男と女(1966)




素敵な映画。

車に、ファッションに、食事に、風景に
甘美なメロディ
なにもかもお洒落。

思わずキスしたくなる
抱き合いたくなる
好きな人と一緒にいたい
そんなワンカット、ワンカット。

さすが恋愛映画の最高峰のひとつと
言われているだけのことはあります。

子どもが同じ寄宿学校に通っていることで知り合った
ジャン・ルイとアンヌ。
ジャンは初めて逢ったその日からアンヌのことが気になります。

ふたりはお互いのパートナーを亡くした過去がありました。
だんだんと惹かれあうジャン・ルイとアンヌでしたが
そのことがふたりを臆病にさせ、なかなか関係が進展しません。

アンヌの夫はスタントマンで事故死でした。
ジャン・ルイの職業もいつ事故死するかもわからないレーサー。
どうしても夫とジャン・ルイの姿が重なってしまうのです。

だけど事故続出のレースでジャン・ルイが無事に完走したとき
嬉しさのあまり「愛している」と電報を打ってしまうアンヌ。

電報を読んだジャン・ルイ
不眠でラリー車のまま、アンヌに逢い行きます。
安いホテルで裸になるふたり。
だけどアンヌを抱いていたのは死んだ夫の幻影だったのです。
ふたりは黙って服を着る・・・

綺麗なラブ・シーンでした。
アヌーク・エーメの表情だけで魅せる
映画史上のなかで最も美しいベッドシーンだと思います。

過去、現在、室内、外
モノクロとカラーが交錯する映像。
物語の断片と断片とがつながりあいます。

髪をかき上げるアヌーク
固いしぐさのトランティニャン
ピエール・バルーの歌う歌・・
ストリーそのものよりも
ただただ雰囲気にどっぷりと浸る映画。

こんな素敵なキスは見たことがない。
アヌークの美しさに乾杯。
お気に入りにしてしまいます。

もしかしたら女性より、男性のほうが感銘してしまう
そんな珍しい(男性目線的な)恋愛映画かも知れません。



【解説】allcinemaより
妻に自殺されたレーサーと、スタントマンの夫を目の前で失った女。寄宿学校にいる互いの子供を通じて知り合った男と女は、次第に惹かれ合い恋に落ちていく……。カンヌ映画祭グランプリに輝き、C・ルルーシュの名を一躍世界に知らしめた傑作。モノクロームとセピアトーンの映像、流れるようなカメラワーク、F・レイの甘美なメロディ、渾然一体となった映像と音楽によって“過去を捨てきれぬ”二人の恋が甘く切なく描かれる。寡黙なキャラクターを演じさせたら並ぶ者のないトランティニャンと、薄幸な美くしさがよく似合うエーメ、二人の有り余る魅力も忘れ難い。