大魔神怒る(1966)


大魔神って時代劇なのですね

ほどほどにストーリーもまとまっていて、意外にも面白かったです

他の怪獣映画のように、違う怪獣と戦わせるのではなく

徹底した勧善懲悪の伝奇ロマンに仕上げているのも清々しい

 

 

戦国時代、八雲の湖のほとりに岸に名越という一族と

本家筋の千草の一族が平和で豊かに暮らしていました

 

それが面白くない隣国の領主、御子柴弾正は千草領に闇討ちに入ります

千草の城主である十郎は命さながら逃れますが

今度は十郎を差し出せと名越の領主兵衛を殺し

息子である勝茂を人質にします
 

名越の娘で十郎の許嫁、早百合は一族の守護神

武神像が祀られている神ノ島に行き

武神像にどうか助けて欲しいと祈ります

 

そこにも弾正はやって来て

なんと爆弾で武神像をバラバラに破壊したうえ

人々が大切にしている鐘まで湖に沈めてしまいます

 

十郎も早百合も捕まり、早百合が火あぶりの刑に処されようとしたその時

強い風が吹き、大魔神はやってくるのです

 

それにしても魔神、登場するの遅い

しかも大魔神、歩くのも遅い、遅い(笑)

湖が割れてしまうのには「十戒かよ!」(笑)

 

しかもただ歩いて塀やら建物やら壊していくだけ

なにもしねえじゃねえか(笑)

 

やっと巨大ながれきを一個、敵に向かって投げたよ

そしてひとり舟に乗って逃げようとする弾正にビビビと火をつけて

弾正炎上、ざまあみろ

 

しかも曲は伊福部さんだよゴジラだよ

大映東宝映画の曲使っちゃだめでしょう(笑)

 

今でこそ笑えますし、悪者が成敗されるのはやはり気分がいい

でも子ども時代に見ていたら、大魔神のあの顔は怖かったでしょうね

顔の怖さだけでここまでもってくる、黒田義之の技が光っています(笑)

時間も80分弱で見やすい

 

極上のコーヒーでも飲みながら

昭和レトロな特撮を楽しみたい、そんな日に似合う1作です

 


【解説】allcinemaより

大魔神”シリーズ第2弾。戦国時代、名越一族と千草一族は、八雲の湖をはさんで暮らしていた。そして湖の中央にある神の島に祭られる武神像により、平和を守られていた。そんな中、千草家の跡取り息子十郎と名越家の娘早百合は結婚することとなっており、両家の長期にわたる幸福な関係は約束されているかにみえた。ところが彼らは思わぬ侵略にさらされることになる。隣国の領主御子柴弾正は、まず千草一族、続いて名越一族を倒し、その領地を手に入れる。さらに両家を守り続けてきた武神像を破壊し、湖に捨ててしまう。そして邪魔になった十郎と早百合を処刑しようとする。絶体絶命と思ったその時、湖がまっぷたつに割れ、巨大な魔神が現れる……。神ノ島関係のシーンは、京都撮影所内に大規模なセットを組んで撮影。湖面を二つに割って登場する大魔神が圧巻。