勝手にしやがれ(1959)

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ゴダール28歳、ベルモンド26歳、ジーン・セバーグ20歳

若い才能が生みだした傑作

映画史上最高の邦題

原題は「A BOUT DE SOUFFLE」(息切れ)

 

ゴダールロベルト・ロッセリーニのふたりを

映画を破壊した映画監督の代表だと淀川長治は批判したそうですが(笑)

淀川長治の映画愛がヌーヴェルヴァーグやネオレアリズモに

納得できなかったのは、なんとなく理解できます

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ゴダールの悪党の戯言、音楽がセリフになった「三文オペラ

主人公ミシェルは元エール・フランスの乗客係

今は泥棒で、高級自動車を盗んで逃走中、追ってきた警官を射殺してしまいます

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イタリアに逃亡するための資金作りのためパリに戻ったミシェルは

知り合いの女から金を借り

三週間前ニースで知り合い数日過ごした

小説家志望のアメリカ娘パトリシアと偶然再会

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パトリシアのアパートに勝手に転がり込み

ひたすらパトリシアを求愛し続ける

そこから男と女の、フランス人とアメリカ人の

決して噛み合わない恋愛論が延々と約25分(笑)

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この会話劇が素敵でシャレてると思うか、ウザくてクドイと感じるか

そこがこの映画を好きか嫌いになるかの分かれ道(笑)

 

パトリシアが妊娠したかも知れないと告げると

ミシェルは妊娠するのは女が「まぬけ」だからだと、つれない返事

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こんな最低のクズ男にパトリシアは誘われるまま付き合い

仕事で自立してひとりで生きたいという夢と

クズ男に惹かれていく気持ちがぶつかり合う

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ヒロインが空港でインタビューする文化人はジャン=ピエール・メルヴィル

主人公を追う刑事は脚本家のダニエル・ブーランジェ

主人公を通報する通行人をゴダール自身が演じているのは

作品を「作家のための映画」にしたかったのでしょうか

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パトリシアはミシェルのことを刑事に「知らない」といいながら

カフェで警察に通報し、ミシェルにもそのことを教えます

 

カメラがぐるりと回転するカットは

ゴダールが崇拝する溝口健二の「雨月物語」(1953)の影響

(かも知れない 笑)

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ミシェルは仲間が投げてよこした拳銃を思わず拾ってしまい

そのせいで警官に撃たれてしまう

 

ラストの名台詞「最低って何のこと?」

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散々女を馬鹿にして否定していたくせに

結局、すべては女にコントロールされていたということか

 

ゴダール

 

 

【解説】allcinema より

フランス、ヌーヴェル・ヴァーグの決定打と言わしめたジャン=リュック・ゴダール監督の最高傑作。警官を殺してパリに逃げて来た自転車泥棒のミシェルは、アメリカ人の恋人パトリシアとお互い自由で束縛のない関係を楽しんでいた。そんなある日、彼の元に警察の手が及んでくる。パトリシアはミシェルの愛を確かめる為、彼の居場所を警察に密告、そして彼にも同様に警察が追ってきた事を伝えるが……。まさに商業ヌーヴェルヴァーグをひっ繰り返し、これまでの映画文法や常識といったものまでもことごとくブチ壊した、映画史の分岐点とも言える記念碑的作品。映画公開時には、驚きと困惑を持って日本でもセンセーショナルを呼び、それはアメリカのニュー・シネマにまで様々な影響を及ぼした。本作品でゴダール監督はヌーヴェル・ヴァーグの旗手として、不動の地位を築くに至る。またこの作品でのジャン=ポール・ベルモンドの演技は、ヌーヴェル・ヴァーグ作品の持つ頽廃的な雰囲気と非常にマッチし、それは同じくゴダールの傑作「気狂いピエロ」へと引き継がれる事となる。