ぼくらの七日間戦争(1988)

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宗田理の同名ベストセラー小説の映画化

原作は家出した中学生たちが廃工場にたてこもり

日本大学全学共闘会議をまね

校則で抑圧する教師や勉強を押し付ける親に反旗を翻す・・・

というというストーリーということ

ちなみに「戦車」は出てこないそうです(あたりまえだ)

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この時代の校則は冗談じゃなく映画のように厳しかったですね

教師による体罰は当たり前で、授業中や部活動での態度が悪いと

殴られたり蹴られたりする男子生徒もいました

女生徒はスカートの長さを測られ、肩より長い髪の毛は必ず結ぶ

授業と関係ない私物は教師に取り上げられます

ギリギリ間に合わなくて遅刻した女生徒が

門に頭を挟まれて死亡する事件もありました

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尾崎豊の「卒業」じゃないけど、これじゃあ

夜の校舎窓ガラス壊して回るわな(笑)

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作中でも、教師がわかりやすいくらい悪者(笑)

自分の名誉と評判ばかり気にする校長に金田龍之介

校長の機嫌ばかりをうかがう笹野高史

生徒に反省文を強要し、気に入った生徒だけえこひいきする佐野史郎

冷徹な生活指導の大地康夫

日常的に生徒に体罰を加えている体育教師の倉田保明

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そんな中、男子生徒に人気なのが英語を教える賀来千香子

こんなお洒落で綺麗な先生はそういないでしょうが(笑)

そんな時代でも生徒に理解ある先生もいました

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親は親で、父親は仕事や接待や浮気で家に寄り付かず

母親は勉強、勉強とうるさい

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1年A組の男子生徒8人は家出を決行、廃工場にたてこもります

そのあと女生徒3人が加わり、男子生徒の間で亀裂が入りますが

(男の子ふたりは宮沢りえが好きなのね)

やがて居場所を突き止めた教師や親たちと戦うことになります

しまいには機動隊が出動し、テレビ局に野次馬

大騒ぎになってしまいます

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100%中学生目線なので、それはそれは現実的ではなく(笑)

角川映画らしく話の構成が甘く

ツッコミむどころか非現実過ぎてかなり無理がある

戦車であんなに大量の花火の打ち上げ、どうやった?(笑)

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それでも80年代は、こういう映画に

何の疑いもなくロマンや冒険心を感じていたのです

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当時”美少女”と、もてはやされていた宮沢りえがさすがの存在感

その後、ふんどし姿やヌード写真集と多くの話題を生みました

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今では教師による体罰や、校内暴力は聞かなくなったものの

子ども同士による悪質ないじめ問題があとを絶たない

見て見ぬふりをする教育委員会

あの頃の「オンザ眉毛」やスカートの長さとの戦いが

ファンタジーにさえ思えてしまいます

 

 

【解説】KINENOTEより

校則に反発して廃工場に立て篭った中学生と教師や親など大人たちとの戦いを描く。宗田理原作の同名小説の映画化で脚本は前田順之介と菅原比呂志が執筆。監督はこれが第一作となる菅原比呂志、撮影は河崎敏がそれぞれ担当。

ある日、校則に反発した青葉中学の一年・菊地ら男子生徒8人が失跡した。彼は自衛隊の廃工場に立てこもっていたが、学校側は体面を取りつくろうばかり。そのうち、ひとみら女生徒3人も加わり、11人での自炊生活か始まった。しかし、居場所がバレて教師や親が説得にやってきた。その場はなんとか追い返したが、子供たちはバリケードをつくり武装を始めた。体育教師の酒井らはエンジン・カッターで工場のシャッターを壊して侵入。ひとみらは地下からついに戦車まで持ち出した。学校側も機動隊の出動を要請したが、どさくさに紛れ、ひとみらはマンホールから外に脱出するのだった。