THE FIRST SLAM DUNK (ザ・ファーストスラムダンク) (2022)

俺に必要な経験をください

 

バスケットボール・インターハイの出場を決めた神奈川県代表湘北高校

高校バスケット界の絶対王者秋田県代表山王工業」との40分の試合が

湘北高校ポイントガード(司令塔)宮城リョータ

生い立ちとともに描かれる・・というもの

東宝が「ゴジラ」でアカデミー賞撮ったなら

東映の「SLAM DUNK」は長編アニメ賞に値する以上じゃないの?と

断言してもいい

日本のアニメ界の歴史を覆すくらいの力量があったと思います

ザ・ファーストというよりは、リョータを主役にしたスピンオフ版

オリジナル版「SLAM DUNK」(スラムダンク) の主人公

桜木花道(さくらぎ はなみち) のエピソードはほとんど割愛

されていますが(笑)

すみません、同じスピンオフ版でも

私的には「マッドマックス・フィリオナ」より、よほどヨカッタ(笑)

そこは実写とは違う、アニメならではの強みですね

さらにモーションキャプチャによる3DCG技術に加え

(人体の部位の位置と動きを記録することで、人間の「動作」を記録する

CGアニメーターによる膨大な動きの調整

大量作業による描き込みが施さ

マンガ本来の持ち味を損なわれられないよう工夫されたそうです

結果アニメだけでも、CGだけでも

もちろん実写ではやり遂げることのできないクオリティーを実現

日本のアニメーションの新たな時代を感じます

さらに「Netflix」の日本語字幕への配慮(バリアフリー字幕)に感謝

(2024)4月から「障がい者差別解消法」(合理的配慮)が改正されたおかげか

セリフだけでなく、背景の音や、音楽にも解説文が出るのは

状況が想像しやすく非常にありがたい

このブログを読んだ聴覚障害者の方は、間違いなく「Netflix」に加入するでしょう

(読んでくれる人がいた場合の話しだけど 笑)

本筋は「SLAM DUNK」ファンにとって

語るにもおこがましいとは思いますが

ざっとネタバレ全開(笑)

幼いころ父親を亡くしたリョータは、憧れの兄ィのソーちゃんから

(母親を守るため)「俺がこの家のキャプテンになる」

「お前が副キャプテンだ」 と言われ感激します

しかしある日ソーちゃんは、リョータとバスケをするより

友だちと釣りに行く約束を優先し

怒ったリョータは「もう帰ってくるな」 と叫んでしまいます

そのまま海難事故で帰らぬ人となったソーちゃん

そのことはリョータのトラウマとなり

なにをやっても優秀なソーちゃんより

落ちこぼれの自分が死んだほうがよかったと思い込んでしまう

母さんもそう望んでいるのだと

母親はソーちゃんの思い出のある家を引き払うことにし

一家は沖縄から神奈川に引っ越すことになります

友だちもなく、ひとりバスケットコートでドリブルするリョータ

そんなリョータに声をかけたのが三井寿(みつい ひさし)

三井にはどこかソーちゃんの面影がありました

が、リョータ湘北高校のバスケ部に入部した後

三井はサラサラのロン毛(笑)不良グループのリーダーとなっていました

リョータは勝手に三井の坊主頭を賭け(笑)三井と喧嘩

そのせいで大事なリョータの大事にしていたバスケットシューズが壊れ

リョータは自棄(やけ)になってバイク事故を起こしてしまいます

母親に泣いて叱られると、今度は故郷の沖縄ひとりに戻ってしまう

 

そこでソーちゃんの隠れ家だった洞窟に向かうと

そこには「”最強の山王を倒す」と描かれたバスケットボールの専門雑誌と

赤いリストバンドが残されていました

リョータは思い出します

バスケットボール・インターハイで山王に勝つことが

ソーちゃんの目標だったことを

 

一方の三井も坊主にはならなかったけど(笑)

髪を短く刈り、再びバスケがしたいと監督に頭を下げたのでした

さらに主将である赤木剛憲(あかぎたけのり)の実力と

インターハイ優勝を目指すことに(できるはずはないと)

やっかむ先輩たちとの葛藤

 

孤高でイケメンの高得点プレイヤー、流川楓(るかわかえで) は

「俺は何者だ!」とモヤモヤ(笑)

そんなリョータ、三井、赤木、流川のお深いお悩み中に

花道の答えはひとつ

それは試合に、山王に勝つこと

しかも勝てる気しかしない(笑)

たとえば大リーグで活躍する大谷翔平氏とか

将士の藤井聡太もそうですが

たとえどんなトラブルやプレッシャーがあっても

自分のビジョンをしっかりもっていることが

強みなんだと思うんですね

花道も、たとえどんなに得点を取られたとしても

相手に「花を持たせてやった」だけと言い切れるタイプ

決して負けたとは言いません

 

なんの根拠もないメンタルの強さ、それが「天才」

しかも「真っ直ぐ」な人間には「強運」がある

それを実際の試合を見ているような躍動感と

登場人物に対するトキメキと、一体化させることに成功

90年代アニメを見ていた人にとっても

あの頃の自分を思い出せる逸品のひとつだと思います

 

ス年後、リョータNBA山王の河北と再び対戦

ところで花道の腰はどうなった(笑)

 

 

 

【解説】映画.COMより

1990年から96年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、現在に至るまで絶大な人気を誇る名作バスケットボール漫画「SLAM DUNK」を新たにアニメーション映画化。原作者の井上雄彦が監督・脚本を手がけ、高校バスケ部を舞台に選手たちの成長を描き出す。
湘北高校バスケ部メンバーの声優には、宮城リョータ役に「ブルーロック」の仲村宗悟三井寿役に「ガンダムビルドダイバーズ」の笠間淳流川楓役に「ヒプノシスマイク」の神尾晋一郎、桜木花道役に「ドラえもん」の木村昴赤木剛憲役に「僕のヒーローアカデミア」の三宅健太を起用。1990年代のテレビアニメ版も手がけた東映アニメーションと、「あかねさす少女」のダンデライオンアニメーションスタジオがアニメーション制作を手がける。ロックバンドの「The Birthday」がオープニング主題歌、「10-FEET」がエンディング主題歌を務め、作曲家・音楽プロデューサーの武部聡志と「10-FEET」のTAKUMAが音楽を担当。
2022年12月3日の公開から23年8月31日の終映まで約9カ月間のロングラン上映となり、興行収入は国内歴代13位となる157億円を突破する大ヒット作となった。

2022年製作/124分/G/日本
配給:東映