ナイトクローラー(2014)





週刊文春」の記者もこんな感じなのでしょうか(褒めています)

この作品でもパパラッチであるジェイク・ギレンホール

病みっぷりがハンパない(褒めています)

倫理観の欠片も持たない、最低なクズだからできる仕事(褒めています)


もちろん「週刊文春」同様、人の不幸を売り物にするのは

不気味で怖い職業ですが、そんな人間を描いた

ブラック傑作でしょう(褒めています)






ルイス・ブルーム 通称ルー(ジェイク・ギレンホール)はいわゆるニート

人を傷つけることも平気で、何かを盗んで売っては小銭を稼いでいました

ある日事故現場でパパラッチに遭遇したルーは、彼らの仕事に触発され

自らもビデオカメラを購入し、車強盗の現場を撮影して

ローカル局に売り込みに行くのです


自分が犯罪者だからこそ、犯罪のニオイがわかる

事件を追って現場にかけつけ事実を切り取るカメラマン

そんな彼の資質は、視聴率至上主義で朝のニュース番組のプロデューサー

ニーナレネ・ルッソ)の考えと合致し、ルーは成功を収めていきます






今や素人のSNSの投稿でさえ、話題になる時代

そんなふうに人々の注目を浴びるということは

人間の快感になるのではないかと思います


鬼畜化し、モラルを踏み外し、より過激な映像を求める

だけれどそんな人間でも、自己学習、自己啓発に励み

投資どころも押さえている

ルーのように論理的な言葉で相手を操り

手段を選ばぬ仕事ぶりで成功した者は

パパラッチでなくても私たちの周囲には多くいるでしょう



そして、私たちのような視聴者もまた

真実が知りたいと、過激な報道を求めるのも事実です

たとえば国会で証人喚問が行われた佐川元国税庁長官

彼にも家族がいて、もしかしたら被害者なのかも知れないのに

です


人間とは、刺激を求める生き物だから






この作品を見たなら、主人公の姿には多くの人が
嫌悪感を覚えるに違いないでしょう


でもそれは、誰もが持っているブラックな部分をも

気づかせてしまうからだと思います

自分も汚い人間だったと痛感させられるのです



とにかくギレンホールが気持ち悪い(褒めています)

それに負けないくらいゲス仲間の

レネ・ルッソの熟女っぷりもイタイ(褒めています)

賞レースにこそ参加しませんでしたが

もっと称えられても間違いない演技でしょう




【解説】allcinemaより

ブロークバック・マウンテン」「エンド・オブ・ウォッチ」のジェイク・ギレンホールが、刺激的なスクープ映像を求めるあまりモラルのタガが外れていくフリーランスのニュース・カメラマン役で鬼気迫る怪演を披露し、高い評価を受けたピカレスク・サスペンス・ドラマ。共演はビル・パクストンレネ・ルッソリズ・アーメッド。監督は「トゥー・フォー・ザ・マネー」「ボーン・レガシー」などの脚本を手がけ、本作が監督デビューのダン・ギルロイ
 ロサンゼルスに暮らす孤独な中年男ルイス・ブルーム。野心はあるものの定職にも就かず、コソ泥をしてはその日暮らしのしがない日々。そんなある日、偶然遭遇した事故現場で、ビデオカメラ片手に夢中で撮影する男たちを目撃する。彼らはニュース映像専門のパパラッチ、通称“ナイトクローラー”。事件、事故の現場にいち早く駆けつけ、誰よりもショッキングな映像をカメラに収め、それをテレビ局に高く売りつけるのを生業とする連中だ。そんなことが商売になると知り、さっそくビデオカメラと無線傍受器を手に入れると、見よう見まねでナイトクローラーとしての活動を開始するルイスだったが…。