レ・ミゼラブル(2012)




哀れな人々(レ・ミゼラブル

誰でも筋くらいは知っている有名な物語
私もユゴーの原作は中学生の時に読みました

善人が妹の子どものために盗んだ
たったひとつのパンが大罪なり
19年という過酷な重労働の刑を課せられます

なんという理不尽な仕打ち
すっかり心がすさんでしまったジャン・バルジャン

仮釈放されたとはいえ、どう見ても囚人、乞食
そんなバルジャンをなぜ神父は招き入れ
銀の燭台まで与えたのでしょう

神父にはきっと見えたのだと思います
バルジャンはもともとは心の正しい人間で
将来は立派な行いをするのであろうと

80年代から、世界43カ国で上演されてきた
大ヒットミュージカルの映画化
歌声と演技で進行していきます

踊りが一切ないので

ミュージカルが苦手な方でも大丈夫だと思います
歌声もなかなかのものですし
感動作に仕上がっているのではないでしょうか
ご贔屓な俳優さんなので評価が甘めかもしれませんが(笑)

脇役もいいです
泥棒な宿屋のテナルディエ夫婦と
革命学生のマリウスに想いを寄せるその娘エポニーヌ
エポニーヌはこんな汚い親に育てられても
純粋で心が美しい

でもマリウスが愛してしまったのは
バルジャンが娘として育てているコゼットでした
見た目でも、品の良さでも、裕福さも
コゼットには到底かなわない
自分に出来るのは愛する人を守ることだけ

バルジャンもまたコゼットを愛していました
彼女は生きる希望だったのでしょう
コゼットが愛するマリウスを助けようとします
神にマリウスの代わりに自分の命を捧げると誓う

愛すべきガブローシュ少年に
イケメンリーダーなアンジョルラスと学生運動家たち

でも一番哀れなのは
シャベール警部だったのかも知れません
シャベール自身も、そのことに気が付いてしまう
投身自殺をはかってしまいます

バルジャンを迎えにきたファンテーヌ(ハサウェイ)
気持ちの優しい、美しい女性でした
そのために男性から好かれ
他の女性の僻みにあい、身を崩して死んでしまったのです

善人の象徴である神父様も再び登場しましたね
天国への門に立ちます





学生たちが蘇り、盛り上がる終わり方もよかった
フランス万歳
正義は無駄でなかったと思わせてくれます
最後まで引っ張ってくれました

人間って、孤独で惨めだけれど、魅力的

これは贔屓目(笑)
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【解説】allcinemaより
日本を含む世界中で愛され続ける空前の大ヒット・ミュージカルを、豪華キャストを起用し圧倒的なスケールでスクリーンへと昇華させたミュージカル超大作。出演はジャン・バルジャン役にヒュー・ジャックマン、彼を執拗に追い続ける宿敵ジャベール警部にラッセル・クロウ、そのほかコゼット役にアマンダ・セイフライド、その母ファンテーヌにはアン・ハサウェイ。監督は「英国王のスピーチ」でアカデミー監督賞に輝いた英国期待の俊英トム・フーパー
 19世紀のフランス。1本のパンを盗んだ罪で投獄され、19年間を監獄の中で生きたジャン・バルジャン仮出獄した彼は再び盗みを働いてしまうが、司教の優しさに触れ、心を入れ替えると決意する。過去を捨て、マドレーヌと名前も変えながらも正しくあろうと自らを律して生きていくバルジャン。やがて市長にまで上り詰めるが、法に忠誠を誓うジャベール警部に自らの正体を見破られ逃亡を余儀なくされる。その一方で、薄幸の女性ファンテーヌから託された彼女の娘コゼットに深い愛情を注ぎ、美しい女性へと育てていくバルジャンだったが…。