ニュースの天才(2003)


 
 
ちょっと前に世間を騒がせた
STAP細胞問題や
大手新聞社の誤報などを思い出しました
地味ですがいろいろ考えさせられる作品でした
 
25歳という若さで一流雑誌の記者として成功したグラス
同僚に対する気配り、ウイットに富んだ会話、スクープ記事
オフィスの仲間は皆、彼を尊敬していて、そして大好きでした
そこに新しい編集長のチャックがやってきました
 
そして他雑誌からグラスの記事が
ねつ造ではないかという指摘がされ調査されます
それを、自分が編集長から嫌われてるから
嫌がらせだと社内の仲間に言いふらすグラス
 
たったひとりでも真実を追求しようとするチャック
それは社内で孤独な戦いでした

 
最初は誰もねつ造だとは疑らなかった
それどころか誰もがグラスに同情し擁護するほどだった
本当のことを知ろうとする者のほうが悪人になってしまうのです
 
やがて記事が本当にねつ造だったとばれ
どんなに真実を突きつけても、窮地に追い込まれても
自分は嘘をついていないと、嘘に嘘を重ねるグラス

 
優秀で才能もあるのに、なぜねつ造するのか、嘘をつくのか
注目を浴びたかったのか、お金のためなのか、仕事を得るためなのか
その理由はわかりません
 
でもこういう人間は、意外と多くいるのかもしれません

涙を流しながら記事はねつ造ではないと訴える主人公の顔と
泣きながら記者会見した女性科学者の顔がだぶるのは
私だけではないでしょう
 

 
【解説】allcinemaより
アメリカのマスコミ界に衝撃をもたらした人気ジャーナリストによる記事捏造事件を、事実を基にリアルに再現した社会派ドラマ。捏造が発覚し次第に追い詰められていく青年記者と、複雑な思いを胸に事件と向き合う周囲の人々の姿をスリリングに綴る。監督はこれまで数々の脚本を手掛け、本作で初メガホンとなるビリー・レイ。主演は「スター・ウォーズ エピソード2」、「海辺の家」のヘイデン・クリステンセン
 1998年、ワシントンD.C.。25歳のスティーブン・グラスは、アメリカ大統領専用機に唯一設置され国内で最も権威あるといわれる政治マガジン“THE NEW REPUBLIC”に勤める最年少の編集者。彼は斬新な切り口で身近な政財界のゴシップを次々とスクープしてスター記者へと成長していく。一方で、その驕らない人柄から社内外での人望も厚かったスティーブンだが、ある時彼の手掛けた“ハッカー天国”というスクープ記事が他誌から捏造疑惑を指摘されてしまう。そしてそれを機に、スティーブンの驚くべき事実が発覚していく…。