大統領の執事の涙(2013)



マライアがスッピんメイクで主人公の母親役で登場
女性の化粧の威力って・・・(笑)

トールマン

アイゼンハワーロビン・ウィリアムズ

JFK(J・マースデン)

ジョンソン(リーヴ・シュレイバー

ニクソンジョン・キューザック

フォード

カーター

そしてレーガンアラン・リックマン

8人の大統領に仕え、34年もの間ホワイト・ハウスに勤めた黒人執事

ユージン・アレン(1919-2010)がモデル



映画はバラク・オバマ大統領が当選した際

ワシントン・ポスト」紙に掲載された記事が基になっているそうです






奴隷時代から黒人大統領当選までを知る、執事の目から見たアメリカ史

80年を2時間強に収めようというのだから、相当に早足でしたが

静かに胸を打たれる印象的なシーンはいくつかありました


特に、アウシュビッツはあんなにしっかり残してるのに

(建物など)黒人奴隷の歴史を全く残さないのはなんなんだ

というセリフは説得力があり衝撃を受けました


本国では予想外に大ヒットし、興行でも成功したそうですが

アカデミー賞に一切絡まなかったのは

こういったセリフが原因かもしれません





アメリカ南部、綿花畑で奴隷として生まれた
白人の雇い主に父を殺されますが
女主人によって「ハウスニガー」の教育をうけます

成長した彼は農園を逃げ出すものの、仕事も食べるものもありません
あまりの飢えのために盗みに入りますが
黒人男性に助けられそこの店で働くようになります


この黒人男性からの教えは、働く場面でとても参考になります
4月から新社会人になるみなさんは覚えておくといいかも知れません

「客の目を見て望みを知ろ」

「相手の心を読め」

「ボスが思わず微笑むように」

「白人用の顔と自分の顔を持て」



セシルもその言葉を肝に銘じてきました

何度か「TwoFaces」とつぶやいていますね()

やがて仕事が認められ、ワシントンの高級ホテルでの仕事を得て
ついにはホワイトハウスで大統領執事を務めることになります


セシルは真面目で、たぶん人柄もいいのでしょう
大統領だけでなく、その家族にも愛されるようになるのです





しかし家庭では妻が酒に溺れるようになり
長男ルイスは公民権運動に奮闘し
下品な女友達(最初はいい娘だったのに)と付き合い
過激な運動で何度も逮捕され、父親に反抗します


仕事を誇りに思う父親と、白人に遣えることを拒否する息子
職業とは、国に尽くすとは、社会奉仕とは?
真面目に働くことは正義ではないというのか
自分とは世界が違う息子を見限るルイス





キング牧師暗殺、マルコムX南アフリカ問題・・・
アメリカの歴史が揺れ動く中、次男のチャーリーは戦死
ルイスは民主党員となり政治への道を歩み始めます


どんなに反発しても、やはり子は親の姿を見て育っているのですね
いつかルイスは人々に支持される政治家になっていました


そしてレーガン大統領のとき惜しまれながらセシルは引退します

妻がそっと寄り添い「あなたを誇りに思う」と告げるシーンは

最も感動的です






ルイスとの和解

二度と戻るまいと思っていた、奴隷として働いた頃の綿花畑
大統領就任式演説の有名な一言「Yeswe can

それは長い長い間の闘いが報われた瞬間


ただし、この息子のほうは架空の人物だということ
アメリカ黒人にもタイプ別があり
白人に仕えても生活を守ろうとするタイプと
人権のため戦おうとするタイプがいることを
わかりやすくするためだそうです


ここに来てまた黒人と白人の反目があらわになり

さらにメキシコ系やアラブ系なども絡んで

より複雑な様相を見せているアメリ


人種差別は決してなくならないかも知れませんが

このような映画は作り続けられるべきなのでしょう

アウシュビッツが残されているのと同じように



【解説】allcinemaより

「プレシャス」のリー・ダニエルズ監督が、「ラストキング・オブ・スコットランド」でオスカーを受賞したフォレスト・ウィテカーを主演に迎えて贈る感動の伝記ドラマ。ホワイトハウスで歴代大統領7人に仕えた黒人執事セシル・ゲインズを主人公に、公民権運動やベトナム戦争など激動するアメリカの歴史を、図らずも政治の中枢から目撃することになった彼とその家族の知られざる波瀾万丈の人生を綴る。共演はアメリカを代表する人気司会者で久々の映画出演となるオプラ・ウィンフリー。また、ジョン・キューザックロビン・ウィリアムズアラン・リックマンらが歴代大統領役で出演。
 奴隷解放後も差別が日常的に行われていた時代。幼くして南部の農園で働くセシル・ゲインズは、白人に父親を殺された後、ハウス・ニガー(家働きの下男)として登用され、白人に仕える作法を叩き込まれる。やがて町に出たセシルは、幸運な出会いと努力の結果、高級ホテルのボーイとなる。そして、そこでの仕事ぶりが認められ、ついにホワイトハウスの執事に大抜擢される。彼は執事として“見ざる聞かざる”を貫き、空気のように存在を消して的確に仕事をこなし、歴代大統領たちの信頼を獲得していった。一方、家庭では白人に従順に仕える彼に反発するように、長男が公民権を求めて過激な反政府運動に身を投じていくが…。