マグニフィセント・セブン(2016)




七人の侍」の翻案「荒野の七人」をリメイク
カリスマのある俳優は少ないだろうし
製作するにあたってハードルは高かったと思います

なので最初から「七人の侍」と「荒野の七人」は頭から消し去って
違う映画だと割り切って鑑賞しました


金鉱を独占したい悪徳実業家に
村を追い出されようとしている貧しい住民たちを
助けようとする7人の男たちの物語

黒人ガンマン、サム・チザム(デンゼル・ワシントン
手品が得意なギャンブラー、ジョシュ・ファラデー(クリス・プラット
ナイフ使いの東洋人、ビリー・ロックス(イ・ビョンホン
PTSDの狙撃手、グッドナイト・ロビショー(イーサン・ホーク
メキシコ人、バスケスマヌエル・ガルシア=ルルフォ)
マウンテンマン、ジャック・ホーン(ヴィンセント・ドノフリオ
コマンチ族、レッド・ハーベスト(マーティン・センズメアー)





リンカーン郡の戦いで西部開拓史に名高いジョン・チザムを描いた作品は
デュークの「チザム」(1970)がありますが
リンカーン」と何度も言う主人公は
同一人物であるという解釈でいいのでしょうか

とにかく俳優の仕草がいちいちカッコよく、娯楽性は高いです
”グットナイト”ロビーショーなんて名前だけでかっこいい
もし犬を飼ったら、この名前にします(笑)


ジョシュとメキシコ人のイチャイチャや
グッドナイトと東洋人の友情はゲイということでしょうか
アメリカ資本主義の権化に対して貧困層とマイノリティが連合
ダイナマイトやガトリング銃の大暴れは「ワイルド・バンチ」(1969)
チザム対ボーグのラストは「ウエスタン」(1968)

若い人では、これが初めての西部劇という人も多いようで
10代の人が見たなら違和感ないのでしょうが

私はもう少し凝った戦略とか罠が見たかったですし
敵のほうも突撃があまりにも無策です
そしてガトリング銃の射程が長すぎです(笑)
しかも最初から使えば、部下がひとりも死にませんでした





インディアンvsインディアンはいらなかったですし
最後に明かされるチザムの過去もないほうがよかったと思います
(それならもっと前に復讐していたから)
馬が一頭も怪我をしたり死んだりしないのも違和感あります
エンドクレジットで流れたエルマー・バーンスタインのテーマ曲は
中盤の馬の疾走シーンなどで流したほうが盛り上がったでしょう

結局、一番よかったのは、気丈な若い後家役を演じた
ヘイリー・ベネットでした





このようにツッコミどころは、非常に多かったですが(笑)
決してつまらないというわけでなく、最後まで面白く見れます
かっての西部劇は滅んでしまったのです
これはもうウエスタン版「アベンジャーズ」(2012)
と言ったほうが正解でしょう



【解説】allcinemaより
黒澤明監督による不朽の名作「七人の侍」を西部劇に翻案した「荒野の七人」をデンゼル・ワシントンクリス・プラットイーサン・ホークら豪華キャストでリメイクした西部劇アクション。監督は「トレーニング デイ」「イコライザー」のアントワーン・フークア
 開拓時代の小さな田舎町。そこでは冷酷な悪徳実業家バーソロミュー・ボーグが町の資源を独占しようと荒くれ者たちを従え、傍若無人の限りを尽くしていた。ある日、ボーグに夫を殺されたエマは、サムと名乗る賞金稼ぎの銃の腕前を見込んで、町を救ってほしいと住民からかき集めたなけなしの全財産を差し出し懇願する。最初は興味を示さなかったサムだったが、この依頼を引き受けることにし、ギャンブラーのジョシュをはじめ腕利きの男たちのリクルートを開始する。こうしてワケありのアウトロー7人が小さな町を守るために雇われ、やがて彼らはボーグ率いる200人超の悪党軍団に無謀とも思える戦いを挑んでいくのだったが…。