デーヴ(1993)




ベーブルースの「ベイブ」や子豚ちゃんの「デーブ」とかぶって
あまり興味を惹かれないタイトルでしたが(笑)
見てみたら、とても良かったです

こんなことあったらいいなという、感動のドラマ
90年代はまだ、こういう夢物語が成り立っていたのですね
フランク・キャプラを思わせる、古き良きアメリカ映画の再来


大統領が浮気するためのアリバイに
一夜だけ雇われた大統領そっくりさんのデーヴ(ケヴィン・クライン
でもその大統領が腹上死・・・じゃなくて腹上脳卒中植物状態
大統領補佐官のアレクサンダー(フランク・ランジェラ)と
報道官のアラン(ケヴィン・ダン)の悪知恵で
デーヴはそのまま大統領のふりを続けることになります

国民の誰もが政治家の不正や悪事を知っている
人間にとって何が大切かも知っている
軍事資金を削減すればどうにかなると思ってる
でも、それを変えるチカラがない

国を、平和を、自由を、税金による莫大な予算を
どうするのか、どう使うのか、最大の権限があるのは大統領





デーヴは予算を架空の工事費や宣伝費より
大統領の権限で福祉や雇用問題に使おうとします
そんなデーヴに大統領夫人のエレン(シガニー・ウィーヴァー)は
次第に惹かれていくのです

しかしそのことはアレクサンダーの怒りを買い
アレクサンダーはナンス副大統領(ベン・キングスレイ)だけでなく
デーヴも横領で陥れようとするのです

自らすべての責任を取ると国会で伝え
福祉と雇用の法案を通したデーヴは
本物の大統領とすり替わりました





シークレット・サーヴィスのデュエイン(ヴィング・レイムス)がいいですね
偽の大統領と知っていながらも、とても謙虚で誠実
仕事のできる男に女はヨワい(笑)

ラストもハッピーエンドで好いですね
とてもやさしくて、温かい気持ちになれます

そして、政治とはなにかということを
改めて考えさせられる作品でした
隠れた名作だと思います



【解説】allcinemaより
大統領に瓜二つのデーヴは一夜限りの代役を引き受けるが、大統領が脳卒中で倒れたために彼の替え玉生活は延長される事になった。操り人形でしかなかったデーヴが、持ち前の誠実さで政治を改革していく様を描いたヒューマン・コメディ。「ゴーストバスターズ」などのヒット作はあったものの、今ひとつアカ抜けなかったI・ライトマンが放った快作で、かつてのフランク・キャプラ辺りの人情味溢れるタッチが良いと言ったら誉めすぎか? 役者陣も適役ばかりで、大統領夫人に扮するS・ウィーヴァーの逞しさと可愛らしさ(芸人コンビのふりをする所など最高!)もいい。が、やはりここはK・クラインの魅力に尽きる。二役を見事に演じているだけでなく、正直者の主人公を実に自然に演じ上げていて、これまたかつてのジェームズ・スチュワート辺りを彷彿とさせるといったら誉めすぎか? 題材が題材だけにラリー・キングオリヴァー・ストーンアーノルド・シュワルツェネッガーら各界の著名人が本人役で出演しているのも見もの。