悲しみよこんにちは(1957)




原作は中学生の頃読みました。
大筋は覚えていますがさすがに詳細はうろ覚えでございます。

イギリス/アメリカ制作映画ということですが
やはりフランス映画を意識したのでしょうか?
らしからぬお洒落さで迫っています。笑

若くコケティッシュな魅力たっぷりなジーン・セバーグ
聡明で美しい、自立していて賢明、完璧な大人の女性のデボラ・カー
可愛くて天然、とても素直、でも実は頭の良さも垣間見れるミレーヌ・ドモンジョ
素敵でしたね。
プレイ・ボーイのデヴィッド・ニーブンが浮かれてしまうのもわかります。

セレブな父子家庭。
父親のレイモンも娘のセシールも、父親の愛人エルザとともに
自由気ままな夏の休暇を過ごしています。
そこにセシールの後継人のアンヌがやってきました。
知的なアンヌにレイモンは虜になってしまいます。

でもアンヌはお堅い女性でした。
セシールに勉強しろ、ボーイフレンドとは逢うなと強要します。
アンヌなんていなくなってしまえばいい・・
セシールはある計画をたてます。

なんていうかな
「満たされない」を描いている作品だと思います。
お金も時間も名誉も地位もある、毎日楽しんでいる。
だけれど満足しない
寂しい心を埋めるために何かを求める
そういう物語。

セシールは自由を求めた
レイモンは愛を求めた
アンヌは完璧を求めた
エルザは正直を求めた

でも、何も手に入らなかった。
でも、他人から見たら
贅沢で気ままな生活を送り続けている。

誰も悲しみにはまだ、気が付かないのです。

ジュリエット・グレコが歌う主題歌がストリーとピッタリ。
切ないけど素敵な歌詞ですね。

なにはともあれ、50年代を感じさせる洒落た作品。
そして、美しい女性たちの魅力を
満喫させていただけました。



【解説】allcinemaより
ソウル・バスによるタイトルデザインがとりわけスマートなO・プレミンジャー作品。わずか18歳で書いたこの原作でフランスだけでなく、一躍世界の売れっ子作家になったF・サガン。そのスノビズムがニーヴンやカーといったシックさを体現する役者たちの登用で、かなり上手く消化されている。そして、言わずもがな、セシール・カットの流行を生んだセバーグのボーイッシュな魅力。17歳のブルジョアの少女が父レイモンに新たに出来た恋人アンヌ(カー)が母となる現実を受容できず、それまでの若い愛人エルザ(ドモンジョ)と共謀して、父と彼女との仲をアンヌに見せつけて別れさせようとする。ところが絶望に車を駆って去るアンヌは運転を誤って崖から落ちて死んでしまう。一年前の出来事だった。今は陽光明るい夏のリヴィエラにいても、少女の世界は晴れることなどないと思われる惨めな悲しみに満ちていた。灰色の現在は白黒、過去は眩いテクニカラーで描かれる。G・オーリックの音楽、グレコの主題歌とたっぷりフレンチ・ムードに浸れるハリウッド(米英合作)映画だ。