噂通りの凄い映画でした
映画界の巨匠らがリスペクトするのも
あたりまえだということがわかります
見事な衣装も調度品もない
あるのは役者の演技、身体ひとつだけ
これぞエンターテイメント
まず冒頭の寝静まっていたと思っていた捕虜たちが
鉄砲隊を襲い、石段を駆け下り
大脱走するシーンは凄絶なスペクタクル
「戦艦ポチョムキン」の水兵たちの反乱のオマージュでしょうか
死ぬ覚悟で演技しなければこういうシーンは撮れない、そう思います
そして、疾走する馬上で刀を振り回して敵と戦ったり
娘をすくい上げて乗せたりする三船敏郎さん
すごいアクションの連続に驚くばかり
これはスタントなしで、本人が演技しているんですよね?
やはり命がけとしかいいようがない
時は戦国、戦いに敗れた秋月家の雪姫(上原美佐)は敵から逃れ
金の延べ棒200貫と隠し砦に身を潜めていました
侍大将である真壁六郎太(三船敏郎)は
お家再興のため隣国の同盟国に逃げるという案を思いつきます
この作品ではかなり評判がいい上原美佐さんですが
(太もも効果は別として 笑)
黒澤監督は女性の撮り方だけは、イマイチだなと思ってしまいます(苦笑)
この作品の姫も、般若顔にしか見えない(くっすん)
この一直線なゲジ眉に萌えるのは、なかなか理解できません
とはいえ、余計な色香があまりないからこそ
黒澤ワールドの男衆の魅力が映えるのも事実なのでしょう
だけど姫を唖(おし)の設定にしたのは正解でしたね
百姓ふたりとのやりとりは、台詞のないことがとても活きて
実にコミカルで、楽しませてもらうことができます
コメディ、アクション、アドベンチャー
そして義理人情、すべてが詰め込まれている傑作
そして見終えたあとは、ほっこりとしたハッピーな気持になれる
素晴らしい傑作
そしてもちろん、お気に入りです
黒澤監督作品が、この先少しの間続きそうですが
これからの鑑賞がとても楽しみになってきました
【解説】allcinemaより