、この作品を意識した配役だったのでしょうか

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ディエゴは黒馬、黒装束、黒覆面の騎士となり
突然現れて悪行を懲らしめますが亡きミゲルとの約束を守り
誰ひとり敵を殺すことはありません
ただ「Z」のマークだけ残して去っていく

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黒騎士ゾロはたちまち人々の英雄にまつり上げられ
ウエルタ大佐はニュー・アラゴン全土に戒厳体制をしきます

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ドロンさまが、まるでジャッキー・チェン(笑)
数々なギミック(仕掛け)を使ったアクションが楽しいし
黒いバカ犬(実は賢い)の使い方も面白い

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ジャッキーさまと違うところは
ドロンさまが演じると少女漫画に登場するような王子様になる
輝く白い歯の笑顔を見せるたび、背景に薔薇の花びらが舞います(まぼろし~)
ジャッキーさまは少年ジャンプ(笑)

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ウエルタ大佐は、権力を利用してオルテンシアと結婚式を挙げようとします
その教会にもゾロは現れ、ついに宿命の対決が始まるのです(15分は長い 笑)
最後の瞬間ゾロは黒覆面をはずし、ウエルタ大佐は倒れ
ゾロは愛馬を駆り彼方に消えていきました

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ドロン様が当時9歳だった息子(アントニー・ドロン)のために
主演したというのは有名なエピソード
70年代の子どもたちのアクションヒーローものとして
それなりにまとまっていたと思います

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ただ4歳で両親が離婚して、後継人に育てられたアントニー
そのことを知って喜んだかどうかはわかりません

 


【解説】allcinemaより 
何度も映画化されている英雄譚に、珍しやA・ドロンが挑んだ大活劇ロマン。ヒーロー然とした役所が案外少なかったドロンもサマになっており、S・ベイカーの悪役、O・ピッコロのヒロインも申し分無し。クライマックス、延々と続くチャンバラ決闘シーンを始め、D・テッサリのアクション演出も快調で、肩の凝らない娯楽作に仕上がっている。グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリスの軽快なテーマ曲もカッコいいぞ!