サタデー・ナイト・フィーバー(1977)




オープニングからいいですね
ノリのいい音楽でブルックリンを闊歩
そして、意外としっかりとした青春映画なのには驚きました
ダンスも本格的です

トラボルタの23歳での初出演作ということ
演技の上手さにはびっくりしますね
あまりにも自然で素に見えてしまい
この作品同様、トラボルタも
過小評価されているのではないでしょうか

しかし、やはり70年代モノ
後味のよい作品とは言えませんでした

安給料で工務店で働く19歳のトニー
家には口の悪い無職の父親
両親から出来のいい兄と比べられ居場所がない

でも土曜の夜は友人たちとディスコへ
その時だけはダンスのうまい彼は女の子にもモテモテ
みんなが彼のことを認めてくれるのです

そんなトニーはダンスコンテストを目前に
ダンスの上手な年上の女性ステファニーを口説こうとします

同じニューヨークでもマンハッタンとブルックリンでは
かなりの格差があるんですね
マンハッタンで働くステファニーはトニーにとって格上

ダンスを通じてやがて惹かれあうふたり
しかし、ステファニーが望んでいるのは
トニーのような男ではないのです
教養も収入も将来もあるような男
いくら好意をもっていても付き合えない
特別な関係にはなれない

プエルトリコのペアに勝ってしまったコンテスト
トニーに片思いをしていた女の子
自殺してしまった気の弱い青年
あまりに辛い失敗もまた、青春なんだろうな

今まではダンスさえしていれば楽しかったのに
バカをすることがいやになる瞬間
そして少しでもステファニーの望む男になるため
トニーは変わろうとします

それはたとえ友達のままでもいい
彼女がそばにさえいてくれたなら

成長って
大人になるって
苦い



ファッションや、トラボルタの毛深さは
私の好みではありませんでしたが(笑)

私は青春映画の名作だと思います
もっと評価をされていい作品のひとつなのではないでしょうか



【解説】allcinemaより
 公開当時ダンス・ブームという社会現象を起こし、“フィーバー”なる言葉を定着させた、ジョン・トラヴォルタ出世作。ベイ・リッジの町のペンキ屋で働いているトニー・マネロは、日頃のうっぷんを毎週土曜のディスコで晴らしている若者。今日もいつものようにディスコに繰り出して自慢のダンスを披露していた。そんな中、新顔の魅力的な女性をダンスに誘った彼は、今までに踊った事のないような彼女のダンスに驚く。たちまち魅了された彼は、彼女をやがて催されるダンス大会のパートナーとして誘うが……。派手なダンス・シーンばかりが話題になった作品だが、単なるダンス映画ではない。友人の死、異性や友人との人間関係を通して、ある一人の若者の成長を描いた青春映画である。だが監督シルヴェスター・スタローンによる第2作「ステイン・アライブ」には、その要素が大きく欠落していた。