マッド・ハイジ(2023)

原題は「Mad Heidi

スイス映画ってたぶん見たことがないと思うのですが

初めて見たスイス映画がこれでいいのか(笑)

スイス初のエクスプロイテーション映画ということで

タブーとされる題材をあえて低俗で過激取り上げ興行をはかるもの)

冒頭からSwissploitation Films(スイスプロイト映画)のロゴは

マッターホルンとスイスのチーズホイールを使った

パラマウント・ピクチャーズのパクり(笑)

ほかにも高畑勲×宮崎駿アルプスの少女ハイジ」や

スター・ウォーズ」「007」「ランボー
「怒りのデス・ロード」など名作のパロディが

少年ジャンプのギャグマンガのようなノリで盛り込まれていますが(笑)

主人公が「ハイジ」というだけで、そこまでお下劣ではない

裸のシーンさえなければR指定もいらなかったんじゃないかしら

基本、こういうお馬鹿映画は嫌いじゃないのですが(笑)
欧州の人々にとっては、スイス国旗をハーケンクロイツに例えたり
極右の独裁者をコケにしたり
(スイスでは右翼・保守主義右派ポピュリズムの国民党が議席を伸ばす)

そっちの表現のほうが過激なギャグだったかも知れまっせん

実際、製作中には様々な反対運動が起き

スイスの伝統的な衣装店に対し衣装を提供しないよう通達されたり

脚本家のひとりがクビになったりという(本業は警察官、のちに裁判で勝訴)

迫害を受けたそうです

架空の国スイス

 

チーズ会社社長のマイリが大統領選に就任、独裁者として君臨し

マイリの親衛隊長クノールは反対派を容赦なく拷問や射殺をしていきます

さらにマイリのチーズ会社の、思考力が低下するマイリスチーズを食べさせ

国民を従順にして奴隷化し

チーズを食べられない乳糖不耐症の人たちは

(乳糖を消化吸収する酵素ラクターゼ)の働きが弱く下痢や腹痛をおこす疾患)

排除され殺されていました

マイリ就任から20年

24歳のハイジはヤギ飼いのペーターと愛しあっていました

しかしハイジの育ての親、「アルムおんじ」ことアルペヒ(カッコいい)は

マイリスチーズ以外の売り買いを禁じられているスイスで

自家製のヤギのチーズの密売して大儲けするという

危険な仕事をするペーターとハイジが交際することに反対していました

ある日ハイジと町に出かけたペーターが

ペーターと闇取引をしていた人間がチーズフォンデュ拷問により

(熱々チーズ顔面にかけられ、最後はチョコで撲殺される

ペーターの名を明かしてしまったため

ハイジの目の前でクレールに処刑されてしまいます

ハイジはなんとか山小屋まで逃げますが

銃を持ちクノールの軍からハイジを助けようと応戦したアルペヒは

クノールとは昔からの知り合いのようだ)

軍の放った銃弾が火薬の入った樽に当たったせいで

山小屋ごと吹き飛ばされてしまいます

クノールに捕らえられ反逆者が送り込まれる矯正施設に入れられたハイジ

そこでクララ・ゼーゼマンと知り合います

矯正施設に捕らえられた女性たちは

シュヴィンゲン(スイス相撲)のトレーニングをしなければなりません

建国記念日のシュヴィンゲン祭で大統領に試合を披露するためです

(ここから「グラディエーター」ね 笑)

ハイジとクララは同房のマッチョ女、フローラとロージー

騒ぎを起こし独房に入れられ

監視用の窓から監視員が美味しそうにチーズを食べるのを見せられるという

拷問を受けます

が、ハイジはマイリがシュヴィンゲン祭の主役にしようと期待している新人

所長のロットワイラーロッテンマイヤーさん)が独房のハイジを訪ねると
ハイジは骸骨の破片でロットワイラーを刺殺
ロットワイラーSM”犬に調教されているクノールは彼女の死を哀しむ 笑)

血で壁に「祖国に死を」と書きクララを助けに行くハイジ

しかし空腹に耐えかねたクララはマイリスチーズを食べ廃人状態

やむを得ずひとりで逃げたハイジでしたが

クノールに滝の上に追い詰められ

クノールは20年前、ハイジの両親を殺したことを打ち明けます

ハイジが滝に身を投げると、クノールはマイリにハイジが死んだと報告

しかしハイジは生きていて、森の教会に辿り着き

そこで酒をあおると女神ヘルヴェティア(美輪明宏?笑)が現われ

ハイジはヘルヴェティアの巫女たちとともにジェダイの如く、修業

クノールのパトロール隊を全滅させます

ヘルヴェティアから戦士として認められ

ペーターの復讐を誓うハイジですが

クノールが送り込んだ戦士、ニュートラライザーに捕えられ

闘技場に拘束されてしまいます

マイリ大統領はマイリスチーズより強力に思考力を失わせ

国民の奴隷化するための「ウルトラスイスチーズ」の完成を

科学者で開発者のシュビッツゲーベルに急がせていました

カリという部下にそのチーズを試させると

それは醜い怪力の怪物となる失敗作でしたが

マイリは「最強の兵士を得た」と喜び

「ウルトラスイスチーズ」で世界征服を企みます

一方山小屋の爆発を生き延びたアルペヒ
マイリの独裁に反対するレジスタンスとしてビラを作成してい
ペーターの父親たちと共に
マイリ大統領とクノールを倒すため村々を旅し仲間を増やして行きます

そしてついに迎えたシュヴィンゲン祭

世界征服の足掛かりとして、まずフランスの使節団を招待

チーズ好きのフランス人にをマイリスチーズで従わせることを狙います

クララは最強レスラーのフローラとロージーに背骨を折られ敗北

そこに拘束から抜け出したハイジが登場し

観衆に「目を覚ますよう」と訴えると

マイリはハイジの対戦相手としてニュートラライザーを登場させ

激しい攻防が繰り返されると、フローラもハイジと共に応戦

フローラは倒されてしまいますが

ハイジはニュートラライザーの首を取ることに成功します

そのときクノールクロスボウの矢がハイジの右胸を撃ち

そこにアルペヒ率いる反乱軍が駆けつけ

観衆が逃げていく中、ハイジは「祖国に死を」とクノールを国旗の棒で刺殺

その頃、マイリとフランス使節団は誓約書に同意し

ウルトラスイスチーズがフランスに輸出されようとしていました

ハイジと反乱軍が工場に到着すると

マイリはフランス使節団をウルトラスイスチーズで化け物にし戦わせます

ハイジは工場のガス施設を壊すと、圧力で生乳を浴びさせ

(チーズの生乳は母乳を搾乳される女性のものだった)

マイリの顔を吹っ飛ばします

致命傷を負ったアルペヒは、工場に残り爆弾を起動し運命を共にすると

(「さらば宇宙戦艦ヤマト」の真田さんか 笑)

「一番美味しいチーズは焼きチーズだ」と捨て台詞を決め

ハイジは爆破炎上する工場を後にすると

クララ(骨折した背骨はどうなった 笑)と共に

ウルトラスイスチーズを持って逃げようとするシュビッツゲーベルを待ち構え

クララが機関銃をぶっ放すと

次回作「ハイジ&クララ」につづく・・でエンド

はたして「ハイジ&クララ」観れる日はやって来るのでしょうか(笑)

【解説】映画.COMより

名作児童文学「アルプスの少女ハイジ」を大胆にアレンジし、R18+指定のエログロバイオレンス描写を満載にしたB級エクスプロイテーション映画に仕立てた異色のスイス映画。チーズ製造会社のワンマン社長でスイス大統領でもある強欲なマイリは、自社製品以外のすべてのチーズを禁止する法律を制定し、スイス全土を掌握する恐怖の独裁者として君臨。それから20年後、アルプスに暮らす年頃の女性ハイジは、禁制のヤギのチーズを闇で売りさばいていた恋人のペーターが見せしめのため目の前で処刑され、唯一の身寄りである祖父も山小屋ごと爆破されて殺されてしまう。愛する者たちを失ったハイジは、復讐のために戦いに身を投じる。
スターシップ・トゥルーパーズ」のキャスパー・バン・ディーンが独裁者マイリ、「グラディエーター」「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」などで知られるデビッド・スコフィールドが、アルムおんじことハイジの祖父を演じた。

2022年製作/92分/R18+/スイス
原題または英題:Mad Heidi
配給:ハーク、S・D・P