みなさん、あけましておめでとうございます(遅いよ)
さて年末になると毎年のように放映される「忠臣蔵」
「忠臣蔵」と「白虎隊」の違いもよく知らない私ですが(酷すぎる)
今更ながら初めて鑑賞しました
しかも大映オールスター総出演による
「忠臣蔵」映画の中でも最高傑作と言われている名作
江戸へ下向する東山天皇の勅使の接待役を幕府より命じられます
しかし高潔な長矩は、高家肝煎(こうけきもいり=儀式や典礼を司る役職)で
接待指南役の吉良義央(きらよしひさ)に
忖度しなかった(賄賂を贈らなかった)ため、いじめや嘘の作法を教えられ
3月14日、江戸城で将軍が勅旨(ちょくし=天皇の命令書)に対して
奉答(ほうとう=謹んでするお答えする)するという
幕府の1年間の行事の中でも最も格式高い
「勅答(ちょくとう=天皇が臣下に答えること)の儀」が執り行われる直前
度重なる侮辱にたえかね、ついに長矩はキレてしまい
吉良に刃で襲いかかってしまいます
すぐに長矩は取り押さえられ、吉良はかすり傷ですみましたが
将軍、徳川綱吉は儀式を台無しにされたことに激怒し
長矩を大名としては異例の即日切腹に処し、赤穂浅野家はお家断絶
一方の吉良には何の咎めもありませんでした
主君の仇を討つため
赤穂藩国家老・大石内蔵助(おおいしくらのすけ)(長谷川一夫)をはじめとする
赤穂浪士47名いわゆる「赤穂四十七士」(あこうしじゅうしちし)は
商人や遊び人になりすまし、人目を忍んで吉良を討ち取る日を待つのでした
ついに機が熟した元禄15年12月14日未明
本所・吉良邸への討ち入りに成功
「赤穂四十七士」は命をかけて主君の名誉を取り戻したのです
大工の娘お鈴(若尾文子)の純愛や(大工の父ちゃんがまたいい人なんだ)
老いた母を連れて江戸を目指す少年、矢頭右衛門七(梅若正二)や
酒飲みの(フリをしている)赤垣源蔵(勝新太郎)
大石に秘かに惚れる女間者のおるい(京マチ子)や浮橋太夫(木暮実千代)
女遊びの果ての絶縁の意味を(仏壇の位牌から)理解する妻のりく(淡島千景)
一方で本当に愛しているのは家族だと察する太夫が可哀そう
大石が最後の挨拶に瑤泉院(ようぜんりん=長矩の妻)(山本富士子)を訪れ
「とうとうその日が…」と復讐を待ちわびた瑤泉院に
「東の方に仕官の口がありお別れに来ました」と嘘をつくシーンは胸を打つ
この物語が昔も今も人気があるのは
政界の権力の構図や、不正なお金(税金)の流れがなくなってほしい
悪徳で老害な政治家はさっさと死んでほしいという願いがあるからでしょう
それは理解できても、国家にとって大切な儀の直前に
一時の感情を抑えきれなかった長矩の乱心には同情できない
どうせやるなら確実に殺せばいいのに、なんじゃありゃ
長矩の切腹は「赤穂四十七士」の主君への忠誠心と、復讐心を駆り立て
吉良を成敗した瞬間は達成感に酔いしれたのかも知れないけど
私から見た長矩は、お家や優秀な部下たちに対していうならば
吉良より無責任な人間にしか思えませんでした
これが日本で一番有名で
日本人に一番愛されているプロパガンダ
とはいえ、映画としての娯楽性はばっちり
ヒーロー感たっぷり、女性は美人揃い
民衆から喝采を持って迎えられるラストも後味がいい
見てみたいと思います(あっちは千恵蔵さまだし 笑)
【解説】allcinema より
おなじみ「忠臣蔵」を、大映が総力を挙げて映画化した大型時代劇。渡辺邦男が八尋不二、民門敏雄、村松正温とともに書いた脚本をもとにメガホンをとった。長谷川一夫をはじめ勝新太郎、鶴田浩二、市川雷蔵など、キャストも豪華の一言。「忠臣蔵」映画の中でも最高傑作の呼び声が高く、公開当時も大ヒットを記録した。
江戸城の松の廊下において、浅野内匠頭は吉良上野介への刃傷に及び、即日切腹を申しつけられる。赤穂で知らせを受けた大石内蔵助は、お家断絶となった家中に仇討を呼びかけた。赤穂を追われた内蔵助は妻子と離別、浪士たちをまとめ始める。十二月の雪の夜、四十七士が吉良屋敷への討ち入りを果たした