「ねばりはったな」
とにかくキモノ、着物を見る映画。
裏地まで凝っていて豪華ですね。
着物好きや、お茶やお華のおけいこ事をなさっている方には
ため息が出るほどたまらない作品でしょう。
歳の離れた旧家の美人4姉妹。
本家の長女は銀行家と、次女は優柔不断な優男と結婚して子どももいます。
3女と末っ子の妹の結婚を心配する日々。
姉御肌で情が深く、怒りも思わず笑いに変えてしまうような
客観的に関西女性ってこうなんだろうなという雰囲気。
反抗期的だけれど、自分に正直な初々しい末っ子に古手川祐子さん。
そして、おとなしく控えめだけれど、芯が強く、決して自分を曲げない三女に
日本映画界の永遠のマドンナ、吉永小百合さん。
いつだったかテレビで、最も美しい歴代女優のランキングというのがあって
1位に輝いていたのが吉永小百合さんでした。
どの女優さんも本当に綺麗だけれど
吉永さんの場合はその横顔の可愛らしさにかなう女優はいないとのこと。
なるほど・・・
横顔や後ろ姿、男性でも「男の背中」がその人の表情を表すように
自分では見えない無防備な場所が完璧であること
それが人の目を引き寄せ魅了するのだなと
そんなストリーとは関係ないことを思いながら映画を見入ってしまいました。
残念なのは石坂浩二さんがエロな女好きにしか見えないこと。笑
秘かに義妹に心を寄せる繊細さが見え隠れしているような
そんな禁断的な心情が伝われば良かったのかなと思います。
切なさの、我慢や辛抱の美学って邦画ならではの魅力ですし。
美しい女優と、美しい着物と、美しい古い日本家屋
なんとなく市川崑監督の好きなものがいっぱい詰まった作品
そういう印象を強く受けた作品でありました。
【解説】allcinemaより