原題は「Shogun」
原作は1980年にもアメリカで実写ドラマ化された
ジェームズ・クラベルのベストセラー小説
主演とプロデューサーを兼任した真田広之は
「日本人が見てもおかしくない日本を描く」という原則のもと
もとの英語の脚本を日本語に直訳し
日本人の脚本家が時代劇の言い回しに書き換えることによって
(さらに英訳した字幕をつける)
従来の英語が話せる東洋人ではなく
最適な日本人俳優を選ぶことができたそうです
美術、衣装、メーク、所作などあらゆる分野のスペシャリストを
ハリウッドのクリエイターたちには
日本の古い風習を正しく理解してもらうための
約900ページにも及ぶマニュアルを作成
そうして日本の時代劇ドラマでも出来なかった
莫大な予算と壮大なスケールの時代劇を完成させたのです
そして、なぜこのドラマがアメリカで大ヒットして
エミー賞で作品賞、主演男優賞(真田広之)、主演女優賞(アンナ・サワイ)など
18部門受賞という快挙を成し遂げたたのか
これは「ロード・オブ・ザ・将軍」なんですね(笑)
虎永(家康)の前に立ちふさがる、数々の陰謀や裏切り
さらに災害や災難によって、信頼できる部下や多くの兵を失ってしまう
その窮地にどうやって立ち向かっていくのか
勝ち目のない戦いの中、どうやって将軍になろうというのか
そこに、プロテスタントの国としてのイギリスと
日本にたどり着いたイギリス人の航海士と
日本人女性の通訳士の、結ばれることのない恋心が描かれるのです
しかもコスプレ史劇という欧米人の好きなやつ(笑)
良かったのはやはりヒロイン鞠子を演じたアンナ・サワイ
曲者だけどどこな憎めない浅野忠信
顔つきだけで悪役だとわかる平岳大
そして西岡徳馬の貫禄ある老大名
日本人特有の「目で語る」演技で
すいません、按針役のコスモ・ジャーヴィスの大げさな演技が
大根役者にしか見えませんでした(笑)
かつて日本を統治した箕原氏(源氏)の末裔で関東の領主
亡くなった太閤(豊臣秀吉)の若い後継者(八重千代=秀頼)に代わって
日本を統治する五執権の一人
軍事と政治に関して優れた頭脳の持ち主
虎長の愛息、時々衝動的に軽率な行動を取ってしまう
虎長の最も信頼できる大名で腹心
ジョン・ブラックソーン/按針[ウィリアム・アダムス]コスモ・ジャーヴィス
日本との貿易を確立しようとしていたオランダの探検船に勤務していた
イギリス人(プロテスタント)の航海士
日本でのカトリック教布教の暗部を暴露するが
プロテスタントも布教のための殺戮を行っていたことがわかる
虎永卿捕虜になり西洋式の戦い方を指揮するよう命じられる
戸田鞠子[細川ガラシャ] アンナ・サワイ
虎長に按針の通訳を命じられたカトリック教の女性
虎長に強い忠誠心を持つ
鞠子の夫、広松の息子
虎長に仕える有能な武士だが嫉妬深い
宇佐見藤(穂志もえか)
弘松の孫娘
虎長に仕える夫の宇佐美忠良(タカオユキ)が
石堂の意見に逆らったせいでハラキリになり
夫と息子を亡くしたあと按針の妻となる
虎長の妻
静の方(藤本真子)
虎長の若い妻で妊娠中
ポルトガル人の司祭、按針を敵視しているが信頼できる通訳者
フランシスコ会の修道士
按針に日本の政治についてなど教える
カルロ・デラクア司祭(アレッサンドロ・ヴァリニャーノ)
日本におけるカトリック教会の最高位で代表者
黒船の船長(ルイス・フェレイラ)
ポルトガル帝国と日本間の貿易を行っている「黒船」の総司令官
村次/殿本顕直(竹嶋康成)
網代の漁師、英語が話せる
実は虎長に忠実な侍でクリスチャン
虎長に仕えている伊豆の大名でありながら
大阪城の石堂にもなびく優柔不断男
(崖のシーンは意味不明、自分で降りて何でハラキリ? 笑)
樫木央海[本多正純]金井浩人
藪重と同じ策士であるが藪重よりは賢い
大阪城の支配者
元農民から強力な武将に転身した虎長の最大のライバル
大野晴信[大谷吉継]黒川武
五大老の執権の一人
かつては偉大な武将だったがハンセン病を患いカトリック信者となる
木山右近定長[小西行長]井田裕基
五大老の執権の一人
杉山如水[前田利家]戸田年治
五大老の執権の一人
裕福な一族の出身であまり存在感がない
後継者の八重千代が成人するまで五大老からなる評議会を任命した関白
中村八重千代[豊臣秀頼]セン・マーズ
太閤の一人息子で後継者
故黒田信久(信長)の娘で、鞠子の幼馴染
故太閤(秀吉)の世継ぎ、八重千代を産んだ唯一の妻
大蓉院[高台院]AKO
故太閤の妻で、太閤の死後尼となる
落葉の指南役で落葉から信頼されている
元は有力な武将で鞠子の亡き父
黒田信久(信長)を裏切って殺害し家系を汚す
元(悪)大名で落葉の父、鞠子の父明智甚斎に殺された
菊(小宇利由香)
伊豆で一番の遊女、樫木央海が惚れ込んでしまう
惜しくは10話で終わってしまったこと
原作ありきなのでしかたがないですが
せめてあと2∼3話は増やして、関ヶ原の戦いの三成の敗北と
徳川幕府の始まりまで描いて欲しかったものです
【解説】映画.COMより
真田広之が主演・プロデューサーを務め、ハリウッドのクリエイターたちとともに壮大なスケールで戦国時代の日本を描いた、ディズニープラス配信のオリジナルドラマシリーズ。ドラマ界のアカデミー賞と言われる第76回エミー賞のドラマシリーズ部門で作品賞、主演男優賞(真田広之)、主演女優賞(アンナ・サワイ)など18部門を受賞するという快挙を成し遂げたことで大きな話題を集めた。この受賞を記念して、全6話のドラマの第1話と第2話を、2024年11月16日から全国の映画館で期間限定上映。
天下を治めていた太閤亡き後、世継ぎの八重千代が元服するまでの政治を任された「五大老」のひとりである戦国武将の吉井虎永は、覇権を狙うほかの五大老たちと対立し、包囲網を徐々に狭められていた。そんなある日、イギリス人の航海士ジョン・ブラックソーン(按針)が虎永の領地へ漂着する。虎永は、家臣である戸田文太郎の妻で、キリスト教を信仰して語学にも堪能な戸田鞠子に按針の通訳を命じる。按針と鞠子の間には次第に絆が生まれていき、按針を利用して窮地を脱した虎永は、按針を侍の地位に取り立てることにするが……。
原作は、1980年にもアメリカで実写ドラマ化されたジェームズ・クラベルのベストセラー小説「将軍」。エグゼクティブプロデューサーに「トップガン マーヴェリック」を手がけたジャスティン・マークスら。虎永を真田広之が演じ、「説得」「レディ・マクベス」のコズモ・ジャービスがジョン・ブラックソーン/按針、「ワイルド・スピード ジェットブレイク」のアンナ・サワイが鞠子に扮した。そのほか、浅野忠信、平岳大、西岡德馬ら日本人キャストも出演。
2024年製作/128分/R15+/アメリカ
原題または英題:Shogun