クリスタル殺人事件(1980)

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原題は「THE MIRROR CRACK'D (鏡の亀裂)

ミステリーとしては傑作と言い難いですが(笑)

いろいろな意味で面白く、興味深かったです

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アガサ・クリスティの映画化といえば

とにかく豪華キャストだということ

その中でも本作は特に豪華絢爛ではないでしょうか

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エリザベス・テイラー48

キム・ノヴァック、47

おじさまになっても二枚目、ロック・ハドソン(この5年後AIDS死)

おじさまになってもチャラい、トニー・カーティス

ミス・マープルアンジェラ・ランズベリージェシカおばさんにしか見えんがな)

65歳(1925年生まれの同じ年)

ロンドン警視庁の警部ミス・マープルの甥)は

ジャッカルの日(1973)エドワード・フォックス

ベスの相手役で若手俳優のピアーズ・ブロスナンは全く気付かない(笑)

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リズと ハドソンは「ジャイアンツ」(1956)から

夫婦やってるんじゃないかというくらい息がぴったりだし

キム・ノヴァック(衰えを知らない美貌とスタイル!)と

トニー・カーティスは超楽しそうに演じてる

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リズとキム・ノヴァックの笑顔でポーズをとり

コミカルに、そして強力に侮辱しあうシーンは

本気にしか見えません(さすが大女優 笑)

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1953年、イギリスのセント・メアリー・ミード村

ハリウッドの大物女優マリーナ・ラッド(エリザベス・テイラー)と

彼女の夫で監督のジェイソン・ラッド( ロック・ハドソン)は

映画会社が開催したレセプションに地元の人々を招きます

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ミス・マープルは転んで怪我をしてしまい、退散してしまいますが

マリーナは熱狂的なファンと名乗るヘザーという女性の

退屈な話に付き合わされていました

あまりの長話にマリーナが耐えきれないと思ったのか

ジェイソンはふたりにカクテルを用意

しかしヘザーがカクテルをこぼしてしまったので

マリーナは自分のカクテルを渡しました

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その時マリーナの古くからのライバルで新作の共演者の

ローラ・ブリュースター(キム・ノヴァック)が

プロデューサーで夫のマーティ・フェン(トニー・カーティス)と到着

マリーナはローラがやって来たことに激怒しますが

マリーナはローラとカメラに向かってサービス

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しばらくするとあたりが騒然とし、ヘザーがソファで息絶えていました

カクテルには致死量の薬物が入っていたのです

その後、遊び心で犯人捜しをしようとしたジェイソンの秘書エラが

花粉症のスプレーに毒物を入れられ殺されます

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普通に考えればヘザーにカクテルを用意したジェイソンか

カクテルを渡したマリーナ

ふたりのどちらか(あるいは両方)が犯人だと思うわけですが


まさかのその通り(笑)

謎解きミステリーというより、単純な復讐もの

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マリーナは妊娠中に麻疹を患い、産まれた子どもは重い脳疾患でした

そのため彼女は神経症になり女優業も長い期間休養していました

それがまさか復帰のパーティで、マリーナに麻疹をうつした本人が現れるとは

ヘザーは第二次世界大戦中、麻疹の検疫から抜け出し舞台を見に行き

マリーナからサインをもらい彼女の頬にキスまでしたのです

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これは、アメリカの女優ジーン・ティアニーが妊娠中

ドイツ麻疹の検疫から抜け出し、テニスパーティにやってきた

熱烈な女性ファンにサインをしたことで自らも感染してしまい

長女は耳が聞こえず、部分的に失明し、重度の発達障害をもって産まれた・・

という実話をもとにしたと言われているそうです

(クリスティは偶然の一致と否定 ← どっちでもいいがな)

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ラスト、マリーナは罪人として生きることよりも

美しく死ぬことを選びます

クレオパトラ(1963)か!(笑)

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ヒロインは死にますが、事件解決が先に立つし

全体的に登場人物もおちゃめで明るいので

重苦しい雰囲気は一切ありません

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ただ新型コロナも、妊婦にどのような影響を与えるか

まだよくわかっていないのだから、軽症でも感染の疑いのある人は

安易に他人と接触しないで欲しい、とは

今の時代本気で思いました




【解説】allcinema より

オリエント急行殺人事件」「ナイル殺人事件」に続いて、アガサ・クリスティのミステリを豪華キャストで映画化した作品。今回は、ミス・マープル物の『鏡は横にひび割れて』を原作に、「007」シリーズのG・ハミルトンが監督し、出演陣にはA・ランズベリー、E・テイラー、R・ハドソン等を迎えている。ロンドン郊外の小さな町で撮影されていた映画『スコットランドの女王メアリー』の歓迎パーティ会場で殺人事件が発生した。推理好きで有名な老婦人ミス・マープルはさっそく独自に調査を開始するのだが……。