スティーブ・ジョブズ(2015)




スティーブ・ジョブズについては以前
ドキュメンタリーを見たことがありまして
(「スティーブ・ジョブズの真実」だったかな)

彼は甚だしい身勝手さや、不愉快な言動で
家族や親友さえも裏切り、傷つけてしまうのです

そのうえ他人のアイディアや、作ったものは平気で盗み
それを自分のアイディアのように商品化し
今度はそれを他人が決して真似できないようにしてしまう

ディズニーと同じ
しかもそれが世界中の人々に、夢と魔法を与えるのです
のちにディズニーの個人筆頭株主になったのも頷けます





映画のほうはアップル創業者のジョブズマイケル・ファスベンダー)が
偉業を成し遂げる一歩手前までを描いたもの
自分では何もせず、憎々しくハッタリばかりをかましています
仕事仲間には無理難題を押し付け
娘に自分の子どもではないと言い張る

そんな俗者が、なぜか国民には受け入れられ
天才だと評価され、新製品の発表会は拍手喝采
しかしそのたびに大失敗をし、アップル社は大きな損失をだし
大勢の失業者を生み出します

だけれど彼はそんなことは一切気にしません
人間の感情がないのです





そんなクズ経営者を共同創業者のウォズニアック(セス・ローゲン)や
アシスタントのジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)は支えていきます
助けてもらってばかりなのに、この男はけなすだけですが

しかしそんなジョブズのハッタリが現実になる時がきます
それは彼が大人になる入り口を見つけた時
人間の心は傷つくと理解できた(でも少しだけ)時なのです


1998年に初代iMacの成功
その後はiPodiPhoneiPadというヒット商品を生み出します

膵癌(すいがん)による呼吸停止で56歳で死亡





芸術とテクノロジーを両立させた
アメリカのイノベーターの中で最も偉大な1人の早すぎる死は
彼を恨んだ者の呪いのようにさえ思えてしまいます

国でも、ビジネスでも
こういう変わり者の独裁者でないと世界は変えられない
成功の影に、常に犠牲者は必要なのだと考えさせられました


私はジョブズとは友達にはなれませんが
(むこうにも選ぶ権利はあります 笑)
映画としては面白かったです



【解説】allcinemaより
スラムドッグ$ミリオネア」「127時間」のダニー・ボイル監督が、独創的な発想で数々の革新的商品を生み出し、人々の日常生活に革命をもたらしたカリスマ経営者スティーブ・ジョブズの知られざる素顔に迫る異色の伝記ドラマ。主演は「SHAME -シェイム-」のマイケル・ファスベンダー、共演にケイト・ウィンスレットスティーブ・ジョブズの人生において大きな転換点となる3つの新作発表会に焦点を絞り、それぞれの本番直前の舞台裏を描く斬新なスタイルで、スティーブ・ジョブズの仕事と家族を巡る葛藤と信念を浮き彫りにしていく。
 1984年。Macintosh発表会の40分前。“ハロー”と挨拶するはずのマシンが何も言わず、激高するジョブズマーケティング担当のジョアンナは、そんなジョブズにいつも振り回されてばかり。するとそこに、ジョブズの元恋人クリスアンが、娘のリサを連れて現われる。いまや公然の秘密である娘の認知を頑なに拒絶するジョブズだったが…。