小津安二郎

小早川家の秋(1961)

娘の結婚や、死(未亡人、法事や葬式)というテーマは 晩年の小津作品に共通していますが その中でも本作のラストでの火葬場のシーンは 死ぬということ、この世からいなくなるということを強く感じます 小津特有の、同じ繰り返しを多用する演出やセリフ回し …

一人息子(1936)

「人生の悲劇の第一幕は親子になったことから始まっている」 小津安二郎初のトーキー長編劇映画 さすがに録音の保存状態はかなり悪ですが(笑) 小津組のセンスの良さには毎回唸る プロローグに流れるのはフォスターの「オ−ルド・ブラック・ジョ−」 生涯を南…

早春(1956)

この映画を夫婦で一緒に見てもし夫が池部良のような表情をしたら浮気している可能性ありますよ(笑) 杉山(池部良)と結婚8年目の妻、昌子(淡島千景)暗闇の中で目を開けて寝ている妻の横顔の長いショットで夫婦仲がすでに冷え切っていることがわかります …

父ありき(1942)

早稲田松竹にて鑑賞 若い頃の笠智衆さん、イチロー選手に似ています いやあ、びっくり(笑) 清流での釣りのシーンは名場面だとか 今見ても卓越した画面構成には驚かされます 「リバー・ランズ・スルー・イット」の釣りのシーンも この作品をもとにしたのでし…

お早よう(1959)

戦前サイレントの「生まれてはみたけれど」の 小津監督のセルフリメイク的な作品だと思います 子どもが主役的な作品なのでほほえましく楽しいですね まあ、うちの子はこんなに理屈っぽくなくて助かりましたが(笑) 東京にある新興住宅地、序盤から事件勃発 中…

彼岸花(1958)

「親は、子供が幸せになったらそれでいいのよ」 こんな父親いやだ(笑) こんな夫だったらもっといやだ(笑) 戦争から復興し近代化も進んでいる最中なのでしょう 思想は自由になり多様化、女性も働き 見合いよりも恋愛結婚を望むようになってきています 自分た…

晩春(1949)

「なぁ、おまえ。こんなこと、もうやめようや」「いやよ!私。お父さまと、ずっとこうしていたいの」 晩春、春の終わりのこと これはヒロインの紀子のたとえなのでしょう 現代女性にしてみればなんて失礼な事 でも戦後まもない当時は 27歳にもなったならいい…

秋刀魚の味(1962)

「結局のところ、人間は独りです」 小津安二郎監督の遺作として名高い作品。 今でしたら、女性に「いくつになった」 「まだ嫁に行かないのか」などと発言したら セクハラと非難されてしまいますが。 ちょっと昔までは年頃の娘がいたら結婚するのがあたりまえ…

東京物語(1953)

【原節子さんを偲ぶ】 原節子さん(没年95歳)の訃報が報じられました。 小津安二郎監督の死と同時に42歳で女優を引退。 その後は一切公の場所には姿を見せず、プライベートは明かさず 日本のグレタ・ガルボとも呼ばれていたそう。 凛としていて、美しく、ミ…

浮草(1959)

素晴らしいですね。 映画を超えています。 これはもう芸術の世界でしょう。 すべてのショットが完璧。 美しく落ち着いた色彩の映像はうっとりするくらい 見ていて心地が良い。 ストリーのほうは男と女のぶつかり合いを描いていて 小津監督にしては異色の作品…

「小津安二郎の図像学」に行く~

東京国立近代美術館フィルムセンターに行ってきました。 常設の「NFCコレクションでみる 日本映画の歴史」と 3月いっぱいまで開催されている「小津安二郎の図像学」の 企画展を見学してきました。 これはとっても楽しい。笑 2011年からNHKBSプレミ…

小津安二郎・没後50年 隠された視線(2013)

小津安二郎の映像美学に迫るドキュメンタリー。 私は映画製作については興味がある方ではなく DVDに特典で付いてくるメイキングなども見ることはないほうですが これは面白かったですね。 いわゆるギョーカイの派手な雰囲気を微塵も感じさせない 職人気質…

大人の見る絵本 生れてはみたけれど(1932)

私はよく電化製品を壊すんです。 別に乱暴な扱いをしているわけでもないのに 10年以上はもっという家電が数年で壊れたり 職場でも私が部屋にはいったとたんに、照明が切れることがあります。 周囲の人からも「身体から何か電磁波が出てるんじゃないの?」 …