潮騒(1964)

 
 
「その火を飛び越えてこい」
 
冒頭はドキュメンタリー映画のような始まりで良いですね。
空撮にナレーション。
ギターのBGMも雰囲気があって良かったと思います。
若い男女の純愛、純潔を描いた物語。
 
村一番の船主の末娘初江(吉永小百合)に一目惚れしてしまった新治(浜田光夫)。
初江は大卒で村の青年の代表的な存在の安夫(平田大三郎)の嫁になると
皆から噂されています。
村の実力者の家同士の結婚・・
だけど初江と新治は徐々に惹かれあっていきます。
当然初江の父親は二人の交際に反対します。
 
ちょっと昔の日本の、まして小さな島の小さな村では
男女が交際したらすぐに噂になってしまうでしょう。
そして女性が「嫁入り前」に「そんなこと」をしてしまったなら
軽蔑の的となり白い目で見られてしまう。
 
三島由紀夫氏の原作は未読なのですが
若い男女がお互い好きになっても
求めあっても肉体関係まで至れない
そういう苦しさやもがきを描きたかったのではないかと思います。
 
というか、そういう愛する心と求める肉体の葛藤が表現されていたなら
吉永さんのネームバリューだけの作品ではなく
もっと名作になっていたかも知れません。
 
その火を飛び越えて裸で抱き合うふたり
だけど決して性的な関係は結ばない、結べないのです。
お嫁に行けなくなる・・・
 
登場人物の心理描写が中途半端で
もったいない気がしますね。
恋するトキメキも苦しみも感じられない。
吉永さんもただのアイドルで終わっています。
 
そうか・・・
じゃあ私が監督をやればいいのか?笑
 
自由になるお金がたんまりあったら
制作してみたいですよね?映画。笑
 
原作は?主演女優は?男優は?
 
 ・・・
 
 話しがだんだん違う方向になってきたので
そろそろやめておきます。笑
 

 
【ストリー】MovieWalkerより
歌島は伊勢海に面する周囲一里にもみたない小島である。そこでは、男達は漁に出、女達は海女となって貝をとった。漁師の息子新治は、今日も太平丸に乗って浜に帰ってきた。そこで新治は舟を引きあげようとする船主照吉の娘初江に会い、手をかして舟を引きあげてやった。新治は浜にあがると、山の手にある灯台長のところに魚を届けにいった。しかしそこで新治は、もらったばかりの給料を浜で落したことに気づき、あわてて引きかえした。浜には、そんな新治を、笑いながらも、給料袋をひろって家に届けてくれた初江がまっていた。家に帰っても新治は、初江の美しい瞳が忘れられなくなっていた。そんな新治の様子を察した母トミは、初江が高嶺の花であることを言いきかせた。だが新治は、初江のことを想いぼんやりする日が多くなった。そんなおり、弟の十吉から、初江の婿になるのは、東京の大学を出て島に帰って来た安夫だという噂を聞いた。ある日新治は林の中の“観的哨跡”でマムシにかまれた初江を助けてやり、漁の休みの日に再会を約した。やがて漁が休みの嵐の日に、二人は観的哨で会った。ずぶぬれになった二人は互いに着物を脱いで焚火をかこみ自然に唇が触れ合った。数日後初江は水くみにいった林の中で、安夫に襲れた。新治に好意を寄せる灯台長の娘千代子が、新治と初江の仲のいいのをみて、あることないこと安夫につげ口したのだった。噂は島中にひろがり、二人は会うことを禁じられた。しかし一人前の漁師になるために、歌島丸に乗りこんだ新治は、嵐の中を、海にとびこみ、ロープで船をつなぎとめて、船を救った。照吉も、もはや二人の仲をさこうとはしなかった。