バス停留所(1956)

 

 
 
「女を探すなら“天使"を探す」
 
21歳まで牧場で馬と牛としか暮らしたことのないカーボーイ
よく考えると強引な設定だなと思いますが。笑
 
そんな世間知らずの田舎の青年、ボーが都会にやってきて
酒場で歌手をしている美女チェリーに遭遇。
なんたってMMだ。
あの甘い声にお見事なヒップライン。
一目惚れをしてしまうのは当然でしょう。
 
しかし叔父はふたりの付き合いに反対します。
彼女は世間も男も知りすぎている。
それ以上に泥にまみれた田舎の牧場暮らしに
耐えられるわけがないと思ったに違いありません。
 
嫌がるチェリーを自分の田舎に連れて行こうと
無理やりバスに乗せるボー。
そのバスは大雪のためグレースが経営する食堂(バス停留所)に
足止めになってしまいます。
 
この食堂でのボーの保護者である叔父、バスの運転手、食堂の女主人の
3人の脇役が落ち着いた演技で好印象でしたね。
 
ただ、主人公のボーが女性目線から見て魅力がなく
イマイチの作品になってしまったような気がします。
最初の出逢いとラストの台詞は、結構素敵だったけど。
 
アクターズスタジオで演技を修業し直してきた
マリリンの復帰第一作目ということ。
演技派女優として認められるため頑張った彼女の意志は尊重するけれど
やはり天才天然コメディエンヌのマリリンの方が輝いているかな・・
 
とはいえ時代を風靡した大女優。
その証拠に今どきここまで色っぽい女優さんなんていないもの。
マリリンのさすがの美しさと溢れる色気は
この作品でも堪能することができました。
 

 
【解説】allcinemaより
モンローが「帰らざる河」で演じた踊り子にも少し似た流れの歌手に扮し、遺作の「荒馬と女」に並ぶ力演を見せた、W・インジ戯曲の映画化。喜劇的すぎる作りに若干の無理があるが、モンローならではの見る者を優しく包み込む瞬間が多々ある。彼女にベタ惚れするモンタナ出身のカウボーイ、ボウに映画初主演のD・マレーが扮し、朴訥とした男を好演。雪降る停留所にモンタナ行きのバスから降り立つシェリーは、ボウに半ば略奪された形でついてきたのだが、彼には相応しくないと一人決め、LAに向かうバスに乗ろうとするところを、なんと投げ縄で捕まえられてしまう……。出発の待ち時間のあいだに繰り広げられる純情二重奏といった所で、演技派を目指したモンローのアクターズ・スタジオでの訓練の成果が問われたが、そんなことに関係なく彼女は天性の女優だと感じさせた。監督ローガンにとっては「ピクニック」に次ぐ、インジ作品の映画演出である。