原題も「LONG SHOT」
ロング・ショットとはゴルフや射撃などで使われる
遠くにある難しいターゲットを狙うことで
(可能性は0ではないけど)「望みは薄い」「期待できない」という意味
ここでは買収された新聞社を、意地と勢いで退職してしまった
金はない、冴えないジャーナリストのフレッドが
かって隣に住んでいた幼馴染で初恋の相手
今は次期大統領候補のシャーロット・フィールド国務長官の
スピーチ・ライターとして雇われたのをきっかけに
格差恋をしてしまうというもの
シャーロット演じるセロン姐さん、相変わらず惚れ惚れする美しさ
女優だから当然トレーニングや美容に怠りはないのだろうけど
他の同年代の女優ように、整形やボトックスしたような形跡もない
もう、カ・ン・ペ・キ
ボディラインを見せつけるコスチュームに
セクハラもパワハラも笑顔で切り抜け
あまりの忙しさに特技は立ちながら本気で寝る(笑)
だけど本当のシャーロットはスラングを吐き
「強い女と男はデートしたがらない 勃たないから」と
モテないことを嘆く
セックスは淡白なわりに、実はドMの変態(笑)
落ち込んだ時にはクスリでハイになるという(超可愛い)
国務長官としてあるまじき姿
そんなシャーロットの姿に、引きつつも(笑)
理解しようとするフレッド
何より「自分の信条を曲げるべきではない」と
彼女の環境問題に対する政策を本気で支持している
フレッドの親友や
ボディガード?シークレット・サービス?
の人たちが、やさしくて、小粋で、ほっこり(笑)
だけど秘書のマギーは
「冴えない男が大統領の夫になったら、国民は支持しない」と
ふたりの仲を裂こうとし
現大統領と、大統領の支持者で資本家のチャンバースは
シャーロットの訴える環境保護政策を撤回しなければ
国民にフレッドと付き合っていることをばらし
フレッドが自慰行為しているところをハッキングした
恥ずかしい動画を拡散すると脅します
悩むシャーロットに、そんな動画ばらまいてしまえと励ますフレッド
だけど顔射ネタ(「メリーに首ったけ」のオマージュ)はつまらない
どうせなら、もっと過激でバカバカしいほうがいい
ホースがぐるぐる回って水が噴射するくらいの勢いがあってもよかった
(そんなこと思いつくのは、オマエかレスリー・ニールセンだけだ)
が、「みんなもオナニーするでしょ」と
開き直ったシャーロットがまさかの人気急上昇
ついにアメリカ初の女性大統領になってしまいます
フレッドはアメリカ初のファースト・ジェントルマン(紳士じゃねえけどな)
「アメリカ万歳」(1984 アメリカ国憲法を読むシーンが感動的)が
ゴールディ・ホーンだから成り立つのと同様
この作品もセロン姐さんの魅力で成り立っているようなもの(笑)
下ネタ系B級クラスのラブコメにもかかわらず
セロン姐さんのことが2倍も3倍も好きになってしまいます
そして、男女が一緒に行動するのに大事なことは
理想の相手を見つけることより
いちばん自分のカッコ悪い部分を見せることができて
何でも話せて、何より同じ時間を楽しめるということ
完璧を目指さなければならない人間ほど
そんなスイッチオフできるパートナーが必要なのかも知れません
(ホースぐるぐる女が、一応最後はまとめてみた)
【解説】allcinema より
「50/50 フィフティ・フィフティ」「ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー」のジョナサン・レヴィン監督とセス・ローゲンのコンビが、ヒロインにシャーリーズ・セロンを迎え男女逆転のシンデレラ・ストーリーを描いた痛快ロマンティック・コメディ。失業中の冴えないジャーナリストと次期大統領候補の美女とのありえそうにない恋の行方を、社会風刺と下ネタギャグを織り交ぜつつコミカルかつハートウォーミグに綴る。共演はオシェア・ジャクソン・Jr、アンディ・サーキス、アレキサンダー・スカルスガルド。
ニューヨークで記者として働いていたフレッド・フラスキーは、正義感と頑固な性格がアダとなり職を失ってしまう。ある日彼は友人に誘われたパーティの会場で、幼い頃にベビーシッターをしてくれた近所のお姉さんにしてティーン時代には秘かな想いを寄せていた初恋の人、シャーロット・フィールドと思わぬ再会を果たす。しかし彼女はいま国務長官として大活躍し、次期大統領選への出馬も取り沙汰される全米注目の女性だった。すっかり遠い存在となってしまったシャーロットだったが、そんな彼女からスピーチライターになってほしいとの思いがけない依頼を受けるフレッド。戸惑いつつも、仕事のない彼はこの依頼を受けることにするのだったが…。