下記のallcinemaさんの解説には批判が殺到したようです(笑)
確かに100%女性目線で、女の愚痴のオンパレードなので
男性が見たらキツいものがあるのかも知れませんが(笑)
なかなかの佳作ですし、アメリカでヒットしたのも理解できます
タイトルは”JOY”と”LUCK”を願う中国系アメリカ移民である
四人の女性の麻雀グループのこと
ジョイ・ラック・クラブのひとり、ジューンの母親が亡くなり
残った三人の”おばさん”は、ジューンには中国に双子の姉がいて
その双子が見つかったと告白します
驚きながらも、素直に姉の存在を喜ぶジューン
しかしそのことは、母親たちが故郷を捨てる決断を迫られた
過酷な半生を振り返ることになります
徹底した男尊女卑の不幸な結婚
安定した生活ができるようになるまでは
相当な苦労をしたでしょう
母親たちは娘には自分のような辛い思いをさせたくない
”もっと幸せに”になって欲しいと願ったに違いありません
しかしアメリカ育ちの娘にはそのことが負担です
いくら母親に気に入ってもらうように頑張っても
褒めてくれるどころか、けなされてばかり
やがて、ただ自慢できる娘にしたいだけ
コントロールされているだけと感じ、反撥するようになる
娘が意地になれば、母親はもっと意地になる
思い通りにならない娘を完全無視するという徹底ぶり
全くもって毒母なわけですが(笑)
娘が母親から呪いをかけられるという
女にしか分からない母娘関係が
実に見事に描かれているのです
だけど娘に強く当たるのは、娘への深い愛情があるからこそ
カニ料理を囲んだパーティーで、ジューンの仕種を見た母親は言います
「あなたは形の崩れた小さなカニを選んだ
みんなは最高のものを選ぶ
でもあんたは違う、あんたは心が最高だから」
大人になった今は、母親の気持ちがわかる
苦難や差別に負けない女性の威厳を知る
姉たちに母親のことすべて伝えなければならない
ジェーンは中国に行く決意をします
実際女が集まれば、気付かぬうちに子どもの自慢と
旦那や姑の悪口ばかり(笑)
それでもこの映画の、見終えたあとに爽やかなものが残るのは
(白鳥の羽に託された)母親の思いに娘が気づいてあげれたことでしょう
そしてやさしく迎え入れてくれた姉たち
自分の母親が鬱陶しいとか、嫌いだと感じたときに見てほしい
ただヒロインの演技が下手なのは、覚悟してください(笑)
【解説】allcinemaより
全米でも予想外のヒットを記録した、エイミ・タンのベストセラー小説の映画化。脚本は彼女と「レインマン」のロナルド・バスが共作。監督にカルト的快作「スラムダンス」のウェイン・ワン。題名のジョイラック倶楽部とは、語り手ジェーンの母が、仲のよい三人の女友達と、それぞれの喜びも幸運も分かち合おうと始めた麻雀会のこと。アメリカに移住して30年。それぞれに筆舌に尽くしがたい苦労はあるが、映画は上品なソープ・オペラといった体で、それらの挿話をまとめている。そして、故国に残してきた双子の姉の存在が、母の死に際し語られる。居ても立っても居られぬジェーンは、まだ見ぬ姉たちを訪ねる。これを小説で読むのは、どんなうまく書けててもお断りだな。映画だから見ちゃうし泣けもするのだが、思い起こすと、その感動はあまりに底が浅い。映画が映画に自家中毒を起こしているのだ。