青い山脈(1949)




♪若く明るい歌声に~♪という主題歌とともに
公開当時は大ヒットしたという有名な作品
私もこの歌は聞いたことがあります

しかし、爽やかな青春かと思ったら
ちょっとドロドロとした「いじめ」ものでした

それを戦前の封建的な考えからくるものだと
古い体制には断固として反対をするという
東京から来た新任の女性教師が
男性教師や町の有力者たちと対立するというものです

これは、古くからの風習を改革しようとする東京都知事
それを止めさせたい自民党都連のお偉いさんや
オリンピック会長の森爺の対立を見ているようで(笑)
いくら世の中が進化して科学が進歩しても
政治の世界だけは戦後70年経っても変わっていないものです


城下町の女学校に転校してきたばかりの新子は
男子高校生と一緒にいたところを下級生に見られたことで
クラスメイトのやっかみにあい、偽の恋文でからかわれてしまいます

そのことを英語教師である雪子に相談したところ
日頃から封建的な考え方に不満を抱いていた彼女は
その問題を大きく取り上げてしまいます
女生徒たちは「母校を愛するためにやった」と反発します
そして町を巻き込んだ大騒動を起こすのです





カメラは黒澤組で活躍した中井 朝一氏
今井正監督だとこうもエロティックになるのかと驚きです
雪子と新子のダンスシーンや、雪子がピアノ教師と語るシーンなど
とてもレズビアン的ですし

芸者の木暮実千代なんて本当に色っぽい!
彼女ほど芸者役が似合う女優さんっていないと思います


それにしても途中でプッツリ終わったと思ったら、続編があるのですね
魔の欲求不満ラストシーンではないですか
続きはいつ放映してくれるのでしょう(笑)


民主化」を目指すという、戦後は深刻だった問題を
今、また日本人は真剣に考えなければならない時が来た
そんなふうにも考えさせられる作品でした
(後編は見ていないので想像です 笑)



【解説】allcinemaより
石坂洋次郎の同名小説を原節子池部良主演で映画化。映画も主題歌も大ヒットし、この後、何作ものリメイクが製作された。ある地方の町を舞台に、偽のラブレターに右往左往する人々をユーモラスに描いた青春映画。女学生の寺沢新子は、駅前の商店で店番をしていた六助と知り合う。英語教師の島崎雪子は新子あてのラブレターを見せられ、校医の沼田に相談する。学校ではこの問題に対処するため理事会まで開かれることになってしまう。