ジョイ・ラック・クラブ(1993)

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下記のallcinemaさんの解説には批判が殺到したようです(笑)

確かに100%女性目線で、女の愚痴のオンパレードなので

男性が見たらキツいものがあるのかも知れませんが(笑)

なかなかの佳作ですし、アメリカでヒットしたのも理解できます

 

タイトルは”JOY”と”LUCK”を願う中国系アメリカ移民である

四人の女性の麻雀グループのこと

 

ジョイ・ラック・クラブのひとり、ジューンの母親が亡くなり

残った三人の”おばさん”は、ジューンには中国に双子の姉がいて

その双子が見つかったと告白します

驚きながらも、素直に姉の存在を喜ぶジューン

 

しかしそのことは、母親たちが故郷を捨てる決断を迫られた

過酷な半生を振り返ることになります

 

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徹底した男尊女卑の不幸な結婚

日中戦争の混乱を生き延びてアメリカに渡り

安定した生活ができるようになるまでは

相当な苦労をしたでしょう

 

母親たちは娘には自分のような辛い思いをさせたくない

もっと幸せに”になって欲しいと願ったに違いありません

しかしアメリカ育ちの娘にはそのことが負担です

 

いくら母親に気に入ってもらうように頑張っても

褒めてくれるどころか、けなされてばかり

やがて、ただ自慢できる娘にしたいだけ

コントロールされているだけと感じ、反撥するようになる

 

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娘が意地になれば、母親はもっと意地になる

思い通りにならない娘を完全無視するという徹底ぶり

全くもって毒母なわけですが(笑)

 

娘が母親から呪いをかけられるという

女にしか分からない母娘関係が

実に見事に描かれているのです

 

だけど娘に強く当たるのは、娘への深い愛情があるからこそ

カニ料理を囲んだパーティーで、ジューンの仕種を見た母親は言います
「あなたは形の崩れた小さなカニを選んだ

 みんなは最高のものを選ぶ

 でもあんたは違う、あんたは心が最高だから」

 

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大人になった今は、母親の気持ちがわかる

苦難や差別に負けない女性の威厳を知る

姉たちに母親のことすべて伝えなければならない

ジェーンは中国に行く決意をします

 

実際女が集まれば、気付かぬうちに子どもの自慢と

旦那や姑の悪口ばかり(笑)

 

それでもこの映画の、見終えたあとに爽やかなものが残るのは

(白鳥の羽に託された)母親の思いに娘が気づいてあげれたことでしょう

そしてやさしく迎え入れてくれた姉たち

 

自分の母親が鬱陶しいとか、嫌いだと感じたときに見てほしい

ただヒロインの演技が下手なのは、覚悟してください(笑)

 

 


 

 

【解説】allcinemaより

全米でも予想外のヒットを記録した、エイミ・タンのベストセラー小説の映画化。脚本は彼女と「レインマン」のロナルド・バスが共作。監督にカルト的快作「スラムダンス」のウェイン・ワン。題名のジョイラック倶楽部とは、語り手ジェーンの母が、仲のよい三人の女友達と、それぞれの喜びも幸運も分かち合おうと始めた麻雀会のこと。アメリカに移住して30年。それぞれに筆舌に尽くしがたい苦労はあるが、映画は上品なソープ・オペラといった体で、それらの挿話をまとめている。そして、故国に残してきた双子の姉の存在が、母の死に際し語られる。居ても立っても居られぬジェーンは、まだ見ぬ姉たちを訪ねる。これを小説で読むのは、どんなうまく書けててもお断りだな。映画だから見ちゃうし泣けもするのだが、思い起こすと、その感動はあまりに底が浅い。映画が映画に自家中毒を起こしているのだ。