天国からのエール(2011)

 
 
 
良い話でした、実話なんですね。
 
「自分でおかしいと思ったことに行動して、なにがおかしい?」
 
高校生がバント活動をする場所がないことを知り
自分の家の敷地に無償のスタジオを作った
弁当屋さんを営んでいる男性「ニイニイ」。
 
挨拶をする、学校の勉強をする、ルールを守る、・・
そんな、あたり前のことをあたり前にすることを
鬱々としている現代の若者達に伝えることは意外と難しいものです。
 
私自身お節介なタイプではありませんし
どちらかといえばお節介な人ってあまり得意ではありません。
 
しかし「ニイニイ」のお節介の良いところは
最後まで徹底した自己責任でお節介をしたことです。
借金をしても、ご飯を食べさせても、夢を目指す若者のため頭を他人に下げても
決して見返りを求めることはありません。
事故で亡くなった友人の夢、若者達の夢をかなえることが自分の夢なのです。
・・・その強い信念。
 
作品としては、音楽をうまい具合にふんだんに使ったり
沖縄の美しい風景が背景にあったら、もっと良かったなと思います。
 
だけれどやはりウルルンきますね。
ラストにヒロインが泣きながら歌うシーンは感動で涙が出ました。
 
喧嘩したり、協力しあったり、音楽を通じて育む友情。
手づかみで食べる美味しそうな唐揚げやおにぎり。
バイトや勉強・・
二度と戻れない青春の1ページを開くようです。
 
秀作とはいえないけれど、ほんのり心の温まる作品でしょう。
 

 
【解説】allcinemaより
 沖縄の本部町で小さな弁当屋を営む傍ら、音楽スタジオ“あじさい音楽村”をつくり、2005年に病で倒れるまで、バンド活動をする高校生に無料で提供して応援し続けた仲宗根陽氏の感動の実話を映画化したヒューマン・ドラマ。主演は「チーム・バチスタの栄光」の阿部寛、共演にミムラ桜庭ななみ。監督は、これが劇場用映画デビューの熊澤誓人。
 沖縄で小さな弁当屋を営む大城陽は、弁当を買いに来る高校生たちが、バンドの練習をする場所がなくて困っていると知り、弁当屋のガレージをスタジオにすることを決意する。そして借金までしてスタジオを手作りし、無料で高校生に開放した陽。集まった高校生たちには、挨拶など人としての大切なことを真剣に指導していく。高校生たちも陽のことを“ニイニイ”と呼んで慕い、練習に励んでいた。ところが、そんな陽の体を突然の病魔が襲う。