パリ、テキサス(1984)

 
この作品は過去に見た時に気に入って
サントラも持っています
 
ライ・クーダーのけだるいギターが雰囲気にぴったり
でも、音楽と映像が一体になったほうが、やはりもっと良かった
(だったらDVD買おうよ・・笑)
 
カラーもいいですね、赤がアクセントとして使われ
ヴェンダース監督は小津監督の影響を受けているのでしょうか
 
 
 
私にも、誰も知らない場所に消えてしまいたい
何もかも投げ出して、自由になりたい
そういう願望はあります
実際にはそんなことしませんけれど
 
 
 
記憶喪失になって砂漠を彷徨う男トラヴィス
自分のことだけを考えて生きてきたのでしょう
その自分さえわからなくなってしまった
 
一方のトラヴィスを迎えに来た弟はとても善良な人間
いくら身内でもこんないい人がいるでしょうか
棄てられたも同然のトラヴィスの息子を我が子のように育て
甲斐性のない兄のために献身的に尽くすのです
 
でも、一番大人なのは息子のハンター
あらゆる事情を自分なりに理解し、受け入れ
多くは語りません
 
でもまだ8歳なのです
ママに会いたい
 
こんな、可愛い子を置いていくなんて
なんてひどい母親なのだろう
案の定、風俗で働くまで堕ちた女
 
汚れた女だと思った
だけど、違った
 
 
 
現れたのは美しい輝く女性
本当に綺麗でしたね
 
その美しさが罪だったのです
夫は仕事もせずに妻を束縛
やがてほかの男と浮気しているのではないかと
勝手な嫉妬心からDV
 
これも愛の形
破滅へと向かう愛
 
たぶん、トラヴィスはまたあてもない旅立に出て
ハンターは育ての親の元に戻るのでしょう
 
 
 
それでも、ママに会えてよかった
ママがわが子に会えて、もっとよかった
私はそう思います
 
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【解説】allcinemaより
テキサス州の町パリをめざす男。彼は失踪した妻を探し求めていた。男は、4年間置き去りにしていた幼い息子との間にも親子の情を取り戻す。そして、やがて巡り会った妻に、彼は愛するがゆえの苦悩を打ち明ける……。さすらいの監督W・ヴェンダースが、S・シェパードのシナリオを得て、ロード・ムービーの頂点を極めた秀作で、カンヌ国際映画祭グランプリに輝いた。哀感漂うライ・クーダーの音楽に乗せて、ロビー・ミュラーが映し出すテキサスの風景の何と美しくも孤独なことか。主人公に扮するH・D・スタントンも静かな存在感で作品の大きな魅力となっているが、N・キンスキーが生活に疲れた妻を演じて新境地を開拓しているのも興味深い。