赤と黒(1954)


 
 
スタンダール赤と黒といったら、フランス文学の代表的作品ですね。
読んではいませんが。笑
 
大工の息子であるジュリアンは、出世するために
貴族、聖職者の権力者に取り入ります。
家庭教師先のレナール夫人との不倫。
その後はスキャンダル発覚を恐れ、出世への近道である神学校へ。
神学校のピラール司教とパリへ招かれた折に
ラモール公爵邸で秘書となったジュリアンは
今度は侯爵令嬢マチルドとの逆玉婚を狙います。
 
優秀でよく気が利き、仕事が出来て野心に燃えるジュリアンですが、
頭の中はかなりの女好きで優柔不断。
聖職者などに全く向いてはいないでしょう。
 
しかし、ジュリアン演じるジェラール・フィリップが本物の美男子なので
説得力がありました。
あれだけハンサムな男性なら
いくら頭が良く仕事が出来ても女性問題で堕落して
おかしくないと思うからです。
 
アラン・ドロンが登場する前は
フランスいちの美男子と謳われていたそうですが
世界一の美男子といってもいいくらいだし
あの甘いマスクは現在でも通用します。
 
一方のレナール夫人は純真で真面目で、激しい恋などしたことがなかった。
美貌のジュリアンに夢中になってしまいますが
夫によって引き裂かれてしまいます。
 
ラスト、全てを失ったジュリアンと
全てを捨てたレナール夫人は愛を確かめ合います。
そして死によって二人は永遠に結ばれる・・
 
原作は政治を風刺した作品として書かれたものらしいですが、
映画を観た感想では、究極の恋愛作品だと思いました。
 
子どもを捨ててまで男のもとへ走る・・
私なら、それだけは決して出来ないと思うからです。
子どもを捨てるくらいなら、まだ命のほうをささげるほうがマシだと
そう思います。
 
【あらすじ】goo映画より
ジュリアン・ソレル(ジェラール・フィリップ)は、シェラン僧院長の推薦でヴェリエエルの町長ド・レナアル侯爵家の家庭教師となった。ド・レナアル夫人(ダニエル・ダリュー)はいつしかジュリアンに愛情を抱くようになったが、ジュリアンとの逢瀬が重なるにつれ次第に後悔し、子供が病気になったとき、夫人は自分の非行を天が罰したのではないかと考えるようになった。世間の口も次第にうるさくなって来たころ、ジュリアンは心を決めてかねての計画通り神学校に向けて出発した。ナポレオン戦争直後のフランスでは、僧侶になることが第一の出世道だったのである。しかし、神学校でも、ジュリアンは、平民に生れた者の持つ反逆の感情に悩まねばならなかった。ピラアル僧院長はジュリアンの才気を愛していたが、同時に彼の並ばずれて強い野心を心配していた。僧院長がド・ラ・モオル侯爵に招かれてパリに行くときジュリアンも同行してド・ラ・モオル侯爵の秘書となったが、ここでも上流社会からの侮蔑の目が彼に注がれた。ジュリアンはその復讐に、侯爵令嬢マティルド(アントネラ・ルアルディ)と通じ、侯爵令嬢をわがものとした優越感に酔った。