ゾディアック(2006)

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原題も「ZODIAC」(黄道帯

 

ゾディアックとは1968年から1974年にかけて

サンフランシスコ市内で若いカップルを中心に少なくとも5名を殺害し

新聞社や警察に多量の犯行声明文を送りつけ捜査をかく乱した連続殺人犯のこと

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ダーティハリー(1971)に登場する

連続殺人犯スコルピオのモデルになったことでも有名

しかしハリーは法やルールを無視してでも解決しましたが

現実は未だ未解決

なので全くスッキリしないままラストを迎えます(笑)

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前半の殺害シーンなどはフィンチャーらしい

インパクトある凝ったカメラワークが登場したり

 

刑事のマーク・ラファロ

凄腕新聞記者のロバート・ダウニー・Jr

ゾディアックの声明文に魅了されてしまった

クロニクル紙の風刺漫画家ジェイク・ギレンホール

といった、それぞれのキャラも際立っていましたが

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後半が堂々巡りで、長い(笑)

パーンと30分くらい削って、一気にラストにもっていったほうが

もう少しは面白くなったと思う

 

細かな史実を知りたい人は原作を読めばいいし

無駄に長い作品作りたいなら

あとからディレクターズ・カット版だせばいいだけのこと(笑)

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19697月の19歳の男性と22歳女性がヴァレーホの駐車場で銃撃され

男性は瀕死の重傷を負ったものの助かった事件

(と、その前の1968年の未成年カップルの殺害)は

その後警察に、犯人しか知りえない情報の電話がかかってきたことや

女性をストーカーしていたことや、後に助かった男性の供述のとおり

アーサー・リー・アレン(IQ136)が犯人なんだろうな

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19699月の湖畔でのカップル殺傷事件(ナイフで女性だけ殺害)と

同年10月のタクシー運転手射殺事件も

目撃者の「小太り」「足を引きずってる」というという評言

あらゆる状況証拠から、犯行はリーの可能性が高いと誰でも思ってしまう

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でもその後の声明文や暗号文は

すべて本物の犯人から送られたものなのだろうか

2014年、元海軍従軍牧師で戦時中は暗号解読の任務に就いていた

アール・ヴァン・ベスト・Jr筆跡と指紋の一部が一致し第二容疑者に浮上)

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ロバート・ダウニー・Jrも、声明文に書かれた内容は

すでに報道されているものばかりと、後から気付いているし

最後まで筆跡鑑定ばかりに頼ったのはなぜだろう

(映画ポスターの文字を書いた男はどうなった? 笑)

 

だからリーは、いくら警察の捜査が入っても怖くない

どこかだれかの模造犯や愉快犯のおかげ

手紙は自分が出したものじゃないから

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5年後、再びゾディアックを名乗る声明文が届きますが

再び注目を浴びるための、自作自演だと疑われてしまうマーク・ラファロ

 

そんな中ただひとり、最後までゾディアック事件に

憑りつかれたままの「ヲタク」ギレンホー

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飽きれた奥さんは「ゾディアックの本でも書けば」と勧めます

執筆のためだと思えば、無駄に過去の事件を追っていても

諦めはつくわな(笑)

1986年「Zodiac」は出版され、ベストセラーになりました

 

映画のほうは、アラン・J・パクラになれなかった

デヴィッド・フィンチャーという感じで

いかにも不完全燃焼でしたが(笑)

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アメリカでは執行猶予がないのか

50年以上経ち、関係者のほとんどが死んでしまった今でも

捜査を続けていることには敬意を示します

 

 

【解説】allcinema より

「セブン」ファイト・クラブ」のデヴィッド・フィンチャー監督が全米を震撼させた実在の未解決事件に挑むクライム・サスペンス。“ゾディアック”と名乗る謎の犯人が引き起こした連続殺人事件をそれぞれの立場から追究するものの、得体の知れない犯人に翻弄され運命を狂わされていく男たちを描く。出演は「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホール、「グッドナイト&グッドラック」のロバート・ダウニー・Jr。<br> 196974日、カリフォルニアでドライブ中の若いカップルが銃撃され女性は絶命した、と警察に通報が入る。そしてその通報者は最後に“犯人は俺だ”と言い残していた。それから約1ヶ月後、サンフランシスコ・クロニクル紙に一通の手紙が届き、7月の事件を含め2件の殺害を実行したとする声明文が書き記されていた。それは、のちに自らを“ゾディアック”と名乗る者からの最初の手紙だった。さらに、そこには謎の暗号文も添えられ、それを新聞の一面に載せなければ大量殺人を決行する、と脅迫してきたのだった。以来、同紙の記者エイブリーと風刺漫画家グレイスミスは、この一件と暗号解読に並々ならぬ執着をみせ没頭していく。一方、サンフランシスコ市警の刑事トースキーとアームストロングも取り憑かれたようにゾディアックを追いかけるが…。

華麗なるギャツビー(2012)

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原題は「THE GREAT GATSBY

1974年版は見ています

プロットは全く同じ

自分を裏切り金持ちの男と結婚した、かっての恋人を取り戻すため

苦労して金持ちになり再会したものの、再び裏切られてしまう

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ギャツビーはレッドフォードのイメージがあまりに強すぎる

しかもこんなヘンテコな演出をするなら

いっそのこと、現代版にするとか

無茶苦茶な超訳にしたほうがよかったと思います

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主人公の語りては、心療内科で治療を受けている

元証券マンのニック・キャラウェイトビー・マグワイア

大学時代は小説家を目指したものの挫折、大恐慌によって生活も崩壊

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そんな彼に医者は「何でもいいから何か文章を書きなさい」と提案します

そこでニックは、ジェイ・ギャツビーのことを思い出し

The Great Gatsby」という小説を書き始めるのです

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1920年代初頭、ニューヨーク郊外ロングアイランドのウェストエッグにある

小さな家に引っ越したニックは

毎夜豪華絢爛なパーティを開催する、隣の邸宅に住むカリスマ的大富豪

ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)に招待されます

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しかしギャツビーがニックに近付いた本当の理由は

ニックの従妹、デイジーキャリー・マリガン)に会うためでした

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ギャツビーが第一次大戦に出兵中、恋人だったデイジー

鉄道王の御曹司トム・ブキャナン(ジョエル・エドガートンと結婚

しかしどうしてもデイジーを諦めきれなかったギャツビーは

5年の月日をかけ大金持ちになり

デイジーの家が見える対岸に豪邸を建てたのです

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男って、どうして過去を取り戻せると信じているんだろうな

そんなこと絶対不可能なのに、理解しようとさえしない

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大富豪になったギャッビーとの再会と、トムの浮気が重なって

ギャッビーを愛するようになったかのように見えたデイジー

だけど度重なるトムの挑発に、ついにギャッビーがキレてしまい

それを見たデイジーはトムのもとに帰る決意をします

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その帰り道デイジーは、トムの浮気相手の女性を車で撥ねてしまう

ギャッビーはデイジーを守るため罪を被り

トムに、ギャッビーと浮気していたとそそのかされた

女性の夫に殺されてしまうのです

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世の中のファム・ファタールってのは

現実でもだけど、女から見たら全く魅力的じゃない

なのにどうして男がそそのかされて、信じてしまうのか

ただ自分の不幸な身の上を語るのはうまい

そして純情男を見つけるテクニック

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でもギャッビーが不幸だったか、といえばそうじゃない

一時でも愛を取り戻し、彼女からの電話だと信じて死んだ

片思いに苦しんで生き続けるより、本望だと思う

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そうしてニックは「The Great Gatsby」を書き上げます

この時ギャッビーは、ニックを(病から)救った希望の星

救世主になったのです

 

【解説】allcinema より

ムーラン・ルージュ」のバズ・ラーマン監督が「ロミオ&ジュリエット」でタッグを組んだレオナルド・ディカプリオを再び主演に迎え、F・スコット・フィッツジェラルドによるアメリカ文学を代表する名作を、豪華絢爛な3D映像で映画化したエンタテインメント大作。好景気に沸く狂騒の1920年代を舞台に、アメリカン・ドリームを体現するひとりの男が、ある目的のために全てを捧げる華麗にして空虚な人生の顛末を、ミステリアスかつゴージャスに描き出す。共演は「スパイダーマン」シリーズのトビー・マグワイア、「17歳の肖像」のキャリー・マリガン
 証券会社に就職し、ニューヨーク郊外に移り住んだ青年ニック・キャラウェイ。隣は宮殿のような豪邸で、夜な夜な豪華なパーティが開かれていた。しかし、そんな騒乱の屋敷に住んでいるのはジェイ・ギャツビーという謎めいた男ひとりだけ。ある日、ニックのもとにもパーティの招待状が届く。招待客はギャツビーについて様々な噂をたてるが、誰も彼の素性はおろか、パーティを開く理由さえ知らなかった。そんな中、ついにギャツビー本人と対面したニック。やがて、ギャツビー自らが語る本当の生い立ちを聞かされるのだったが…。

 

硫黄島からの手紙(2006)

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原題も「LETTERS FROM IWO JIMA

36日間に及ぶ時間経過を示せていないことと

日本語字幕がないと聞き取れないのが不満ですが

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それ以外は「さすが」としか言いようがない

しかもアメリカ人(日系アメリカ人2世女性の初脚本)が

書いた脚本という驚き

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当時の日本人について深く冷静、客観的に考察し

何事にも中立公平、勝敗にもこだわっていない

過去の資料を相当調べたと思います

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栗林陸軍中将(渡辺謙)やバロン西伊原剛志)も

ただの英雄的な存在として描かれておらず

敵国にかっての友人も多く、その圧倒的な国力に精通していた彼らは

アメリ海兵隊に勝つためには「消耗戦」に持ち込み

米兵の士気を下げるしか方法はない

その後は日米和平への道が拓けるかも知れない、と考える

むしろ軍国主義とは反対の思想

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それよりも、どちらかといえば主人公は召集兵の西郷(二宮和也

オーディションでニノを気に入ったイーストウッド

新たに加えた登場人物ということ

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臆病で、銃もろくに撃てないくせに、タラタラと文句ばかり言っている

それほど愛国心はなく、怖くて玉砕もできず

挙句の果てには脱走し降伏

そんな西郷も、ただの腰抜には描いていない

彼はただ故郷に残した妻子のもとに、生きて帰りたいだけ

そのためなら、どんな恥さらしなことだってするのです

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一方の伊藤海軍大尉(中村獅童)から伝わる

軍国主義においての(根拠のない)精神論

栗林中将から禁じられている「玉砕」を命じたり

(同じ日本軍でも、海軍と陸軍は意見があわず反発しあっていた)

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独断で林少将とともに摺鉢山奪還しようと、千人以上の部下を死なせてしまう

でもそれも過酷な戦場で、正確な判断や理性を失ってしまっただけ

彼らも本当は西郷と同じ、生きて帰りたかっただけなのです

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硫黄島からの手紙」というタイトルは

日本兵が家族に書いた手紙のことだと思っていたのですが

 

バロン西が、負傷した若いアメリカ兵を介抱し(結果的に死んでしまう)

その青年が持っていた母からの手紙のことなんですね

バロン西が自ら手紙を訳し、部下たちに読んで聞かせるのが最大のハイライト

アメリカ人も日本人と同じ、青年の母と自分の母も同じ

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こんな戦争したくない

おかあさんに会いたい

 

なんのために戦っているのだろう・・

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やがて戦局は(見捨てられ援軍の来ない)日本に不利になっていきます

「ここはまだ日本か?」

アメリカ人の友人から贈られた銃で自決する栗林中将(53歳没)

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生き延びた兵士たちが、その後どうなったのか

届けられなかった手紙には何が書かれていたのか

わからない

 

ここでもイーストウッドは私たちに

「戦争がもたらすもの」の判断を委ねているのです

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アメリ海兵隊指揮官ホーランド・スミスは栗林中将を

「頭の切れるやつ(one smart bastard)」と評価し

硫黄島の戦い」は「勝者なき戦い」とも呼ばれたそうです

 

 

【解説】allcinema より

硫黄島での戦いを日米双方の視点から描く2部作の「父親たちの星条旗」に続く第2弾。アメリカ留学の経験を持ち、親米派でありながらアメリカを最も苦しめた指揮官として知られる知将・栗林忠道中将が家族に宛てた手紙をまとめた『「玉砕総指揮官」の絵手紙』を基に、本土防衛最後の砦として、死を覚悟しながらも一日でも長く島を守るために戦い続けた男たちの悲壮な最期を見つめる。主演は「ラスト サムライ」の渡辺謙、共演に人気グループ“嵐”の二宮和也
 戦況が悪化の一途をたどる19446月、日本軍の最重要拠点である硫黄島に新たな指揮官、栗林忠道中将が降り立つ。アメリカ留学の経験を持つ栗林は、無意味な精神論が幅を利かせていた軍の体質を改め、合理的な体制を整えていく。上官の理不尽な体罰に苦しめられ絶望を感じていた西郷も、栗林の登場にかすかな希望を抱き始める。栗林の進歩的な言動に古参将校たちが反発を強める一方、ロサンゼルス・オリンピック馬術競技金メダリストの“バロン西”こと西竹一中佐のような理解者も増えていった。そんな中、圧倒的な戦力のアメリカ軍を迎え撃つため、栗林は島中を張り巡らせた地下要塞の構築を進めていく…。

父親たちの星条旗 (2006)

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原題は「FLAGS OF OUR FATHERS

戦争でヒーローは誕生しない、勝手に作り出されるだけ

イーストウッドらしく、無駄に感動的なシーンや、お涙頂戴もない

あくまで「中立・公平」に徹底していて、極めてシンプル

どう感じるかは、すべて映画を見た人間に委ねられています

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ウィスコンシン州で葬儀屋を営むジョン・“ドク”・ブラッドリーが

心臓発作で倒れ「あいつはどこだ」という、うわ言を言い続けていました

父の若い頃をよく知らない息子のジェームズ(原作者)

の昔の戦友たちを訪ね、話を聞くことにするのです

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1945硫黄島での星条旗掲揚の様子を写したローゼンタールの「硫黄島星条旗

写真も、記念碑も、有名ですね

その写真に写っていた6

(ジョン・“ドク”・ブラッドリー(実際にはハロルド・シュルツ)

マイク・ストランク、レイニー・ギャグノン、フランクリン・スースリー

ヘンリー・ハンセン(実際は ハーロン・ブロック)、アイラ・ヘイズ)のうち

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生き残ったドク、 レニー、ネイティブアメリカンのアイラ・ヘイズの3人は

戦争の資金を集めるための、戦債キャンペーンのため

国中をツアーさせられるハメになるのです

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そんな中、戦争PTSDや差別により

アルコール依存症になってしまうアイラ・ヘイズ

それだけ硫黄島での戦いは悲惨なものだったのです

軍力では遥かに上なのに、「見えない敵」に殺されていく仲間たち

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爆破される戦車や装甲車

闇討ち、味方からの誤射により死んでしまう者もいる

1カ月以上も続いた過酷な戦闘

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なのに勝手に英雄にデッチあげられ、茶番を演じている

現実は違ったと報告しても

軍人である以上、上官からの命令は絶対

酔って吐いているところを見られたアイラは前線に戻されたものの

キャンペーンは終戦まで続けられたのです

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そして年月が経ち、人々は彼らのことも

戦争で死んでしまった者たちのことも忘れてしまう

 

ドクとレニーは結婚し、それぞれ葬儀屋と用務員として働き

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アイラは故郷で小作農をしていたものの、問題ばかり

ヒッチハイクでハーロン・ブロックの父親に会いに行き

写真に写っていたのはハーロンだと告げます

(母ちゃんには唯一の救いになっただろうな)

そして結局酒に溺れて死んでしまった

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だけどそんな彼らの、最高に楽しかった思い出も

戦場の中にしかなかったのです

カードゲーム、煙草、海水浴・・

身体は故郷に戻っても、心は戦場に置きざり

死に間際ドクは息子に「よい父親でなかった」と謝まるのでした

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1930年生まれのイーストウッドだから、当時の事情も肌で感じていただろうし

ただの勝利国の美談ではなく、本当の戦争を映画にしたいという

思いが伝わってくる

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そして、一流には一流の制作が集まる(笑)

脚本は監督としても評価の高いポール・ハギス

カメラはイーストウッド組トム・スターン

共同制作はスティーヴン・スピルバーグロバート・ロレンツ

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戦後は、アメリカからの本土復帰により奄美大島1953)に続き

硫黄島を含む小笠原諸島が返還(1968昭和43年)

その後硫黄島には海上自衛隊硫黄島航空基地が設置され

かっての島民が帰島することは2度となかったそうです

 

 

【解説】allcinema より

ミスティック・リバー」「ミリオンダラー・ベイビー」の巨匠クリント・イーストウッド監督が、太平洋戦争で壮絶を極めた硫黄島での戦いを、アメリカ側、日本側それぞれの視点から描く2部作の第1弾。硫黄島の擂鉢山に星条旗を掲げる6名の兵士を写した有名な戦争写真の裏側に秘められた真実の物語を描く人間ドラマ。写真に登場する6名のうちの一人ジョン・ブラッドリーを父に持つジェイムズ・ブラッドリーの著わしたノンフィクション『硫黄島星条旗』を基に、凄惨な硫黄島での戦いと、戦場を生き延び帰還した3名の若者が、自らの思いとは無関係に“勝利の象徴”として英雄に祭り上げられ、戸惑いや苦悩を深めていくその後の人生を静かに見つめていく。なお、2部作の第2弾は日本側から描く「硫黄島からの手紙」。
 太平洋戦争末期、硫黄島に上陸したアメリカ軍は日本軍の予想以上の抵抗に苦しめられ、戦闘は長引き、いたずらに死傷者を増やす事態に陥っていた。そんな中、擂鉢山の頂上に星条旗が高らかに翻る。この瞬間を捉えた1枚の写真が銃後のアメリカ国民を熱狂させた。星条旗を掲げる6名の兵士、マイク、フランクリン、ハンク、レイニー、アイラ、ドクは一躍アメリカの英雄となるのだった。しかし、その後祖国に帰還したのはドク、アイラ、レイニーの3人だけだった。国民的英雄として熱狂的に迎えられた彼らは、戦費を調達するための戦時国債キャンペーンに駆り出され、アメリカ各地を回るのだったが…。

トゥモロー・ウォー(2021)

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原題もThe Tomorrow War」(明日の戦争)

パラマウント映画が新型コロナの影響で劇場公開を断念

amazonプライムに約2億ドルで売却され

20217月の為替ルートでは日本円にして約221億4100万円)

202172日より配信スタート

 

それをプライム会員(年会費4900円)なら無料で見れるなんて

コロナの影響で儲かっているところは

いかに儲かっているかという証拠だよな

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内容的にはかなり大味(笑)

よくある父娘の愛情と、父子のバディもの

クリーチャーのデザインもありきたり

 

過去のSFアクション映画をつぎはぎしただけのツッコミ系ですが

頭を空っぽにして楽しみたいときには向いている

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火山ヲタクがある意味人類の救世主になったのは伏線が効いていたし

JK・シモンズが、主人公のクリス・プラットより

鍛え過ぎていい身体しているという問題も楽しい(笑)

 

ここからネタバレ注意

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2022年のクリスマス・パーティ

元軍人で生物学の教師ダン・フォレスタークリス・プラット)は

愛娘とテレビでサッカーの試合見ていると

そこに2051年から兵士たちがやって来て

「ホワイトスパイク」と呼ばれるエイリアンとの戦争で人類は絶滅の危機

未来を救うため協力して欲しいと訴えます


そこで世界中から兵士が集められ(どう見てもアメリカ人しかいないがな)

7日間で帰還するという条件で

「ジャンプリンク」と呼ばれるワームホール未来に送られますが

生きて帰れる確立は30%未満

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ダンにも召集令状が届きますが

パラドックスを防ぐため、エイリアンとの戦争が始まる前に

事故や病気ですでに死亡している者が召集される)

ダンの妻は頑なに戦争に行かないでと頼みます


そこでダンは腕にはめられた転送装置を外すため

疎遠になっていた父親ジェームズ・フォレスター(JK・シモンズ)に

会いに行きますが結局喧嘩してしまい、未来に送られることに

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マイアミビーチの戦場に到着すると早速、司令官のフォレスター大佐から

近くの研究室から研究員を救う任務が言い渡されます

しかし研究員はすでに死亡、仲間の兵士も

チャーリー(ジョージア工科大学の学科長企業の開発部長)と

ドリアン(3度目の徴兵を迎えたベテラン兵士)を除いて全員殺されてしまいます

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ドミニカ共和国で目を覚ましたダンは

研究室から持ち帰った貴重な研究材料をフォレスター大佐に届け

フォレスター大佐が成長した愛娘ミューリだと知ります


そうしてダンとミューリは協力してメスの「ホワイトスパイク」を捕獲し

ホワイトスパイク」を殺す毒素を見つけることに成功

戦争を防ぐためには、毒素をまだホワイトスパイク」が襲来していない

過去に持ち帰って大量生産すること

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しかし捕獲したメスを求め、多くのオスのホワイトスパイク」が

基地に集合する中、ミューリはダンを送り返すため自ら犠牲になり

 

彼は毒素を持って2023年に戻りますが、ワームホールは破壊

ミューリを救うため再び未来に行くことが出来なくなってしまいます

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そして「ホワイトスパイク」が2048年に到着しなかったとすれば

すでに地球上にいたのではないかという妻の推測で

(オマエが気付けよ)

 

「ホワイトスパイク」の爪に残った痕跡から

チャーリーと、生徒で火山ヲタクのマーティンに相談し

彼らは少なくとも946年の「ミレニアム噴火」前から存在し

ロシアのコムソモレツ島の科学アカデミー氷河から

地球温暖化による雪解けにより出現したと結論付けるのです

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しかし国防省はロシア行きを許可してくれません

 

そこでダンは再び父ジェームズを訪ね、ジェームズの飛行機で

チャーリーとドリアン、何人かの生き残った兵士たちと

(いとも簡単に)ロシア入りをします

そして氷河の中から(いとも簡単に)墜落した宇宙船を発見するのです

(せめて衛星で熱探査するとか、あっただろ)

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そして「ホワイトスパイクはエイリアンではなく

エイリアンによって(異星の生物を根絶してクリアにするための)

武器用にバイオエンジニアリングされた生物の可能性が高いことがわかります


ダンは冬眠中何匹かのホワイトスパイク毒素注入し殺しますが

その騒動でほかの「ホワイトスパイク」が目覚めてしまい

(末期癌の)ドリアンは、病気でより自分の望む死に方をしたいと

(かっちょええ)

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ダンとジェームズとチャーリーを逃がし

C-4(軍用プラスチック爆弾←ミリタリーファン以外はいらない情報 笑)で

「ホワイトスパイク」もろとも宇宙船を爆破


しかし1匹のメスが逃げてしまい

ダンとジェームズはメスを追い、最後はまさかの素手で戦うという胸アツ(笑)

そしてメスの口に毒素をねじ込み(毒残っていたならもっと先に使えよ)

未来の戦争を未然に防ぐことに成功するのです

 

その時には父ジェームズとの確執も消えていました

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ダンは今まで以上に妻と娘を大切にすることを胸に誓い

ジェームズを家に招待します

そしてミューリは初めて見るおじいちゃんを抱きしめるのでした

(父ジェームズの職業は、結局わからないまま 笑)

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それでも新作で、これだけの大作をお茶の間でタダで見れるとは

これが本当の消費者(利用者)還元っていうもの(笑)

アマプラさん、ありがとう



【解説】ウィキペディアより

『トゥモロー・ウォー』(原題:The Tomorrow War)は、2021年配信のアメリカ合衆国のミリタリーSFアクション映画。クリス・マッケイ監督の、実写アクション監督デビュー作。デヴィッド・エリソン、ダナ・ゴールドバーグ、ドン・グレンジャー、デヴィッド・S・ゴイヤー、ジュールズ・デイリーとアダム・コルブレナー製作。ザック・ディーンとビル・ドゥビュークによる脚本。 本作にはクリス・プラットイヴォンヌ・ストラホフスキー、ベティ・ギルピン、エドウィン・ホッジ、キース・パワーズ、マイク・ミッチェル、サム・リチャードソン、JK・シモンズが出演する。なお、クリス・プラットは製作総指揮も務める。

本作は、パラマウント映画によって20201225日に劇場公開される予定だったが、COVID-19の大流行により断念され、公開権はAmazonビデオに売却されて202172日に全世界でデジタル配信された。



 

英雄は嘘がお好き (2018)

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原題は「LE RETOUR DU HEROS」(英雄の帰還)

メラニー・ロラン初のコメディ映画

フランス映画らしく、お下品加減もほどよく(笑)

90分で上手くまとめ上げています

 

才気走ったオールドミスと、口だけ達者な腰抜け男

犬猿の仲の男女が、惚れ合ってしまうというオチは見当つくものの

その先にもオチが待っているのがシニカル(冷笑的)

結局こういう女は、こういう男の尻拭いを一生し続けるんだろうな

 

だけど私たちの感覚と違い、ブルジョワジーのお話なので(笑)

お金のトラブルは、どうにでも解決できたのでしょう(たぶん)

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1809年、ブルゴーニュ地方にある小さな町

ヌヴィル大尉は、貴族の娘ポーリンにプロポーズしますが

突然、戦場に行くよう命令を受け

ポーリンに毎日手紙を書くことを約束します

 

しかし、何日、数週間、数ヶ月経ってもポーリンに手紙は届きません

姉のエリザベットは、ショックで病に伏せたポーリンのため

ヌヴィル大尉を装い嘘の手紙を書きます

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祖国のために戦う勇敢な男、婚約者を思うロマンチスト

ポーリンは再びトキメキを取り戻し、両親は歓びで満たされ

ヌヴィル大尉の武勇伝はたちまち町中に広がってしまいます


妹のためとはいえ、さすがにヤバいと思ったエリザベット(笑)

最後に、ヌヴィル大尉が名誉の死を遂げる手紙を書き

悲しみに暮れるポーリンを説得し、気弱な青年ニコラと結婚させるのです

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これでもう、インチキ男の顔を見ることもないわ、うふふふふ

だけどそれから3年後、そのインチキ男が浮浪者同然で町にいた

今度こそ追い払おうと、男にお金を渡したのが間違い

小奇麗に変身したヌヴィルは生還した英雄として

ポーリンに会いにやって来るのです


なんとか辻褄を合わせるため、嘘の手紙の内容をヌヴィル教えるエリザベット

だけどヌヴィルはエリザベットより一枚も二枚も役者が上だった

嘘の手紙の内容を、さらに盛り上げ感動的にして皆に聞かせるヌヴィル

しかもダイヤモンド鉱山を当てたという出まかせが投資詐欺にまで発展

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今さらエリザベットが、これは自分が作った嘘の話だと言っても誰も信じない

それどころか頭がイカれたと思われてしまいます


しかもヌヴィルには何のモラルもない

再びヌヴィルに熱を上げ、その気になったポーリンを頂こうとわけですが

ポーリンの本性は、殴って、打って、激しくしのドMのド変態だった

萎えてしまったうえ、旦那のニコラから決闘を申し込まれてしまう

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軟弱に見えても、ニコラの射撃の腕は一流

これでヌヴィルもあの世行きだわ、うふふふふ


腰抜けヌヴィルに決闘する気などさらさらない、でもニコラは本気

そこにタイミングよくポーリンがニコラを止めに入ると

ヌヴィルはニコラにこっそり、女を悦ばせる秘訣は何かを耳打ちします

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ニコラはヌヴィルに言われた通り、ポーリンを罵倒し平手打ち

たちまちポーリンの目は旦那様にハート模様(笑)

これからは新境地のプレイでも開発して、何人でも子ども作ってくれ


そこでエリザベットはブルゴーニュ入りした将軍を招待します

将軍の前では、さすがのヌヴィルの嘘もバレるだろうと予測したのです

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そこでヌヴィルが、エスリンの戦い

ナポレオンが敗北した数少ない戦闘のひとつ)語るシーンは感動的

オーストリアの攻撃は激しく、劣勢で激しい銃弾の中フランス騎兵は撤退

正直に自分は逃げた、と伝えるのです

 

将軍ヌヴィルに祝福を示したその時、コサック(ロシアの軍事共同体)襲撃

そこでヌヴィルは、本来のダメダメ男を取り戻し(笑)

エリザベットに逃げろとか、住民を非難させろと言うだけ

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やっぱ信用出来ないわ、と思った直後

ただひとりライフルでコサックに立ち向かったヌヴィル

その瞬間、大砲のが鳴り響びます


それはエリザベットの教えでが屋敷の傍に

あらかじめ用意していて発砲したものですが

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あたかもヌヴィルコサックを追い払ったようになってしまうのです

嘘の英雄が、本物の英雄になってしまっ

しかも、突然エリザベットに結婚を申し込む(笑)

 

「はあ?」なエリザベットに反して、両親や周囲の人々は歓喜

でもこれは結婚というより、(マルチ商法の)ビジネス・パートナー

 

たぶんこの映画、ラブコメ風だけど

主題は「本人の意思が尊重されるべき」なんだろうな

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(女性が適齢期を超えても)結婚しなくていい自由

(男性が)戦争や死ぬことを否定していい自由

 

名誉だとか誇りだとか

人間がこうでならなくてはいけない「枠」は、誰が決めたのか

それは家族の愛や命より、大切なものなのか

 

そうして再び、偽の英雄ヌヴィルは戦場に駆り出されてしまう

今のところ、新妻の束縛から逃れ

再びうまいことやろうと意気揚々みたいだけど

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エリザベットを甘く見ちゃいけないよ

こういう男に興味なさそうな女ほど

火が付けば地獄まで男を追いかけていくんだから(笑)


最後にこれは使える、今日の名言コーナー

マルチ商法の取り分50:50に「女じゃないか」と反論した男に対し)

「だから?今は中世じゃないんだけど?」

 

もしカレや旦那に、それは女の仕事みたいなこと言われたら

「今は中世じゃないんだけど?」

まあ、日本だったら中世どころか

「昭和」でも使える気がしますが(笑)

 

 

【解説】allcinema より

「アーティスト」のジャン・デュジャルダンと「イングロリアス・バスターズ」のメラニー・ロランの共演で贈る痛快コメディ。19世紀初頭のフランスを舞台に、戦争に行ったまま戻らない婚約者を待ち続ける妹を不憫に思ったヒロインが、婚約者になりすまして代筆した嘘の手紙が原因で、やがて町を挙げての大騒動となるさまをコミカルに描く。監督は「プチ・ニコラ」「おとなの恋の測り方」のローラン・ティラール。
 1809年、フランスのブルゴーニュ。裕福なボーグラン家では次女のポリーヌの縁談がまとまりお祝いムード。ところが婚約者のヌヴィル大尉は戦争に駆り出されてしまい、彼の帰りを待ち続けるポリーヌは約束した手紙が一向に届かないことですっかり憔悴してしまう。そんなポリーヌを心配した姉のエリザベットは一計を案じ、大尉のフリをして自分で書いた手紙を妹に送り続けることに。おかげでポリーヌは元気になるが、調子に乗ったエリザベットは大尉の武勇伝をでっち上げ、最後は大活躍の末に戦死したことにしてしまう。すると町の人々はヌヴィルの銅像を建てて地元の英雄の死を悼むのだった。ところが3年後、エリザベットは貧相な姿で町に戻ってきたヌヴィルを偶然見かけ、このままでは自分の嘘がバレると大慌てになるのだったが…。

ハリーの災難(1955)

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原題は「THE TROUBLE WITH HARRY」(ハリーとのトラブル)

 

ヒッチコックのコメディ風サスペンス

ヒッチさんが「疑惑の影」(1943)と並お気に入りに挙げているそうですが

アメリカでは人の死を笑いのネタにするという(英国風?な)

ブラックユーモアが受け入れられず興行は最悪

一方、ヨーロッパでは大ヒット

どうにか採算が取れたそうです(笑)

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シャーリー・マクレーンの映画デビュー作としても有名で

「ワタシが育てた」と、後年ヒッチさんは大いに自慢したそう(笑)

ヒッチさん登場は、始まって22富豪の車の向こうを散歩

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バーモンド州の小さな田舎町

アーニー少年が森の中で男の死体を見つけ母親を呼びに行きます

時を同じくして森で狩りをしていた船長(エドモンド・グウェン)は

男が自分の撃った弾で死んだと思い、死体を隠そうとしていると

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そこにミス・グレイヴリー(ミルドレッド・ナトウィック)がやって来て

船長は死体を見なかったことにしてくれと頼み

快く引き受けたミス・グレイヴリーは船長を午後のお茶に誘います

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再び遺体を隠そうとすると、今度は少年アーニーと

母親のジェニファー(シャーリー・マクレーン)がやって来た

ジェニファーは「ハリーだわ」と言い

そのまま「何もなかったこと」にして、息子を連れて帰ってしまいます

死体はジェニファーの夫だったのです

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医者は男につまずいて転ぶものの

読書に夢中で死体に気付かない

浮浪者も無関心で死体の靴を盗み

そのまま履いて去ってしまう

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船長は思わずウトウト、寝てしまいます

気が付くとウィッグス夫人の雑貨屋で売れない絵を飾ってもらっている

画家のサムが死人の顔をスケッチしていました

船長はサムに死体を一緒に埋めようと提案します

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森の紅葉のカラーが最高に美しく

映像だけならダグラス・サーク(笑)

 

すべてのエピソードが伏線になっていて

田舎の小さな町なのに、住人同士がお互いの素性や

ファーストネームを知らないという不自然さにも
決して触れることはありません(笑)

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4人の老若男女、誰もが証拠隠滅に加担した容疑者になってしまい

何度もハリーを埋めては掘り起こす(笑)

そしてお互いのことを知っていくうち、好きになってしまう

サムはジェニファーにプロポーズし、ジェニファーもそれを受けますが

ハリーが死んだことにならないと結婚できない

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泥だらけのハリーを洗い、元に戻そうと決断した4

その時また医師が通りかかって、今度はハリーを見つけてしまう

 

4人は医師にハリーの検死を頼み、死体をジェニファーの家に運びます

そこに雑貨屋の息子で警察官のカルヴィン(ロイヤル・ダノ)がやって来て

サムが雑貨屋に忘れたスケッチブックに描かれている男の顔と

死体から靴を盗んだ浮浪者の評言が一致しているという

そこでサムと船長は、ハリーの似顔絵も靴もなかったことに(笑)

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医師の診断によりハリーの死因は心臓発作

ジェニファー やミス・グレイヴリーに殴られたせいでなかったのです

 

お風呂に入れられ、スーツとシャツにはアイロン

靴を履いたハリーは、翌日同じ場所に倒れていました

そして再び死体を見つけた少年は走るのでした

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明日の昨日は今日、今日は昨日の明日

昨日の明日は今日


トムの絵も売れたことだし

ハリーが死んでくれたおかげでみんなハッピー

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そして今日の名言(新しいコーナーか 笑)

シャリー・マクレーンがキスするときの

「そっとね のぼせやすいの」

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これは使える(使う機会はもうないがな 笑 笑 )

 

 

【解説】KINENOTEより

泥棒成金」に次いでアルフレッド・ヒッチコックが製作・監督した、死体をめぐるスリラー喜劇。原作はアメリカの新進作家で異色題材を扱うことで知られているジャック・トレヴァー・ストーリー。脚色は、「泥棒成金」のジョン・マイケル・ヘイス、撮影は「裏窓」のロバート・バークスと、いずれもヒッチコック作品ではお馴染みのスタッフの他、音楽はバーナード・ハーマンが担当している。なお、歌曲“旗をふって列車をタスカルーサへ”はマック・デイヴィッド作詞、レイモンド・スコット作曲。主な出演者は、ブロードウェイの舞台でダンサーとしての才能をうたわれたシャーリー・マクレーンの抜擢をはじめ、「北京超特急」のエドモンド・グウェン、「ブラボー砦の脱出」のジョン・フォーサイス、「ダニー・ケイの黒いキツネ」のミルドレッド・ナットウィック、「セールスマンの死」のミルドレッド・ダンノックなど。

もみじの美しいヴァーモント州の森の中で不思議な事件がおこった。4つになった男の子アーニー・ロジャース(ジェリー・マシューズ)が森に遊びに行って、男の死体を見つけた。村の人々のなかにこの男を殺す動機を持っていると疑われるものがいた。死体はハリーという男だった。映画の主役はこのハリーの死体なのである。死体が発見された時、もと船長であったアルバート・ワイルスという中年の男(エドモンド・グエン)は、兎を射っていて、あやまって殺人を犯したものと信じてしまった。ミス・グレヴリーという中年女(ミルドレッド・ナットウィック)は森の中でハリーに襲われ、ハイ・ヒールのかかとで頭をなぐりつけたので、それが死因であると思い込んでしまった。ジェニファー・ロジャー(シャーリー・マクレーン)という若く美しい後家も、疑われるだけの理由を持っていた。ジェニファーは死体を見つけたアーニー少年の母親で、ハリーはジェニファーの2度目の良人だった。アーニーの父親である最初の良人ロバートが死んだ時、ロッバートの兄のハリーが無理にジェニファーと結婚、ジェニファーはハリーに愛情がないことを知って、ヴァージニアの田舎に身を隠したのだが死体を発見した朝、ハリーが突然訪れてきて家に入り込もうとしたので、牛乳のビンでなぐりつけた。ハリーは眼がくらんで、ふらふらと森の中に姿をかくし、その後死体となって発見された。もう1人疑われる理由を持っていたのはサム・マロー(ジョン・フォーサイス)という青年画家だった。サムはジェニファーを愛していて、ジェニファーもサムに想いをよせていたので、名目だけの良人であるとはいえ、ハリーの存在が邪魔であるのは当然のことだった。こうして、4人のものがそれぞれの立場を考えて、夕方から朝にかけてハリーの死体を埋めたり掘り返したりした。ワイルス船長ははじめに兎とまちがえて射殺したと思ったが、しとめた兎をアーニーが拾っていたことがわかって、自分に罪がないことを知ったし、ミス・グレイヴリーは死体を埋めることをたのんでからワイルス船長と親しくなり、かねてからひそかに想い合っていたことがわかると、晴れて夫婦になりたいと思い、それには埋めた死体を掘り出して正統防衛を主張した方がいいと考えた。サムはワイルス船長に話を持ちかけられて、死体を埋める手伝いをしたが、ジェニファーと結婚するとなると、ハリーが死んだことを明らかにしなければならないので、埋めた死体を掘り出さなければ都合が悪かった。そのうちに、ハリーの死体の靴を盗んだ浮浪者がつかまって、シェリフの手伝いをしているカルヴィン(ロイヤル・ダノ)が活躍をはじめた。ハリーの死体に共通の関心を抱いた4人は相談のあげく死体を森の中のもとの所へ置いて、改めてアーニーに見つけさせようと企てた。この企てはどんな結果になるか。