新しい人生のはじめかた(2008)

 
 
 
 「諦めて生きる方が楽だから・・」
 
D・ホフマンとエマ・トンプソン
国籍も違うし身長も年齢も不釣合い、全く似合わないふたりなのに
感情が手に取るように感じられる細かな表情に仕草・・
さすがの名優の演技でだんだんとお似合いのカップルに見えてきます。
 
若手に仕事を奪われ失業寸前のCM音楽の作曲家ハーヴェイ(ホフマン)と
神経質な母親と二人暮らしで、ロンドンの空港で働くケイト(トンプソン)
独身を貫いてきた堅物な女性と
離婚して元家族から疎外されている孤独な男性。
人付き合いが得意でなく不器用、気が利いた会話もできません。
大勢の中に入ると孤立してしまい居心地が悪くなってしまう・・
そんなふたりが出会います。
 
「本は面白い?」
「静かに読めたらね」
 
「ドレス持ってないから」
「それはドレスを買えって事?200ポンドまでだよ」
 
いろいろな経験を積んで分別がある大人同士の
甘くない会話がいいですね。
そしてロンドンの秋の風景がとても美しい。
誰でも恋をしたくなるくらいに。笑
 
「ニューヨークには戻らない、これが幸せのラストチャンス」
 
孤独で臆病な男女が寄り添い、侘しい心を温もりで溶かすような恋物語
若者の恋愛のように未来が輝いているような眩しさはないけれど
静かでささやかな幸せは感じることができるでしょう。
 
70歳を超えたホフマンに、いくつになっても素敵な恋はできるのだと
そう思わされてしまう作品でした。
 
 
 
 
【解説】allcinema より
アメリカとイギリスを代表する名優、ダスティン・ホフマンエマ・トンプソンの共演で贈る大人の恋愛ストーリー。人生の折り返し地点を過ぎ、それぞれに悩みを抱えた2人の男女がロンドンの街で偶然に出会い、一緒に過ごすひとときの中で前向きな気持ちを取り戻していく姿をハートウォーミングに綴る。監督は、これがデビュー2作目となるイギリスの新鋭、ジョエル・ホプキンス
 離婚してニューヨークで気ままな一人暮らしをしているCM作曲家のハーヴェイは、イギリスに暮らす一人娘の結婚式のためロンドンへと向かう。しかし、仕事のことが気がかりで携帯を手放せず、親族の集まりの中でも疎外感を味わうことに。おまけに娘からはバージンロードは義父と歩くと告げられ、気持ちはどん底に。一方、気むずかしい母親を抱え、もはや人生に期待しないことでどうにか自分を保って生きている孤独な女性、ケイト。ある時、空港のバーでひとり静かに本を読んでいたケイトは、やけ酒をあおっていたハーヴェイから声をかけられるのだが
…。