パリからの贈りもの~フレンチヒッツ

アラン・ドロン・クラブ・トーキョー」のマドンナ

ナタリーちゃんからサプライズなプレゼント

その名も「パリからの贈りもの~フレンチヒッツ」

(原題:Souvenirs De Paris(パリのお土産) 50 Grands Succes Francais

 

エディット・ピアフ、ジョルジュ・ブラッサン、イヴ・モンタンなどなど

50曲ものシャンソンヒット曲が収録

そのトップを飾る1曲目がなんとなんと

ブリジット・バルドーの歌う「私生活」主題歌「シドニー

ナタリーちゃんがドロンさまのDVDを買いにいった銀座の山野楽器で見つけて

ベベちゃんに贈ってくれたのです

これは永久保存版

この夏のドライブ音楽はこれで決まり!

多摩川セーヌ川に見えてきたぞ(笑)

ナタリーちゃん、本当にありがとう

収録曲Disc: 1

シドニー(私生活) - ブリジット・バルドー

いつかの二人 – エディット・ピアフ

メニルモンタン - シャルル・トレネ

ヨハネの恋人 – ルシエンヌ・デライル

フェリシーフェルナンデル

すべてがうまくいっている マダム・ラ・マーキス - レイ・ベンチュラ

聞かせてよ愛の言葉を – リュシエンヌ・ボワイエ

フルー=フロウ - ベルテ・シルヴァ

ャンゲットは鎧戸を閉めた – ダミア

恋のナイチンゲール – ルイスマリアーノ

繁栄(ユープ・ラ・ウム) - モーリス・シュヴァリエ

!!- ティノロッシ

ブルージャワ – フレヘル

ソンブレロスとマンティレス - リナ・ケティ

小さなケシのように – ムラウジ

二つの愛 – ジョセフィンイカ

ピガール – ジョルジュウルマー

Je Me Suis Fait Tout Petit – ジョルジュ・ブラッサン

非難 (インストゥルメンタル) - マルセル・アッツォーラ

青い花シャルル・トレネ

誰が知っている、誰が-シスタースティーブン

谷間に三つの鐘が鳴る – エディット・ピアフ

古いパリの岸壁で – リュシエンヌ・ドライル

幸せになるのに何を待つの– レイベンチュラ

さくらんぼの実る頃シャルル・トレネ

Disc: 2

ミロー – エディット・ピアフ

ビュートの嘆き - コーラ・ヴォーセ

フォーブルサンマルタン – イヴモンタン

アイリッシュバラード – ブルヴィル

手拍子のワルツ – ジャックブレル

オーヴェルニュ人に捧げる歌 – ジョルジュ・ブラッサン

タフで、リアルで、タトゥー– フェルナンデル

私のジプシー – バーバラ

バンビーノ – ダリダ

パリのいたずらっ子 - ミック・ミシェル

行かないで - ジャック・ブレル

ジョニー、あなたは天使じゃない – エディット・ピアフ

タフで、リアルで、タトゥー – フェルナンデル

赤毛のジュリー - ルネ=ルイ・ラフォルグ

リラの花咲く頃 - ジョルジュ・ゲタリー

パリ野郎 - カトリーヌ・ソヴァージュ

バラン・ソワールの乙女 – イヴ・モンタン

シエル・ド・パリ - アンリ・サルバドール

僕と僕の靴 – フェリックスルクレール

エレーヌの木靴 – ジョルジュ・ブラッサン

バラ – レ・フレール・ジャック

いつの日か – ムルー

神は黒人である – ジュリエットグレコ

リラの門の切符売り – セルジュゲンズブール

ラ・マルセイエーズ -ジャンゴ・ラインハルト

 

ちなみに「アラン・ドロン・クラブ・トーキョー」は

ドロンさまと、映画と、映画音楽をこよなく愛し

アラン・ドロン生誕祭 シネマ・ライブ」と

主催者のチェイサーさんを応援する

fpdさんを支部長とする首都圏支部

チェイサーさんにも、fpdさんにも未承認で

このブログ用に勝手に私が作っただけなんだけど(笑)

 

たぶん全国に広がるな「アラン・ドロン・クラブ」

 

ナタリーちゃんのセンスの良さがハンパないこのCD

マジでおススメです

忘れていた恋とトキメキも、思い出せるかも(笑)

 

金曜日はカレーの日  鹿屋海軍航空カレー

fpdさんからサプライズなプレゼント

鹿屋(かのや)海軍航空カレー

 

たまたまネットで見つけたので、自衛隊好きのベベちゃんのために

わざわざ送ってくださったということ

なんていい人なんだ(笑)

 

鹿児島県鹿屋海軍航空基地といえば知る人ぞ知る

零戦零式艦上戦闘機の聖地

黄色いパッケージには白黒の零戦がドンと描かれています

裏面には噴煙を上げる桜島をバックに悠然と編隊飛行する

P-3C 哨戒機(しょうかいき 主に潜航中の潜水艦を発見攻撃する軍用機

鹿屋航空基地資料館

お花いっぱいな霧島ヶ丘公園がレイアウト

これだけで鹿児島に行きたくなります(笑)

海軍海上自衛隊の伝統として金曜日はカレーの日

金曜カレー長い海上生活で曜日を忘れないためと言われていますが

もともとは土曜(週末)の昼食の定番メニューだったものを

1985年ごろからの週休二日制に伴い、単に金曜に変更しただけ(笑)

盛り付けてみました

美味しそう~♪

 

パッケージ同様、なんとなく黄色が強いカレー

盛り付け例がなかったので、横須賀でカレーを食べたときは

福神漬けとらっきょうがトッピングだったので添えてみました

牛乳がなかったのでコーラでいただく(笑)

海軍カレーはカレーライス、牛乳、サラダの3点セットが基本←いらないマメ知識

少し酸味があってフルーティ

ビーフは感じるけれど、それよりも野菜やフルーツの味わいが強くて

あっさりとしてヘルシー

 

これはヤバイ

いくらでも食べれる(笑)

とっても美味しくいたたきました

fpdさん、ご馳走さまでした♡

灼熱(2016)

原題は「Zvizdn(クロアチア語で真昼)

ユーゴスラビアの分離独立に伴っての

クロアチア人と、セルビア人(とスロベニア人)の

ユーゴスラビアからの分離と民族対立をめぐった紛争の

前とその後を描いた3つのオムニバス(ラブ・ストリー)

クロアチアスロベニアセルビア合作

テーマは「1つの愛、2つの民族、3つの時代」ということ

まずはユーゴスラビア近現代史を超省略解説

 

1918年、第一次世界大戦で敗戦したオーストリア=ハンガリー帝国は解体

セルビア王国主導の多民族国家ユーゴスラビア王国が誕生します

その頃から主導的なセルビア人に対し他の民族

特にクロアチア人は不満をもつようになります

しかも第二次世界大戦ではナチス・ドイツ、イタリア、他の東欧諸国に侵攻され

傀儡(かいらん)政権(名目上は独立しているが外国に支配される)地域に

分断されてしまいます

そこで人民解放軍パルチザン)の司令官チトーは

(父はクロアチア人、母はスロベニア人)

枢軸国(第二次世界大戦で連合国と戦った国)に対抗

ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の設立に貢献し初代首相

2代大統領(後に終身大統領)を勤めることになります

チトー政権下は国内の工業化やインフラ整備し経済成長

教育や医療費は無料、社会主義国家でありながらソ連と対峙し

人々は自由な生活を送ることができました

 

絶えず民族間の分裂や紛争の危機はあったものの

チト―の少数民族にも配慮した政策とカリスマ性

民族主義者の過激な活動抑え、国内の秩序を安定させていたのです

1980年、チトーが死去

その後チトーの後継者は現れず、インフレと失業率は上昇し経済は低迷

1989年、冷戦が崩壊すると同時に民族や宗教間の対立が激化

1991年(~2001年)、ユーゴスラビア紛争が勃発

民族浄化のための凄惨なジェノサイド(大量虐殺)レイプ

追放が行われるようになったのです

 

映画はすごくシンプルで、何も語らない

人間が本当に悲しい時、残酷な目に遭ったとき

それを表現する言葉は決して見つからない、と言うように



1部、1991

恋人たちがアドリア海の浜辺で戯れています

女性の名はイェレナ(セルビア人)で男性の名はイヴァン(クロアチア人)

イェレナの兄はもう二度と海には行くな、男と会うなと命令します

しかし兄たちがセルビア人の自警団を作り私設検問所を設置

クロアチア人が村に出入りできないようにしているため

イェレナは自分がクロアチア人の村に行くしかないのです

村の小さなお祭りでビールを飲みながらイヴァンの楽隊の音楽を聞く

そこに兄が迎えに来てイェレナを無理やりを車に引きずり込み連れ去ります

イェレナを心配して追いかけてきたイヴァンは

検問所で兄の仲間に撃ち殺されてしまいます

 

ひとりでおばあちゃんの面倒をみている優しいイヴァン

手に持っていたのはトランペットだけだったのに



2部、2001

紛争が終結し、ナタシャとナタシャの母は荒れ果てた我が家に戻ってきます

そこで家を修復するため、修理工のアンテが雇われます

 

ハンサムで真面目でよく働くアンテを母はすぐにお気に入り

でもナタシャはアンテがクロアチア人なのが気に入らない

母がアンテと仲良く話すのも気に入らない

そのわりには下着同然のような服装でうろついたり

料理を作ろうとしたり挑発するんですね

本当はアンテのことが気になってしょうがない

アンテはそれを見て見ぬふりをしています

ついにナタシャは海に連れて行ってとわがままを言い

ふたりは泳ぎ、一瞬楽しく過ごすのですが

そこでナタシャは兄をクロアチア人に殺されたと

それに対しアンテは父をセルビア人に殺されたと

結局溝を埋めることはできませんでした

ぎくしゃくした関係のまま、ついに家が完成

アンテが去る日、ナタシャは突然彼を求め激しくフェラチオをします

若い男の性欲はそれに耐えられるものではありません

ことが終わりアンテはナタシャに「愛」を求めますが

「これきりよ」と断られてしまいます

彼女はクロアチア人の男たちに同じことをしてきたのでしょう

生き延びるために

アンテは「引っ越したばかりで大変だろう」と

ナタシャの母から修理費は受け取らず

ナタシャが見送る中トラックで去って行くのでした

反抗的な娘に母親が「私は家畜ではないのよ」と

キレるシーンが印象的


3部、2011

友人と田舎の村に帰ることになった大学生のルカ(クロアチア人)

途中ヒッチハイクをしている2人組の女の子を乗せ

夜はレイブ(ダンス音楽)パーティの予定

酒に酔い、思いに任せ、気になる相手がいたら一夜を過ごすのが目的

ルカはパーティの前に両親の家に立ち寄ります

両親は驚き歓迎してくれますが、お互い居心地が悪い

なぜか

次に彼が向かったのはかっての恋人マリヤ(セルビア人)の家でした

彼女には幼い男の子がいました

ルカはマリヤとの交際を両親に反対され

マリヤを捨て逃げるように街の大学に進学したのです

マリヤが妊娠していたのにもかかわらず

 

突然の訪問にマリヤは驚き、拒絶しますが息子の父親

ルカが生活(お金)のことを心配すると

父の残してくれた遺産でどうにかやっていると答えます

世紀末を思わせるような乱痴気パーティが終わり

再びルカはマリヤの家に行き玄関の前でうずくまります

窓越しにルカの姿を見つけたマリヤは

彼に背を向けたままそっと扉を開けるのでした

「彼女」と「彼」はすべて同じ役者が演じているんですね

全く違う男女の物語なんだけど、どこかつながっているようで

いくら戦争が終わっても、年月が過ぎても、愛し合っていても

セルビア人とクロアチア人がやり直すことが難しいことがわかります

家族を殺され拷問され、家を破壊された恨みは

決して消えることはありません

 

だからこの映画で最も描きたかったのは

3話目のラストではないかと私は思います

「扉は開けたままにしてほしい」

すなわち「赦し」なのだと

ちなみにクロアチア人、セルビアスロベニア

どう区別されるかは、自分の認識で決まるそうです

ユーゴスラビアでは「あなたは何人ですか」という

クロアチア」「セルビア」「スロベニア」「その他」の

10年ごとに行われる国勢調査の質問にどう答え

その人が何人かが決まったそうです

 

 

【解説】

クロアチアユーゴスラビアからの独立をめぐり、クロアチア人とセルビア人との間で起こった民族紛争を背景に、3つの時代の3つの恋愛を描いた人間ドラマ。2015年の第68カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞した。1991年、クロアチアユーゴスラビアからの独立をめぐって、クロアチア人とセルビア人の民族対立が激化。仲の良かった隣人同士が、民族の違いを理由に戦い、殺し合うことが日常の光景となってしまった。本作は紛争ぼっ発時に一夜にして敵同士となってしまう1991年編、紛争終結後に互いの民族を憎しみながらも激しく惹かれあう2001年編、平和が戻り過去の憎しみを乗り越えようとする2011年編と、3つの時代を舞台に、セルビア人女性とクロアチア人男性の2人の若者を主人公にした異なる登場人物による3つの物語が展開。ゴーラン・マルコビッチ、ティハナ・ラゾビッチの2人が、それぞれの時代の3組の恋人たちを演じる。監督はクロアチア出身のダリボル・マタニッチ。15年・第28東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門では、「灼熱の太陽」のタイトルで上映されている。

 

2人のローマ教皇(2019)

壁ではなく橋を作れ

原題もThe Two Popes

ベネディクト16世(在位20052013)とフランシスコ教皇(在位2013~)

2代に渡るローマ教皇実話に基いたフィクション

日本人にはあまり知られていないバチカンの儀式を知れるのは面白い

教皇選挙の「コンクラーヴェ

枢機卿の投票総数の3分の2以上の票を得るまで何度も行われます

民衆に伝える結果は煙の色(黒は未定、白で決定)

伝統の赤い教皇靴、列福(れっぷく)式の司式(儀式の進行)

バルコニーで集まった民衆への最初の祝福

ベネディクト教皇神学者出身の超保守派なんですね

ジェンダー、同性愛、女性の避妊や中絶に反対

アニメやコンピューターゲームに対しても批判的

「教理の番犬」とあだ名され、枢機卿の中でも支持しない派や

民衆の中には「ナチ野郎」と呼ぶ者もいました

さらに教皇庁内部告発書が公となり

バチカンによる資金洗浄聖職者による信者への性的虐待など

スキャンダルが発覚

カトリック教会キリスト教の歴史になかで最も揺れ

ベネディクト教皇は非難され、退任を求める声があがります

これは先に「スポットライト 世紀のスクープ」を観ていて正解

当時のカトリック教会のおかれていた立場が分かります



ベネディクト教皇はその事態に

高齢と健康上の問題を理由に、生前退位を決断をします

同じ頃教皇選挙でベネディクト教皇ラッツィンガー枢機卿)に敗北した

アルゼンチンのベルゴリオ枢機卿バチカンに辞表を出していました

教皇の在位期間は選出から死亡までとなっていて

教皇生前退位は本当に特殊で異例な出来事なのですね

このため退位後は名誉教皇という称号が与えられる

なので教皇生前退位した場合は、名誉教皇と現役の教皇

ふたりの教皇が存在するようになるわけです

後任に任命されたのは、かってのライバルで

穏健派のベルゴリオ枢機卿(フランシスコ教皇)でした



ベルゴリオ枢機卿は、かっては大学で化学を学び愛する女性がいました

彼女にプロポーズをして、幸せな未来が待ってるはずでした

しかしある日の教会で偶然神の声を聞いてしまいます

ベルゴリオは結婚を取りやめ、イエズス会に入会します

神学校で修士号を所得し、神学院院長に就任

その指導力が高く評価、1973アルゼンチン管区長に任命されます

その当時はベルゴリオもラッツィンガーと同じように

バリバリの保守派だったんですね

その後、アルゼンチンは軍事政権の支配下になり

「汚い戦争」(19761983)と呼ばれる白色テロで多くの犠牲者が発生

政府側についていたベルゴリオは

貧困者支援や(反政府側の)怪我人の救助に当たっていたふたりの司祭を解雇

ふたりの司祭は政府軍に拉致され拷問を受けることになります

ただ教会を守りたかった

そのことがベルゴリオに誤った判断をさせてしまったのです

アルゼンチン国内でベルゴリオは批判を受け

今でもベルゴリオの責任を問う声が存在しているといいます

バチカンのスキャンダルを知り、自らも辞任しようと決意したベルゴリオに

ベネディクトは自分がドイツで大司教であったとき

聖職者の少年少女への性的虐待があったという報告にもかかわらず

関与した神父を移動させ、事件を隠蔽し揉み消したことを明らかにします

それは許されることではありませんが

ベネディクトもベルゴリオと同じ、ただ教会を守りたかったのです

ふたりはお互い赦しを請い、お互いの罪を赦します

やはりアンソニー・ホプキンスジョナサン・プライスがさすがの演技で

本物の教皇にそっくりに見える(笑)

しかもピザにファンタオレンジなんて、おちゃめで可愛いすぎる

ふたりでサッカーワールドカップ観戦の演出も洒落ています

因縁のドイツ対アルゼンチン、これは教皇でも燃えますよね(笑)

実際のふたりも大のサッカーファンであるということです

この映画の優れたところは、ローマ教皇という

私たちの手の届かない存在をテーマにしながら

社会的批判と、ヒューマン・ドラマのバランスの良さに尽きると思います

仕上げとしての見終えたあとの気分もいい

ぜひ「おじいちゃん萌え」してみてください(笑)

 

 

【解説】映画.COMより

シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督がメガホンをとり、2012年に当時のローマ教皇だったベネディクト16世と、翌年に教皇の座を受け継ぐことになるホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿の間で行われた対話を描いたNetflixオリジナル映画。カトリック教会の方針に不満を抱くベルゴリオ枢機卿は、ベネディクト教皇に辞任を申し入れる。しかし、スキャンダルに直面して信頼を失っていたベネディクト教皇はそれを受け入れず、ベルゴリオをローマに呼び寄せる。考えのまったく異なる2人だったが、世界に10億人以上の信徒を擁するカトリック教会の未来のため、対話によって理解しあっていく。ベネディクト16世役にアンソニー・ホプキンス、ベルゴリオ役に「天才作家の妻 40年目の真実」のジョナサン・プライス。脚本は「博士と彼女のセオリー」「ボヘミアン・ラプソディ」のアンソニー・マッカーテン。Netflix20191220日から配信。日本では配信に先立つ1213日から、一部劇場にて公開。

 

スポットライト 世紀のスクープ(2015)

「こんなのを報道して誰が責任をとるんだ」
「報道しなかったら誰が責任をとるんだ」

原題も「SPOTLIGHT 」(ここではボストン・グローブ紙の取材チームのこと)

 

ピューリッツァー賞受賞の実話ベースの映画化

アカデミー賞では6部門にノミネートされ作品賞と脚本賞を受賞

そのわりにはマイナー扱いな作品(笑)

大統領の陰謀(1976)系が好きな方にはオススメ

確かに地味ですが、スクープをものにしたときの高揚感はあります

2001年、ボストン・グローブ

新編集長のマーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)が着任します

そこで子どもが神父から性的虐待を受けたという事件を知り

「スポットライト」欄の記者

マイク(マーク・ラファロ

ロビー(マイケル・キートン

サーシャ(レイチェル・マクアダムス

ベンジョン・スラッテリー

マットブライアン・ダーシー・ジェームズ

に取材するよう命じます

 

ボストン・グローブ紙の読者のほとんどはカトリック信者

記者たちはしぶしぶ調査を開始

被害者を支援する会や、被害者本人から話を聞きます

すると事件のケーガン神父は、わかってるだけで80人の子どもに

性的な「いたずら」をしていたと報告されていました

しかし神父は無罪放免

 

カトリック教会はそのことを知っていたのに関わらず隠蔽し

別の教区に異動を繰り返していたというのです

そのことはすなわち、さらなる性的虐待被害を拡大していたということです

さらに調査していくとポーター事件という

別の神父が起こした性的虐待事件があったこともわかります

 

聖職者虐待被害者の会の代表のサヴィアノ(ジェイミー・シェリダン)は

被害を受けるこどもたちのほとんどは

家庭に問題があり内向的で孤独な子どもたち

尊敬する神父に声をかけられ、やさしくされ

有頂天になってしまったと言います

 

そのせいで、なにかがおかしいと思いながらも

神父の言うことに従ってしまう

レイプされた子どもたちは、傷つき、信仰心を失い

ドラックに溺れたり、なかには自殺してしまう被害者もいたといいます

運よく立ち直った人間でさえ「秘密」を誰にも相談することが出来ず

ずっと悩み続けていました

なかには自身も成長してから

幼児に「いたずら」するようになってしまった人間も

 

サヴィアノは聖職者による性的虐待

バチカンを主軸とした問題であって

被害者は世界的にいると訴えます

 

30年以上神父の虐待の研究を続けてきた

サイプリチャード・ジェンキンス)は電話取材に対して

神父の約6パーセントが小児愛者という結果が出てると答えます

数字で言うとボストンだけで、90人の神父が小児愛の加害者になるのです

スポットライトは、サイプの証言の裏付けを取るため

ボストンから転任を繰り返した神父を割り出すと

その数87サイプの証言とほぼ一致したのです

しかし神父の名前を公表したとても

今までと同じように無罪になると考えたマーティは

虐待を隠蔽する教会のやり方そのものを暴くことにします

 

ガラベディアン弁護士(スタンリー・トゥッチの訴訟により

ゲーガン事件の証拠文書が公開されることになり

ついに事件は日の目を見ると思われましたが

2001911日、アメリ同時多発テロが発生

教会の取材は中断され、スポットライトの記者たちも

多発テロの取材に駆り出されることになってしまいます

 

しかしその後も被害者の数は続々と増え

このままでは更に被害者が増えてしまう可能性があると思ったスポットライトは

2002年、ボストン教区内で起きた性的虐待事件の記事を600本以上掲載

被害者の数は1000人以上、告発された神父は249人におよびました

教区の責任者、ロー枢機卿は厳しい批判を受け辞任しますが

20045月、教皇ヨハネ・パウロ2世により

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の大司祭に任命

バチカンの市民権が与えられアメリカの刑事訴追から逃れます

 

映画の最後には虐待を受けた被害者への

連絡先がメッセージとして表示されていましたね

過去のトラウマを忘れたい気持ちはわかるけれど

虐待にかかわらず、学校でのイジメなど

自分にとって絶えられないのなら、どんな苦しみでもいい

匿名でいいから、あらゆる窓口に相談してほしいと思います

 

このボストン・グローブ紙の記事を皮きりに

ドイツ、アイルランド、イギリス、メキシコ、オーストラリア

フランス、ギリシャ、そして日本でも

聖職者による虐待が発覚し、大きな問題となりました

宗教のことを言える立場ではないけれど

カトリック教会の司祭でも妻帯できる例外があるのなら

結婚したい神父があれば結婚を認めてもいいと思うし

 

同性愛にも反対しているけど

統計的にゲイが最も多いのは、もしかしたら修道士かも知れない

 

「聖」のそばには、必ず「俗」がある

(日本の神社の傍には、風俗店やラブホがある 笑)

 

所詮私たちは神にはなれない

眠い時は寝てしまう、お腹が空いたら食べるように

生きている限り、欲望を抑えきることは不可能

どこかで、いい意味で、バランスをとることが必要なのです

聖職者ならなおさらのこと

私は日ごろからマスコミや弁護士は

有害なゴミでクズだと思っているのですが(笑)

 

日本にもこのように、権力や売り上げや保身に負けず

真実を訴え、不正を裁こうとしているジャーナリストや司法に携わる人間が

もしいるとしたら感激ですね





【解説】allcinema より

カトリック教会が長年隠蔽してきた児童虐待スキャンダルを暴き出し、ピュリツァー賞に輝いた調査報道チームを巡る感動の実話を基に、巨大な権力に立ち向かっていった新聞記者たちのジャーナリズム魂と不屈の執念を描いた実録サスペンス。出演はマーク・ラファロマイケル・キートンレイチェル・マクアダムスリーヴ・シュライバージョン・スラッテリー。監督は「扉をたたく人」「靴職人と魔法のミシン」のトム・マッカーシー。第88アカデミー賞では、みごと作品賞と脚本賞の2冠に輝いた。
 2001年、夏。ボストンの地元新聞“ボストン・グローブ”の新任編集局長としてマイアミからやって来たマーティ・バロン。さっそく目玉になる記事の材料を物色し、神父による子どもへの性的虐待事件に着目すると、これを追跡調査する方針を打ち出す。しかしボストン・グローブの読者は半数以上がカトリック教徒。彼らの反発を招きかねないと古参幹部は難色を示すが、地元のしがらみと無縁で、なおかつユダヤ人のバロンは強気に押し切っていく。こうして、リーダーのウォルター“ロビー”ロビンソンを中心に特集記事欄《スポットライト》を担当する4人の記者たちが調査を開始する。そして地道な取材を積み重ね、次第に事件の背後に隠された巨大な疑惑の核心へと迫っていくが…。

チリの闘い 第1部「ブルジョワジーの叛乱」(1975) 第2部「クーデター」(1976) 第3部「民衆の力」(1978)

原題も「La batalla de Chile

凄い映画でした

これが本物のドキュメンタリー



かなり画像は悪いんですよ、手ブレも酷くて

でもそれが見ていくうち

どれほど命がけの撮影だったか、ということがわかります

1970年チリ、国民による初の公正な選挙によって選ばれた

サルバドール・アジェンデ大統領と唯一の社会主義政権



アジェンデは工場や農場での生産や富を富裕者層だけでなく

国民全体に分配しようと、いわゆる社会主義思想を掲げ

労働者たちから高い支持を受けます

それに反発しているのがブルジョワ中産階級)と

彼らが支持する過半数を占める右派の国会議員や軍人

それを支援していたのがアメリカの資本とCIAニクソン政権)でした



なのでアジェンデの公約は国会で全て否決

配送業や工場をストライキさせ国内の経済を停滞

社会主義、共産思想を抹殺しようと企みます

しかしそれがアメリカから賄賂を受け取っている

ファシストの陰謀だと知っている民衆の結束は固く

工場を再開させ、農地を手に入れ

知恵とアイディアと労働で苦難を乗り切り

アジェンデはますます支持を集めていくのです



1973629

ついに陸軍の一部将校らが首都サンティアゴの大統領官邸を襲撃

撮影していたカメラマンが将校に銃殺され、ここで第一部が終了



しかしプラッツ将軍の努力と、CIA時期尚早という判断で

クーデターは未遂に終わります

822

アジェンデ政権を違憲とする決議案を下院で採択

これによりチリ軍部にとってのクーデターの正当性が確立



99

アジェンデは自らの政権を問う国民投票11日に発表すると閣僚の前で決定

911日早朝

国民投票発表の前に陸海空三軍と国家警察隊が大統領官邸を襲撃

交戦によりアジェンデ死亡(後日ピノチェトは自殺と発表)



クーデターといっても、大統領ひとり暗殺するのに軍隊が押し寄せたうえ

官邸を空爆するんですよ(味方も死ぬだろうに)

それも何発も

912

ピノチェト軍事評議会の議長になる



1974627

ピノチェト大統領に就任



930

亡命先のブエノスアイレスでプラッツ将軍が妻とともに暗殺

ここで第二部が終了

クーデターのあとフランスへ亡命したグスマンが

民主主義の社会主義政権の終焉を描く

ここまでグスマンは何の主義主張もしていない

ただ淡々とカメラが事実を映し出しているだけ



そしてグスマンが最も訴えたかったことが

第三部で描かれていきます

主人公はアジェンデでも、ピノチェトでもない
チリの労働者たちなのだと

労働者階級による労働者の組織を作り出そうという活動は広がりをみせ

深刻で絶望的な状態にもかかわらず、顔には誇りが宿ってる

無学であっても、信念をもっている

 

それはマルクス主義の理想の形なのだけど

冷静に考えると不可能なのですね

たとえ成功してお金が入ったとしても、今度は欲が出てしまう

今の社会主義国家を見てもわかる通り

結局は資本主義、格差社会になってしまうのです

それでも大切なのは、希望を捨てては生きていけないということ

そして私たちも、発展途上国の労働者からの摂取のおかげで

今の生活を維持しているのを忘れてはいけないのです



【解説と概要】公式サイトより

『チリの闘い』は、サルバドール・アジェンデ大統領率いる人民連合政権(1970年~1973年。マルクス主義を掲げて民主的選挙で成立した史上初の政府)時代の、騒擾に満ちた最後の数か月間を記録・再構成した作品である。階級闘争を繰り広げる国民と内戦の危機に瀕した分裂国家の姿を記録し、三部構成・約四時間半の大長編映画へと作り上げたのは、パトリシオ・グスマンをリーダーとする映画製作チーム「三年目」。映画は、政治家たちが討論する議場、時に周囲が煙や銃声に包まれる不穏な街頭デモ、「備蓄された武器」を探して労働者たちの拠点を襲撃する軍、サンティアゴの街頭でおこなわれる大規模な政治集会等々、その視点をミクロからマクロへ至るまでの多彩な事象に据えて、当時のチリが置かれていた一触即発の危機的状況とその後のアジェンデ政権崩壊、そうした状況下で奮闘しつつ社会主義的な自治=互助組織を形成してゆく民衆の逞しさを複眼的に描き出す。

一部:ブルジョワジーの叛乱(96分)

19733月におこなわれた議会選挙における左派(人民連合)の予期せぬ勝利に続く、右派による攻勢の激化を検証する。議会制民主主義がアジェンデの社会主義政策を阻止できないことを思い知った右派は、その戦略を国民投票から街頭闘争へと転換する。この第一部は、右派が政府を弱体化して危機的状況を引き起こすために、デモやストライキの扇動から暴動、そしてテロへとその暴力的戦術をさまざまに駆使する様子、そしてついには軍部がクーデター未遂事件を引き起こすまでの数か月間を追う。

第二部:クーデター(88分)

第二部は、第一部の終盤に登場した1973629日のクーデター未遂事件で幕を開ける。この「クーデター未遂」は、軍にとって有益な予行演習となったことは明らかであり、「本番」がおこなわれるのは時間の問題だと誰もが認識しはじめた。左派は戦略をめぐって分裂し、一方右派は着々と軍による権力掌握の準備を進める。最終的に73911日の朝にクーデターが実行に移され、大統領府は軍による爆撃を受け破壊される。アジェンデはラジオを通じてチリ国民に向け演説をした後、自殺と思われる死を遂げる。同じ日の夜、アウグスト・ピノチェトを議長とする軍事評議会のメンバーがテレビ出演し、新たな軍事政権の発足を宣する。

第三部:民衆の力(79分)

平凡な労働者や農民が協力し合い、"民衆の力"と総称される無数の地域別グループを組織してゆく姿を追う。彼らは食糧を配給し、工場や農地を占拠・運営・警備し、暴利をむさぼる闇市場に対抗し、近隣の社会奉仕団体と連携する。こうした活動は、まず反アジェンデ派の工場経営者や小売店主や職業団体によるストライキへの対抗手段として始められたものだった。やがて"民衆の力"は、右派に対し決然たる態度で臨むことを政府に要求する、ソビエト型の社会主義的組織体へと徐々に変質してゆく。

 

アダム&アダム(2022)

原題はThe Adam Project」(アダムの計画)

スターウォーズ」「バック・トゥ・ザ・フューチャー

ターミネーター」オマージュあるある

&マーベル感たっぷりのタイムトラベルもの

新しさはない(笑)

おまけにタイムパラドックスなんて起こらず

時間が修正してくれるという超ご都合主義

その分、安心して見れる(笑)

12歳のアダムは、生意気で反抗期

母子家庭でチビでヲタクで、学校では虐めらています

そこに28年後の2050年から

40歳になったアダム(ライアン・レイノルズ)が

タイムジェットでやって来ます

それはドラえもんのび太を助けるためののように

未来からやってきた訳でなく(笑)

 

2050年にはソリアン・テクノロジーズ社のCEO
マヤ(キャサリン・キーナ)時間旅行技術を独占し
地球はターミネーター化されていました

そこで大人アダムはアダムの父親(マーク・ラファロ)が発明した

時間移動の数式を抹消しようと妻が移動しますが行方不明になり

妻を助けようと思った大人アダムはタイムジェットのトラブルにより

2018年ではなく2022年にやって来てしまっやのです

 

だけど少年アダムが関心あるのは

大人アダムがどうやってマッチョになったかということと

いつ童貞を捨てたかと、結婚したこと(笑)

でもまあお互い話をしていくうちに

お互い両親に対する思いが変わっていくんですね

大人アダムは、自分が大人になったからこそ

母親(ジェニファー・ガーナー)の苦労を

少年アダムが父親を失った哀しみを理解していくんですね

だから少年アダムには大人になってから

後悔しないよう母親を大切にして欲しいと考えます

そして美人の奥さん(ゾーイ・サルダナ)ともご都合よく再会し

少年アダムに助けられながら、ご都合よく2018年に行き父親とも再会

数式の入ったハードドライブを巡りアダム&アダムと父親は

現在と未来のマヤと対決するのです

が未来のマヤが銃を誤射したせいで、リアクター(電磁シール)が破損し

あらゆる金属が炉心に吸い寄せられ

父親はリアクターを制御するためメインエンジンとにらめっこ

大人アダムはマヤの護衛で元同級生のクリストスと対決

クリストスは炉心に消え

磁力によってこの時代のマヤが死んだことにより未来のマヤも消滅

間一髪、自動扉から抜け出した(あるある)3人は

家の庭でキャッチボール(あるある)をするのでした

そして父親がボールを拾っている間にふたりの姿は消え

それぞれの未来に戻っていました

どちらかといえば、家族愛がメインなんですけど

ちょっと間抜けでクスッとするシーンが散りばめられているので

説教臭さは感じない



ちょっぴり成長した少年アダムは約束通り母親を抱きしめ

(記憶は残ってる?)

大人アダムは未来の妻と出会うのでした

(記憶は残っていない?)

80年代のテイストもあるので休日でファミリーで見るのにいいですし

主人公と同世代の小中学生には特にオススメだと思います






【解説】映画.COMより

デッドプール」「レッド・ノーティス」のライアン・レイノルズと「ナイト ミュージアム」のショーン・レビ監督が、「フリー・ガイ」に続きタッグを組んで手がけたタイムトラベルアドベンチャー。科学技術が発達した2050年。戦闘機パイロットのアダム・リードは、あることをきっかけに、「タイムトラベル技術の発明を阻止し、未来の世界を救う」というミッションに挑むことになる。全ての鍵を握る2018年の世界に向かうアダムだったが、アクシデントに見舞われ、到着したのは2022年の世界だった。そこでアダムは、いじめられっ子だが生意気盛りだった12歳の自分に出会う。大人と少年の2人のアダムは、かみ合わないながらも時空を超えた冒険を繰り広げ、その中で次第に絆を育んでいく。アダムの父役でマーク・ラファロ、アダムの妻役でゾーイ・サルダナが共演。Netflix2022311日から配信。